ショーグン・フアは今後の試合について声明を発表した。そしてミックスド・マーシャル・アーツ(MMA)引退は予定に無いとしている。
MMA maniaより
画像はUFN: Shogun vs Sonnen Event Photo Gallery | UFC ® - Mediaより
元アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)ライトヘビー級チャンピオンであり2005年度Pride FCミドル級グランプリの優勝者であるマウリシオ・フアは、今だ彼のMMAトロフィー・ケースに飾るさらなる金属類を求めている。
31歳の伝説的なブラジル人ファイターの素晴らしき日々が、遠い思い出になったような今でさえだ。
先週末、マサチューセッツはボストンのTDバンク・ガーデンにて行われたUFC Fight Night 26のメイン・イベント(2013年8月17日土曜)での、チェール・ソネンへのサブミッションによる衝撃的な敗北のすぐ後に、「ショーグン」は声明を発表した(MMAFighting.comより)、その中で彼は再び205ポンドの世界王者になるという野望と、二度と同じミスは繰り返さないことを宣言した。
彼の宣誓:
「私は11年間MMAとバーリ・トゥードをやっています。私は常に望んだ物は全て勝ち取ってきました。私は夢見た全てを達成しました。しかし私は再びやりたいと思います。私はいまださらなる勝利を望んでいるのです;私はいまだに再び世界王者になることを望んでいるのです。私が(闘うことを)止めるかどうかというのを決めるのは私自身です、他の誰でもありません。私が財政的に安定していることを神に感謝します、そして私は闘い続けます、なぜなら私はそれを愛しているからです・・・私は本当に競争的な人間です、負けることを忌み嫌ったりはしません。私は準備の段階で自分がすべきことは全てやったと思っています、しかしあの夜はソネンのほうがより優れていました。残念ながら、戦い(のビジネス)において、私達は復帰し立ち直るためにはたくさん待たねばなりません・・・私は家路に着き、あの試合で何が駄目だったのかを見て、またミスが起こることはないと確信できるまで一生懸命練習します。」
誤りだったのはソネンがショーグンを「ロック」し、彼はそれを素早くすっぱり外そうと試みなかったことだ。そしてもしあなたが彼の兄に問えば、彼は試合の夜にコーナーにはいなかったのだが、「ニンジャ」ムリーロ・フアは彼のキャンプにいる、ある「胡散臭い」奴らが負の影響を与えてきたと考えている。
その主張はフアのマネージャーにはあまり心地よくないものだろう、レオナルド・サロマオ、彼はチームを牽引し、FOX Sports 1 networkで初めてとなるメイン・イベントの準備を手助けする手段を失ってしまったように見えた。
彼の弁だ:
「マウリシオはこのキャンプに莫大な投資をし、ベストな人と練習をした、アメリカに渡って新しいテクニックを学んだ、だから私達は同じチームを維持する決定をした。彼はアメリカでフレディ・ローチと練習した、クリチバにジェイコブ・ハーマンを連れて行き、グラウベ・フェイトーザのサポートを受けた、ロバート・ゴルドーとレナート・ババルが彼のコーナーに付いた。彼は本当に良く準備していた、だがソネンのほうが上だった。マウリシオは勝者であり、私は彼が戻ってくるだろうと確信している。」
「ショーグン」がオクタゴンへの復帰をいつくらいに計画しているのかは定かではない、だが声明を聞く限り、彼は遅いよりはなるべく早く戻りたいようだ。
だが、彼のプロ・キャリアで初めての連敗を経験し、2007年からUFCの試合では11戦中たったの5勝であるということから、たぶん彼は自身の環境を再評価するための時間を取りたいのかもしれない。
というのも今は引退というのは論外かもしれないが、すぐさまNo.1コンテンダーの地位に肉薄することを現実的に考えるのならば、彼はある程度の一貫した方針を是が非でも打ち立てる必要があるからだ。
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というわけで前のエントリに引き続き、今度はショーグンの側からの意見でした。ニンジャよ、この無能なマネージャーに天誅を下してしまいなさい。
まずショーグンのコメントから見ていきます。気になる点は二つ、準備が完璧だったと言っている点と、財政的に安定しているというところについてです。
あれだけ何も出来ずに負けたのなら、準備は不十分だったはずです。もし完璧にやってあの結果ならば、残念ながらもうショーグンが王者になるチャンスはゼロということになります。そして誰が見ても十分な準備ではなかったわけです。ここに自覚が無いのは非常に気になります。
次に財政的に安定している、という点です。ショーグンは戦績がイマイチながら、ファイト・ボーナスも多く獲得している上にファイトマネーそのものが高額ですので、確かに財政的には充実しているでしょう。そして恐らくここが問題です。彼がハングリーさを失っている可能性と、そのことに満足して支出に無頓着な可能性がありそうです。
さて、次にマネージャーのコメントを見ていきましょう。
まず、自分がいかに仕事をしたのかというのをアピールして言い訳から始まっています。ネームバリューのある(あると思っている)人の名前を列挙して自分の手柄のアピールです。仕事の出来ない小物にこういう人がよくいますね。あのフレディ・ローチと!ジェイコブ・ハーマンと!さらにはグラウベ・フェイトーザのサポートを受けて、コーナーにはなんとロバート・ゴルドーとレナート・ババルがいたんだぜ!よく準備したもんだぜ!
でも負けてんじゃん。ボロ負けだったんじゃねーのか?
負けてるなら準備は不十分でした、ってことじゃないんでしょうか。それともコーチ陣が名前ばっかりでクソの役にも立たなかったということを遠まわしに言ってるんでしょうか?はたまたこんだけの人選を揃えてやっても勝てないショーグンが悪いってことなんでしょうか?
有名人を集めれば強くなれるわけではありません。今ショーグンに最も必要なことは何かを考え、それをどれだけ達成できたか、そもそもそれが必要だったのかというのが重要なわけです。もちろんショーグンにボクシングは必要だったでしょう。しかし他にもっと優先順位の高いものがたくさんあったわけです。
つまり、このマネージャーは大金ばら撒いてネームバリューのあるコーチを山盛り集めたが、その人選は悪く、投資に見合ったキャンプを実現できなかった、ということになるわけですね。本人は莫大な投資をしたんだ、これだけ頑張ったんだといっていますが、結果がついてこなければその頑張りは無駄なわけです。大体頑張ったのはショーグンの貯蓄であり、このおっさんはそれを浪費してるだけなんじゃないでしょうか。
私がショーグンを見る限り、とにかく最優先はフィジカルの強化でしょう。UFCに来てから腹の肉が削げ落ちたのを見た事が無いです。それで勝てればいいですが、大概の試合でガス欠になっているのだからカーディオの強化は必須のはずです。今回の試合でも、もう1R終盤にはだいぶお疲れのようで、首を取られたときもモタモタとしてひどく無防備に見えました。いくらなんでもガスが無さすぎな気がします。
恐らくですが、ショーグンの膝の怪我が障害となって心肺機能の強化が難しいのではないでしょうか?それこそグラウベに払った金で、より優れた治療を受けてまず怪我の完治を目指すほうがいいような気がします。もうキックは十分でしょう。これ以上蹴りを磨いたところで得るものがあるとは思えません。
次に必要なのはケージの使い方、特にフットワークでしょう。今回のソネン戦もあっさりソネン教授に捕まってしまったわけですが、ニンジャの言うようにとにかく距離を維持する必要があったはずです。
ストライカーでTDを避ける選手達は皆高機動力を有しています。アンデウソン・シウバとリョート・マチダはフットワークと蹴りで距離を作ってTDを防ぎます。ジュニオール・ドス・サントスもフットワークとジャブを使ってTDを防ぎます。とにかく機動力を使って距離を空けて打撃、がレスラーと戦うストライカーのセオリーです。ボクシング練習と聞いて自分はそれを期待したのですが・・・。
それでなくてもソネン教授の突進は凄まじいスピードであり、そのプレッシャーの掛け方は数多いるレスラーの中でもトップクラスでしょう。あの恐れを知らない踏み込み方はいつも痺れます。それを相手に足を止めて様子を見るとかタックルの練習台にしかなりません。
怪我の治療、フィジカルの強化(タプった腹の肉がなくなるくらいまで)、フットワーク、テイクダウン・ディフェンス、立つ技術、そしてボクシングのジャブをはじめとしたストレート系、これらが今ショーグンに必要なものでしょうか。怪我がやはりネックになりそうですね。アホのマネージャーはトレイナーよりもまず先に名医を探してきたほうがいいんじゃないでしょうか。ドヤ顔で名医の名前を列挙したほうが遥かに仕事したアピールになるでしょう。
もうUFCに6年間もいるショーグンですが、凋落しているというよりは周りの変化についていけてないように見えます。デビュー当時とフィジカルも持っているスキル・セットも全部一緒のままで、進化をしていないように思います。元々非凡なものがあったがためにやってこれたものの、ここにきて限界を迎えたのではないでしょうか。MMAマニアの人が言うように、ここらで王座への一貫した方針が必要です。そのためにはまずクリチバに帰り、兄とタプった腹を割って話し合うことから始めるべきだと思います。このままでは「ショーグン・フア」ではなく「オサイフ・フア」、「ネングマイ・フア」などと呼ばれてしまうかもしれません。
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う~ん、確かに典型的な業界ゴロの臭いがするマネージャーですね。フレディ・ローチは世界最高のボクシングトレーナーでMMA選手の指導にも定評がありますが、選手本人が「こういう部分を強化したい」「こういう選手になりたい」というビジョンを持って自主的に教えを請うのとは効果が違うでしょうね。
返信削除ただ、それ以前の問題として、やはりレスリングがある程度強くないとスタンドで行くかグラウンドで行くかの選択権が無いので、打撃も寝技も活きないのですが・・。アメリカ人レスラーの最大の強みはここですね。立たせないスキル・立ち上がるスキルが優れているので主導権を握り易い。
後はエディさんの仰る通りヘッドコーチの問題でしょうか。この面子では誰がヘッドコーチか分かりませんね(ロバート・ゴルドーという人はどういう人かちょっと知らないのですが)。やはりグレッグ・ジャクソン的な人物が居ないと、各分野のコーチを集めても烏合の衆になってしまうのでしょうか。
以前UFCの試合統計を取ってる会社が調べたところ、レスリングが一番重要な要素だと言ってた記憶があります。
削除局面を決定する手段を持っているのは最大の強みだと思います。タックルのプレッシャーがあるかないかでスタンドのスタンスやら構えやら踏み込みは全て変わってくるわけですし、ディフェンスがどうしても散漫になりますよね。打撃が並でもテイクダウンの選択肢があるだけでストライカーともやりあえるように思います。さらにローがあれば完璧ですね。というかまんまGSPですがwGSPなどはそこの決定権を握ることで勝利している選手の筆頭だと思います。
このマネージャーに関しては、ショーグンのふがいなさに腹を立てた自分の八つ当たり的な部分もありますのでものすごいバイアス掛かってます。偏向しまくりなので差っぴいて読んでくださいw
真相はわからないのですが、機先を制してチームを維持することを決定したと言ったり、どうも保身に必死な印象を受けたのでつい指が滑ってしまいました。というか敗戦の弁で努力しましたアピールは基本的に駄目だと思うんですよね。
コーチに関してですが、以前マイケル・ビスピンもコーチ陣の確執についていいことを言ってましたね。各分野のコーチが集ると、それぞれが主導権を握りたがったり自分の手柄にしたがるんだと。彼らも商売ですから当然でしょうが、その人間関係の調整はひどくめんどくさそうです。その点グレッグ・ジャクソンは指揮系統がしっかりしてる感じですね。
やはり彼のようなはっきりとした指揮官がいないと烏合の衆になると思います。