アイ・ポウクス(目突き)の欠点から、デイナ・ホワイトは新しい
グローブを研究中だと言う
MMAjunkie.comより
画像はUFC公式、MMA maniaより
アイ・ポウクスによって台無しにされたペイパービュー・イベン
トの後、UFCはグローブのデザインに取り組み始めた。
「実は私達は新しいグローブ開発に着手し始めていたんだ、そ
れは実際に手を曲げるんだよ。」とUFC社長デイナ・ホワイトは
言った、火曜にロサンジェルスで行われたESPN 710-AMに登
場したときのことだ。「そのグローブは『U』のように湾曲してるよ
うなんだ、だからまだ手を開くことは出来るし、でも指をまっすぐ
外に向けることはできない。」
先月ニューアークN.Jのプルーデンシャル・センターにて行われ
たUFC159において、二つの試合が偶発的なアイ・ポウクスの結
果止められてしまった、それはコー・メイン・イベントであるミドル
級のマイケル・ビスピンとアラン・ベルチャーの対戦も含んでいる。
その試合は判定となってしまった、3ラウンドにビスピンがベルチ
ャーの目を突き、それによって出血してしまった後のことだ。
それは高ランクの試合において、選手達が襲われる偶発的なフ
ァウルのなかでも一番多いものだ。
4月27日のイベントの後、ホワイトは対処することへの懸念を表
明した、というのも現在販売しているグローブは、ある会社が作
成しているものでセンチュリーと呼ばれているが、すでに州アス
レチック・コミッションによって認可されているからということだっ
た。
「指の部分まで覆うグローブがあったじゃないか、それだってま
だ相手の目を突くことはできるだろう。」と彼は言った。「ボクシン
グ・グローブを使っても、70年代とたしか80年代前半くらいには
目に親指を突きたててしまう問題を抱えていただろう。あれらの
古いエバーラストのグローブはロブスターのはさみみたいに見え
たものだが、連中はいつだって親指を突き上げることができた。
それからそのグローブに親指部分が装着されたのを作ったんだ。
そのグローブをつけてMMAでどうやってグラップリングをやろうと
いうのか、私には全然わからない。」
ホワイトはその問いに対する答えを探している。ホワイトは信じて
いる、その問題を回避する最善の方法は、ファイター達に彼らの
スタイルを修正してもらうことだ。
「あいつらはそのクソったれな手を閉じ続ける必要がある。」と彼
は言った。「試合中に手を開いた状態で相手の顔に向けて手を
伸ばすことはできない。それはできないんだ。」
UFCオフィシャルは言った、そのプロジェクトはまだ『初期段階』で
あり、新しいグローブのより細部の方は開発できなかったが、もし
かしたらそれを投入する時かもしれないと。
開発された新しい装備はファイターのストライキングやグラップリ
ングを阻害しないし、試合中に誤った指の使い方によって負傷し
た者達にとっては歓迎すべきニュースになるだろう。
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というわけで目潰し対策のグローブは一応検討してますよ、という
デイナ社長の発言でした。
キックで多用される相手の顔をグイと押す動きがサミングを発生
させるのでは?というのが私の推論です。ムエタイ精通者にサミ
ングが多いというのは統計を取ってませんが、自分はなんとなく
そんな気がしています。
この動きはディフェンスとしてもとても有用であり、蹴りを使う選手
に取ってはほとんど蹴りの予備動作みたいになっているケースも
多いですね。蹴る前にどうしても手を前に出してしまうのは完全に
癖でしょう。手で顔を押して相手の体制を崩し、相手の視界をふさ
ぎ、距離を取ったところにミドルをぶち込む、というのはキックでは
当たり前にみる光景です。相手との距離を計る意味もあります。
またはたき込みといいますか、張り手のような動作で相手の顔を
左右下方に押し込む動作も非常に有効です。相手のバランスを
崩し、ラッシュを回避するのに多用されます。レスラーに多いです
ね。これはフリースタイルレスリングでも見る動作ですし、相撲でも
非常に有効な技ですから、相手の重心を崩すには最適なのでしょ
う。 ビスピン対ベルチャーがまさにこれで、ビスピンがとりあえず
相手の頭をはたきこんで体制を崩してから何か仕掛けようとして
いたようですね。それが遠すぎたためにサミングになったようです。
一方で、この動きをどうも明確な意図を持ってやっているような選
手も多々います。ジョシュ・コスチェックやフィル・デイビス、そして
某柔術選手もわざとやってたんじゃないかなという気がしています。
インファイトでパンチを使いたい選手を封じるには非常に有効な反
則技となるでしょう。フィル・デイビスもまさに張り手というか、相手
の顔を手のひらで引っ掛けるような仕種をよくやっている気がしま
すが、あんなことをやってサミングが発生しないわけがないですね。
コスチェックは左の手を開いて張り手のように突き出したままにし
てあり、相手が突進してきた時にその手で相手の頭を止めるケー
スが非常に多いです。これもサミングが発生して当然でしょう。
現状サミングになったときに反則を取ることはありますが、手を開
いた状態で相手の顔面に伸ばすのが反則として注意されたのを
見た記憶はありません。恐らく「手を開いて相手の顔に向ける行為」
という表記ではされていません。
しかしデイナはこの行為は反則だとしています。そして一番の解決
方法は、選手が指が開いた状態で手を相手に向かって突き出す行
為をしなければいいだけだ、としています。これは全く同意なのです
が、手を開いて突き出すのはかなり多くの選手がやっています。ラ
イトヘビー級王者のボーンズもその動作をやっています。そしてこれ
まで誰も注意されてはいません。ではどのルールが該当しているの
でしょうか?
該当するのは二つ、一つは「Eye gouging of any kind」、あらゆる手
段による目を抉る行為、もう一つは「Putting a finger into any orifice
or any cut or laceration of an opponent」、対戦相手のあらゆる開
口部、傷口、裂傷に指を入れる行為でしょうか。恐らく後者のほうが
デイナの念頭にある気がします。前者はあくまでもサミングが発生
した後のことになるのではないでしょうか?
orificeというとつい口や肛門を考えますが、穴が開いている部位は
全てということですので、目もその該当部位に入るだろうと自分は
考えています。つまり、相手の顔に手のひらを伸ばして目の辺りを
押さえるのは反則になるのではないでしょうか?時間に関しては一
切言及が無いですので、わずかに触れるのも多分アウトなのでしょ
う。
しかしグラウンドでは、よくソネンさんが多用していましたが、相手の
顔面、それも目の辺りをよく手のひらでグリグリ抑えて視界を奪うと
いう動作をやっていましたが、このルールで言えばあれも反則とな
ってしかるべきな気がしますね。
ただこれではわかりにくいのは間違いありません。いっそ手のひらを
開いて相手の顔の前に突き出す行為、と明記してもいいような気が
しますが、もしかしたらクリンチや首相撲なんかで弊害がでるかもし
れません。キックの選手はリズムを作れなくなるでしょうし、フォーム
の改善を迫られることは間違いないでしょう。
では新しいグローブは?というと、開発はすでにやっていたようです。
UFCオフィシャルが言うにはまだ開発完了していないということですが、
デイナはそのグローブがU字になっているといいます。恐らく今みたい
に完全に「パー」の形で開くことが出来なくなっているのでしょう。横に
は開くし、指の部分は空いているのだと思います。これなら確かに
グラップリングもストライキングも影響ないですね。強いて言えば少
し相手の手首などを掴みにくくなるでしょうか。
いずれにせよ発生が非常に多い点と、明らかに悪用している連中
が存在している以上、新しいグローブを投入するのがとりあえずは
ベターな判断なのではないかと思います。加えて、レフェリングを
もう少し厳格にするべきでしょう。現状では、反則とされていながら
野放しな行為は少なくありません。トランクスを掴む行為は見えない
ことがあるからまだしも、マイクで拾えるくらいのabusive languageを
使用しながら放置されているディアズ兄弟などは問題でしょう。もう
そろそろこのあたりも改善していかないと、視聴者としてはフラスト
レーションが溜まるところです。
たまに手を思いっきりパーにしてジャブみたいに使ってる選手がいま
すが、あれはもう一発減点でいいんじゃないでしょうか?初期ドラゴン
ボールの大ファンなんでしょうか?あそこまで露骨なサミングを野放し
なのはさすがにどうにかしたほうがいいと思います。
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