2013年9月11日水曜日

ジョニー・ヘンドリクス、GSPがVADAに固執したことを怪しむ

ジョニー・ヘンドリクス:GSPは私を「胡散臭い」VADAテストの生贄にした



MMA Fightingより

ジョニー・ヘンドリクスは言う、UFC167でのウェルター級チャンピオン、ジョルジュ・サンピエールとのタイトル戦までの間に競技外でのドラッグ・テストを受けても問題ないと。

「今日私の何を調べてもいいさ。」とヘンドリクスはMMA Hourの月曜版で言った。「今日でも、明日でも、時間を指定しろよ、私はそこにいるよ。」

問題は、ヘンドリクスの見るところによれば、サンピエールのキャンプが主張するテストはラスベガスに本拠を構えるボランタリー・アンチ-ドーピング・アソシエーション(VADA)によって執り行われることであり、その組織はウェブサイトのフロント・ページでサンピエールをでかでかと取り上げているのだ。

ヘンドリクスにとって、それはVADAの公平性に疑問を引き起こすものだ。

「私はGSPがわからないし、彼が『さあ、向うに行ってテストを受けようぜ、他には私が提案した場所も、UFCが提案した場所すらないんだ。』と言うのは、自分にわずかながら疑念を起こさせるね。」とヘンドリクスは言った。「私のキャリアは彼の手に握られているし、それに彼はその足をVADAグループに踏み入れている始末さ。」

ヘンドリクスはたとえ話を続け、それを同じ仕事に就こうとしている二人の人間になぞらえた。

「それはそうだね、もしあなたが就職しようとしているとして、一人の男は言う、ヘイ、私達は二人とも同じ仕事に就こうとしている、あなたもドラッグ・テストに申し込まなきゃ。」とヘンドリクスは言った。「そしてもう一人の彼は言う、『ヘイ、私はマジでいい奴を知ってるんだ、そっちでドラッグ・テストができるぜ。』君はそっちに行って彼が知っている誰かと一緒にドラッグ・テストを受けるだろうか、それかあなたは自分の知らない誰かをつかまえるだろうか、そう考えたときにそれは平等な立場だろうか?」

ヘンドリクスはこのことをそういう風に見ている、11月16日、MGM・グランド・ガーデン・アリーナでのGSPとの試合は会社の20周年記念祭のメイン・イベントであり、それは金とトップ・ポジションに行くことがかかった彼の大一番だ。そして彼は公平な土俵でなくなるようなことををあえてやろうとは望んでいない。

「私は『GSPさんよ、あなたは正しいのかもしれないよ、彼らは胡散臭くなんかないかもしれないよ、彼らは100%真っ当にテストをやるかもしれないよ。』なんて言いたくはないんだ。」と彼は言った。「だがあなたは今話しているじゃないか、私がGSPを倒せばそれは数百万ドルだってことをさ。もし私がこのドラッグ・テストをやるとして、そして彼らは私がそれに関われない場所で何かしらをやる、今それは私にとっては数百万ドルの負担になるかもしれないんだ、私はGSPのためにただここに座ってVADAを推すようなリスクをあえてしたいとは思わない。」

最近、それぞれのキャンプの代表による電話会議が行われた、UFCとネバダ・アスレティック・コミッションと一緒に、その状況について話し合おうと試みた。

「ここ三週間に渡って、いくつかの疑わしいことが続いていたんだ、第一にね。」とヘンドリクスは言った。「私のマネージャーと、彼のマネージメント・グループとUFCとネバダ・コミッション、彼らは電話に出て1時間かそこら話し合った。私は電話会議には出席しなかった。私達はああ、どんなテストでもやると言った、だが私達はどれだけ掘り下げてやるのかわからないし、私達はいまだGSPがVADAと関係しているかもわからないんだ。」

ヘンドリクスによれば、彼は電話会議には出席せず、彼のキャンプはワールド・アンチ-ドーピング・エージェンシーを通じてテストをするように要請した、それは国際オリンピック委員会と提携している検査機関だ。

「一度私達はそれが少し疑わしいことだと思い、私たちは言ったんだ、ドラッグ・テストはやろうじゃないか、だがそれはもう一歩進んでやろう。」と彼は言った。「WADAに行こうぜ、世界オリンピックのテストをしているところだ。ネバダコミッション、彼らはWADAを選んだ、彼らは良いことだと言う他なかった・・・UFCがWADAでやろうと言ったとき、私達はWADAでやりたかった、私は100%その準備ができている。」

サンピエールがヘンドリクスの関与なしにVADAのテストを続行する決断をしたとき、それはヘンドリクスに対して少しあてつけがましくなり始めた。

「それから電話会議の後1週間くらいして急に、私はGSPがドラッグ・テストをしようとしていたことを知らなかったのに、その後で『ジョニーはそれを拒否した』なんてことになったんだ。」と彼は言った。「私は言った、おい、おまえはVADAでやろうとしていたことすら私に告げなかったじゃないかと。最終的に私は自分のマネージメントから聞いたし、UFCはWADAだったんだ。それからGSPは自分だけVADAに赴いて検査をし、自分の嫌疑を晴らすために私を生贄に捧げたんだ。」

ヘンドリクスは、GSPのVADAを通じてテストをするという提案は心理戦を仕掛けようという試みだったと思うかについて尋ねられた。

「私は彼が怯えるに足る理由があったのだと本当に信じている。」と元NCAAチャンピオン・レスラーは言った。「私が思うに私はGSPを倒すことが出来る。私はそれを信じている。そういう気持ちがある、私はGSPを倒せると100%信じている。彼がそれをやっている理由は何だ?私の気を散らそうとして心理戦をしているのか?わからない。私にはGSPがわからない。心理戦をやるならたくさんの方法があるし、私はそんな手を使ったりはしない。」

「私は自分が何もやっちゃいないことを知っている。」とヘンドリクスは続けた。「私は自分が潔白なことをわかっている。私はいつ、いかなる点でどんなドラッグ・テストを与えられてもパスできる。単に私は足を(VADAの)ドアの内側に踏み入れている奴が気に食わないだけだ。それが自分の最大の懸念なんだ。周囲で進行している何事かがある、それがこれから起こる事に影響してくる。それは私には影響しない。私は自分が絶対にドラッグ・テストに失敗しないだろうことをわかっている。私は今だ失敗したことはないし、失敗しないだろうこともわかっている。もし私に薬の手助けが必要になる時が来ても、私はそれをやりたくはないんだ。」

サンピエールはこの状況に対して、今だ公式のコメントを出していない。

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なんだか変なことになってきた、GSPとヘンドリクスのドラッグ・テスト論争でした。

実はさほど興味が無かったので全容を把握していないのですが、GSPが突然自腹でもいいからドラッグ・テストをやろうと持ちかけたときはさすがにちょっと首をかしげました。デイナ・ホワイト社長もなんだか薄気味悪いとコメントしていた記憶があります。わざわざこのタイミングでそんなことを言い出す理由がよくわからなかったからです。

考えられる理由は四つあります。一つはヘンドリクスがドーピングをしている確かな証拠を握っている、二つ目は自身にかけられたドーピング疑惑をヘンドリクス戦を利用して晴らす、三つ目はドーピング疑惑を投げかけることでヘンドリクスに揺さぶりをかける、4つ目はVADAのアピールをすることでGSPに何らかの得がある、という理由です。そしてこれらは、ヘンドリクスの発言を信じるならばそのどれもが正しいようにも見えます。

一つ目に関してはまったくわかりません。確かにヘンドリクスの信じがたい瞬発力とKOパワーには、その疑いがかかってもおかしくないようなものがあります。体型的にもずんぐりと分厚く、やってるといわれればやっているような気がしなくもないです。しかしそんなことは判断基準になりません。

二つ目はありそうな話です。これまでGSPはBJ・ペンやニック・ディアズにステロイダー呼ばわりされてきました。そして腹部の膨らみから、ドーピングからくる内臓肥大じゃないかなどとも噂されました。しかし彼は王座戦でのドラッグ・テストを全てパスしています。またステロイダー呼ばわりしている奴らの性格を考えたらレッテル貼りの可能性もかなり高いでしょう。それでも一度ステロイダー扱いされたら、その疑惑を払拭するのは容易ではありません。王者であることも手伝って、面白半分に冷やかされることもあるでしょう。なので彼はこの機会にUFCよりも厳しい検査を自主的にやることで、その汚名を晴らそうとしたのかもしれません。さらに自腹でやるとなれば、まず彼を疑う人はいなくなるでしょう。

三つ目もありそうなことです。仮にやっていないとしても、こういう疑惑をかけられればキャンプに何らかの悪影響が出ることは十分にありますし、ナーバスになればそれだけ練習の質も落ちていくでしょう。しかしわざわざGSPがそんなことをやるでしょうか?やっても大した効果は望めないように思います。

四つ目はどうでしょうか。確認すると、実際VADAのトップには他のアスリートに混じってGSPが出ています。彼はクリーンな競技とVADAの検査の正確さをアピールする広告塔なわけです。しかし彼が広告塔になることで金銭的に何かがあるのかはわかりません。

結局真相はわかりません。しかしヘンドリクスが言うことが真実であれば、確かにGSPにはおかしな点が散見されます。なぜVADAに拘るのか、そしてなぜ自分ひとりだけ先に検査を受け、そのことをヘンドリクスに言わなかったのかです。

ヘンドリクスはうさんくせーと思っている間に、GSPが抜け駆けして検査を受け、挙句マスコミには「ヘンドリクスは検査拒否」という記事が出回ってたと怒っています。事実ならばこれはGSPに非があるでしょう。悪意があると言っても過言ではありません。VADAテストは義務でないにも関わらず、まるでヘンドリクスがそれから逃げたように見えてしまいますし、さらにはヘンドリクスがドーピングをしているかのようなイメージがついてしまいます。これでは生贄にされたと怒るのも当然です。

さらにはなぜVADAに拘るのでしょうか?検査の結果になんらかの手心を加えるのは、いくらGSPでも無理でしょう。VADAも組織の根幹に関わることを、そうそうやるとも思えません。一応関わりがあるから、宣伝もかねてVADAをプッシュしているというのは間違いなくあるでしょう。それでGSPに利益があるのかは知りません。VADAがUFCとの提携を強く望んでいるのかもしれません。ただ、ここに拘るのは確かに公平性を欠いていると自分も思いますし、目的はUFCのドーピング検査の強化だったはずです。それならばUFCもネバダも賛同しているわけですし、オリンピック基準でもあるWADAの検査にすればいいでしょう。特定の組織の利益を図るのならば、それを隠すような真似はGSPにも確実にマイナスです。コミッションとUFCの前で、何故VADAなのかをきちんと説明する必要があるでしょう。

VADAを選んだ理由は関わりがあるから、そしてヘンドリクスを生贄にして自分の疑惑を晴らしたというのは正しいような気がします。イヤなら検査を受けろもわかるのですが、ヘンドリクスからすれば気分は悪いでしょう。もし本当にドーピングをしていたのなら、相当にきつい展開でもあります。とりあえずヘンドリクスは潔白を証明するのならば、GSPに検査費用を払ってもらってWADAで検査するのが一番いい反撃だと思います。それが無理なら、この件はスルーしてコミッションの検査だけで試合に臨めば十分でしょう。とりあえずGSPからこの件に関して何らかの意見が欲しいですね。

せっかくのいいカードなのに、ケージ外のゴタゴタで試合にケチがつかないことを祈るばかりです。

2 件のコメント:

  1. 記事を読んでみてこの記者はあまりドーピング検査の知識が無いように感じました。
    基本的な知識がないままヘンドリクスの主張を頼りに記事を書いているので記事自体がイマイチ信頼性がない印象を受けました。またGSPにも取材するべきだしVADAに取材するだけでも色々わかる事実があったと思います。

    VADAのウェブサイトフロントページでGSPがでかでかと取り上げているとありますが、GSPがVADAの最新契約者だから最初に出てくるだけであって少し待っていれば次々に選手が入れ替わりボクサーやアスクレン、ロイ・ネルソンなんかが出てきます、これにヘンドリクスが公平性に疑問を持つというのはよくわかりませんし記者は逆にヘンドリクスの主張に疑問を持たなかったのでしょうか。

    GSPがドラッグテストをやろうと持ちかけた理由はググれば色々出てきますがそのうちの一つです。
    http://bleacherreport.com/articles/1734804-georges-st-pierre-willing-to-pay-for-vada-testing-for-himself-and-johny-hendrick

    個人的には管理人さんが推察している二つ目の理由が一番大きいように感じます、海外のサイトを見ていればわかると思いますが低俗なファンのドーピング疑惑追求も少しは黙らせることができると思うので。

    >「ヘンドリクスは検査拒否」の記事が出回った
    これはただ単なる連絡ミスだと思います。どこで連絡が切れてしまったのかわかりませんがGSP側が伝えたことがヘンドリクス側にしっかり伝わっていなかったのだと思います。なぜならGSP側が悪意でこんなデマを流したとしてもヘンドリックスが即座に否定するのは目に見えておりデマを流す意味が殆ど無いからです。それに仮に成功してヘンドリックスにドーピングをしているようなイメージをつけてGSPになにかメリットありますかね?

    >さらにはなぜVADAに拘るのでしょうか?
    これについては誰でも気になると思いますが、大げさなものでなく普通にGSPにインタビューをすれば直ぐに解決する話しなのでMMA FightingがGSPへのインタビューを敢行しなかった事を疑問に思います。

    ヘンドリックスがVADAとGSPの関係を疑っていて検査を受けたくないというのは納得できるのですが、最終的にヘンドリックスはどうしたいのでしょうか?WADAを使って自身がクリーであることを証明したいのでしょうか?GSPのやり方への不満はわかったのですが自身がどうしたいのかがよくわかりません。


    冒頭でも書きましたが、記者は追跡記事を書くつもりなのかもしれませんが取材不足でモヤモヤした物が残った印象の記事でした。

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    1. コメントありがとうございます。たぶん記者は記事中に自分の考えをあまり反映させてないだけなのだと思います。

      この次のエントリで、カイザーがばらしたメールのやり取りをご紹介する予定ですが、恐らくそれで匿名さまのモヤモヤは晴れると思います。カイザーがかなり笑えますのでご期待くださいw

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