2013年8月20日火曜日

ニンジャ・フア、弟のショーグンは利用されていると語る

ニンジャ・フアはUFC Fight Night 26でのショーグンの敗北に対し、弟のファイト・キャンプにいる「胡散臭い」連中を非難した



MMA maniaより

ニンジャ・フアは彼の兄弟のUFC Fight Night 26での凋落を招いたものが何かを知っている、そしてそれはお粗末なディフェンスよりも大きいかもしれない。

もしあなたがミックスド・マーシャル・アーツのファン達がマウリシオ・フアのチェール・ソネンへのサブミッションによる敗北に動転していると思うのなら、彼の兄がどう感じているのかは想像がつくだろう。

マサチューセッツはボストンのTDガーデンで土曜の夜に開催された、FOX Sports 1のUFC Fight Night 26(2013年8月17日)最後のメイン・イベントで、「ショーグン」は絞められて最初のラウンドで陥落した。

だが敗北を避けることは出来たのだろうか?

ムリーロは弟のディフェンスに致命的な欠陥があることを早くから指摘していた、だがフアのトレーニング・キャンプを構成する「胡散臭い」連中に対する警告もしていたのだ。同じ連中がブラジル人の急速な離脱を引き起こしていた(このキャリアの変化が起こる前に)。

「ニンジャ」はMMA Fightingで分析をした:

「私の意見では、マウリシオは誤ったゲームを展開した。彼はテイクダウンを避けるためにもっと動くべきだった。レスラーに対してハーフガードで戦うのは得策ではない。彼はテイクダウンをされた時にチェールをガードに持っていき、スイープを試みるか、ある程度のパンチを当てるべきだった。だがソネンは彼の首を取ってしまった、残念なことにね。我が弟はある者を必要としている、彼は話を聞くことのできるヘッド・コーチを必要としている。私は何につけても彼にはいつも真実を話してきた、だが私は彼のキャンプにいるトレイナーについて言わねばならないことがあった。たぶん将来において、私はまた彼と一緒に練習することになるだろう、もしかしたらだけどね。私は彼がクリチバに帰ってきたら彼と話すつもりだ。彼は自身の周囲に胡散臭い連中を大勢抱えている、連中は彼を利用しているんだ。彼のキャンプにいる連中は言った、私はマウリシオのために良くないんだ、なぜなら私がコーナーにいると彼をナーバスにしてしまうからだと、そして彼はそれを聞き入れた、だから私は去ることを決意したんだ。もし私が指摘しうる問題点があるとするならば、私はただ彼を喜ばせるための嘘をついたりはしないということだ。」

真実は貴方を自由にする・・・あなたの兄の側からの意見だ。

先週末の敗戦において、フアのトレイナー達がどれだけその要因となっていたのかは判断に困るところだ。「ショーグン」もまた過去2年間に渡って健康面の問題と闘ってきた、それは複数回に及ぶ膝の怪我も含んでいる。そしてはっきりと言ってしまえば、このスポーツは彼がPRIDEにおいて思うがままに駆け抜けていた時のものと同じではないのだ。

物事は進化してきた・・・だがフアは?

彼の次のパフォーマンスを見るまでは、このブラジル人のはっきりとした青写真は見えないかもしれない。彼は現在オクタゴンでは5勝6敗という状況であり、彼のキャリアにおいて初めての連敗を経験した。そこに至るまでに、彼は一緒につるむ新しい友人達を見つけたかったのかもしれないし、それか少なくとも「嘘」をつかず、耳に聞こえのいい事を話さないような人たちと練習したかったのかもしれない。
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というわけでソネンに圧倒的な差で敗北したマウリシオ・ショーグンに対する兄、ニンジャからの警告でした。お兄ちゃんはものすごく心配しているようです。

ハイライトとレポートを見る限り、やはりレスリング技術が穴だらけで為す術がなかったようですね。距離を取ることすら許してもらえなかったようで、せっかく鍛えたパンチは一切披露する機会すらなかったとか。なんというか、懸念していた通りになって残念な限りです。計量を見る限り、フィジカルも相変わらずダメなままですね。もっとシェイプしてギチギチまで絞り込まないとスタミナも厳しいでしょう。

さて、あまりの惨敗ぶりに引退の可能性まで浮上してきたショーグンですが、その敗因を兄であるニンジャ・フアが分析しています。

まず指摘しているのが単純な戦略ミスです。どうもグラウンドにお付き合いしてしまったようで、ハーフガードでレスラーを相手にするのは駄目だろうといっています。ごもっともです。ハーフガードはヘビー級王者のケイン・ヴェラスケスも好んで占めるポジションで、相手をコントロールしつつパウンドを落とすには非常に好ましいポジションのようです。GSPなどもここからパウンドや肘を狙いますね。柔術家がレスラーに組み敷かれて、ハーフガードの下でコロコロ足掻くのを全てコントロールされているのはよく見る気がします。最たる物はケイン・ヴェラスケスのアントニオ・シウバ戦1とGSPのニック・ディアズ戦でしょうか。

しかしそういうディフェンスの技術に関しては以前から指摘していたようです。そして今回ニンジャが意を決して指摘したのが、彼のキャンプに巣食っている「怪しい連中」についてです。

ニンジャの言を信じるならば、今のショーグンの周りにいる連中はショーグンのご機嫌を取るために嘘をつき、真実から遠ざけているといいます。そうやってショーグンに取り入って、彼から甘い汁を吸っているのだと。そして何と、兄であるニンジャはショーグンの害となるとショーグンに吹き込んで、ニンジャをキャンプから追い出してしまったというのです。見る限りではブラジル人が他にも排斥されているような感じですね。

ニンジャは弟の凋落振りを見かねたのか、彼が故郷クリチバに帰ってきたら話をし、場合によっては彼のキャンプに参加するつもりのようです。ニンジャの口ぶりには肉親への愛情を感じます。

今回のケースに見覚えがあります。同じような状況がレジェンド・ファイターであるエメリヤーエンコ・フョードルとその弟エメリヤーエンコ・アレキサンダーの間にもあったように記憶しています。アレキサンダーは自身の試合に関してはいまいちでしたが、兄が凋落を始めた際にはとても的を射た指摘をしていました。そして彼が指摘したのもまた、兄の周りに集る連中が兄を駄目にしたというものでした。もう名前も忘れましたが、フィクサー気取りのウジムシみたいな名前の奴がフョードルのマネージャーだかをやって、フョードルが勝つためにあれやこれやを仕込んだりしていたのを覚えています。UFCに参戦してもいいけど、大会の運営に関わらせろとか狂人のたわ言をのたまっていたような気がしますね、一選手の陣営を大会運営に関わらせてその利益を半分寄越せとかウォッカも程ほどにしとけよって感じです。あのウジムシ野郎は自分の金のためにフョードルを食い物にし、MMAファンが望むドリームカードを幾つか叩き潰してくれました。

アレキサンダーは練習環境が悪い、ロシアでは十分な質のトレーニングも出来ないし、ケージにも対応する必要がある、兄は今の最先端についていけてないという至極最もな指摘をしていて、なんだただのチンピラじゃないのかと驚いた覚えがあります。自分もそうなのでよくわかるのですが、兄弟というのはとても独特な関係です。子供の頃はよく喧嘩もしますが、大人になるにつれて極めて良好な関係になるように思います。そして不思議なほどに利害を超えて、相手に対して協力的になれるように思います。エレンバーガー兄弟などもそうでしたね。

余談ですが、フョードルはワジムみたいな連中を全て切り捨てて裸一貫、日本に来たときのようにアメリカに行けば十分にコンテンダーとして試合できたと思っています。階級をライトヘビーに落とし、科学的なフィジカル・トレーニングを行い、優秀なパートナーとコーチのいるジムに移籍すれば今頃はUFCのライトヘビー級をにぎわしていた事でしょう。胡乱な連中にすっかり洗脳され、国家だの愛国心だのを過剰に抱え込まされた結果ずいぶんとおかしなことになったように思います。真相はわかりませんが、本当に選手として惜しかったです。彼がストライク・フォースで経た3度に渡る敗戦の後に、連中が彼を見捨ててくれればチャンスはあったのですが・・・。

話を戻します。今回はニンジャの分析が正しいように思います。あの結果を見る限りはキャンプが悪いといって差し支えないでしょう。さすがニンジャ、諜報活動に長けています。まあ謀略に破れて放逐されてはいるのですが。

ソネン戦の前に、ショーグンがフレディ・ローチとボクシングのトレーニングをしたというニュースがあり、自分としてはいい事だと思って好意的に取り上げました。しかし今思い返せばショーグンはこう言っていました。この件は全部、マネージャーがコンタクトを取り、レッスンを幾つか予約していたのだと。ショーグンは結果的には良かったと言っていました。しかしそもそも、このアイデアにショーグンは介在していなかったのではないでしょうか?マネージャーはショーグンが知らないところで勝手に事を進め、勝手に予約を入れていたのでは?私はこやつに褒美を取らせろとか言いましたが、今すぐ打ち首獄門にしなければいけないのかもと思い始めています。

ショーグンはもしかしたら、本当に彼らの操り人形なのかもしれません。もし本当にショーグンがノータッチのところでこの合同練習が企画されたのなら、冷静に考えればかなり異常です。そこにはショーグンの都合や意思が入る余地が無いからです。ましてやショーグンは長期に渡り大きな怪我を抱えています。彼の体調を最優先に、相談して予定を組むのが普通のはずです。晩年のフョードルも同じような感じでした。マネージャーをはじめとした取り巻きが勝手に決め、勝手に話を進めていたように見えました。

主人公は選手です。練習するのも、契約を結ぶのも、試合で闘うのも、その報酬を受け取るのも全ては選手が中心であるべきです。彼らの血肉を犠牲にして得た報酬を、第三者がまず受け取るのはおかしなことです。UFCはそういう方針から、ジムやマネージャーとは契約せず、選手との直接契約のみになっています。そして選手自身が、トレイナーやジムやマネージャーなどにギャラを払うようになっているはずです。もちろんそれによる弊害はあるでしょう。しかしボクシングのようにジムが何もかも取り仕切るのは、選手が奴隷化してしまうように思います。そしてもしショーグンが取り巻きによっておかしなことになっているなら、この方針はやはり正しいのだと思います。

もちろんどちらが正しいのか完全にはわかりません。ニンジャもまたショーグンに取り入りたいだけなのかもしれません。しかし現在ショーグンのキャンプは事実結果を残していません。そしてショーグンにまったく進歩が見られないのですから、キャンプで指揮をしている人間に問題があると結論付けていいはずです。私は兄のニンジャを信じることにします。クリチバで兄弟が話をしたとき、果たしてショーグンは兄を信用するのかどうか、彼の未来はもしかしたらそこで決まるのかもしれません。もしショーグンのキャンプにいる連中が本当にショーグンを食い物にしているのならば、お兄ちゃんのニンジャには忍らしく、幕府に救う悪人どもに天誅を下して欲しいと思います、ニンニン。

2 件のコメント:

  1. ダナハー2013/08/20 21:14

    レスリング系の選手はハーフの上は得意な人が多いですね。トルコ刈りの応用なのか器用にコントロールし、パウンド&エルボーやギロチン&ダースの連携で攻めるパターン等をよく目にします。
    ショーグンの潜りスイープという選択肢も、ベースの強力なレスラーをスイープするという意味では、より相手の重心の下に入り込む方が効果的なので、100%の間違いではないのですが、UFCのルールとレベルではそこに至るまでに反撃を受けやすい。最近は完璧なスイープを狙うよりもフックガード等で浮かせた瞬間に立ち上がってしまうか、ハーフならアンダーフックから脇の下を抜ける形で立ち上がる形等をよく見かけるような気がするので、ショーグンのやり方は最近のセオリーからはやや外れているでしょうか。セオリー破りでも結果が出れば問題ないのですが、ジョーンズ戦でもこのパターンからメッタ打ちにされていました。
    キングスMMA所属なのでクレイジーロシアンに寄生されていたヒョードルよりは環境は良さそうですが、同じ大会で惨敗を喫したアリスターと同様、スタッフとのコミュニケーションが上手くとれていないのでしょうか?
    フィジカルもライトヘビーはおろかミドルでも強い方には入らなそうなので、前途は厳しいですね。

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    1. わきの下を抜けて立つのは最近よく見る気がしますね。今回のケースでは技術以前の問題として、すでに1R終盤でショーグンのスタミナが空っぽになっていたように見えました。潜る動きがひどくもっさりとして遅かったように思います。潜る動作の途中で尻餅をついたような体勢でずいぶん長いこと留まっていたのが印象に残っています。

      また次のエントリで紹介しようと思っていますが、コミュニケーションというよりはキャンプのヘッドコーチが駄目な可能性が高そうです。ショーグンはPRIDE勢の中では比較的早くUFCに参戦しましたが、フィジカルも技術も参戦当時から進歩していないように見えます。ならばやはりキャンプの指揮者が駄目なのではないかと感じています。たぶん次の記事での私のコメントはものすごーく毒がきつくなると思いますw

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