2013年10月23日水曜日

川尻達也、UFCと契約する(海外の反応つき)

レポート:日本人のフェザー級選手川尻達也がUFCとサインし、シンガポールで1月4日にデビューすると目されている



MMA maniaより

ディナーに誰が来るのか予想しようぜ!

長年日本のミックスド・マーシャル・アーツ(MMA)のベテランであった川尻達也はケージに戻ろうとしている。

SHOOTOとPRIDE FC、その他諸々の団体の元での成功を含め、国際的な舞台で十年以上に渡り恐怖支配を行った後、川尻(32勝7敗)はアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)との新たなる契約に署名した、MMA junkieからのレポートだ(出典はMMA Fightingより)。

「クラッシャー」は来る2014年1月4日、シンガポールのイベントでフェザー級としてデビューすると思われる。

その元ライト級選手は米国のプロモーションにとっては知らない者ではない、2011年前半にストライクフォースの看板の元、彼はアメリカの水に初めてその爪先を浸したからだ。DREAMとの選手共有協定の一部として、川尻はサンディエゴでギルバート・メレンデスを相手に印象を残そうとした。

彼は一つの印象を残した、ただそれは彼が目論んでいたものではなかった。

「エル・ニーニョ」はショータイムの「ディアズvsデイリー」の大会における彼らのリマッチという構図の中で、彼をその水の外にまで吹き飛ばした;だが、川尻は自分の傷をいつまでも舐めてはいなかった。彼はDREAMに戻って1ラウンドでドリュー・フィケットのケツを蹴り飛ばして立ち直り、それから145ポンドに落として矢継ぎ早に3つのサブミッション勝ちを含む4連勝を挙げた。

彼は戻ってくる、だが彼はこれまでよりも良くなっているだろうか?

彼はたぶん、UFCのフェザー級がどれほどに層が厚くなったのかを考える必要がある。加えて、「クラッシャー」はすでに35歳だ、だから彼のコンバット・スポーツ・キャリアには一刻の猶予もない。殆どのファンが、キャリアのもう少し早い段階で彼が乗り込んでくるのを見たかっただろうと私は確信している。

だがなあ、一生来ないよりは遅い方がずっといいぜ。

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というわけで「クラッシャー」川尻達也選手がUFCと契約したというニュースでした。ちょうどご本人様の海外の反応が知りたいとの要望をツイッターで見かけたので紹介したいと思います。かなりエグイのもある程度載せてありますが、偽らざる本音のほうがいいかと思いますのであえて選びました。耳に聞こえのいいことだけでは正確性に欠けるところでしょう。MMA maniaのコメント欄より抜粋です。

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・自分はこれ以上彼のチャンスを望まないね。5年前じゃねーのかよ?彼は今じゃ同じじゃないんだぜ、145ポンドでさえね。健闘を祈るけどさ。

>今でも彼の参加は良いことだろ。

>そうだな たぶん彼のキャリアの最後になるだろう、それでも彼はうまくやろうと努力してるぜ。


・岡見解雇の後、今バランスが取れたのだ。


・カブ・スワンソンかチャド・メンデスだな。


・コナー・マクレガーだろ。

>その試合いいね。

>良い試合になりそうだ。


・彼はこの階級のトップと競うことはできないだろう、だが私はUFCで彼を見ることを歓迎しているよ。彼らはもう一人パンチのある奴を彼と組ませる必要があるな。たぶん一勝を経験したタッチー・フィリかな。

>そりゃいい組み合わせだ!絶対バイオレンスな試合になるよ。


・5、6年前に彼がこの機会を得るのを見てたらよかったんだけどね。でも彼の試合をUFCで見るのはいまだにワクワクするよ。彼の2006年のNYEでのメレンデス戦は素晴らしかった。


・UFCは日本に進出したいから、岡見が切られた時に二流の選手が契約されたんだ・・・クソが。

>私は岡見を愛している、だが彼はアメリカか日本においてファンベースを持たないんだ。一方でクラッシャーはとても人気でファン好みのスタイルを持っている。

>黙れよクソ野郎、ダナにビジネスさせてやれ・・・

>クラッシャーが?二流だって?彼は2005年以降に負けたのは青木、メレンデス、それにアルバレスだけだぜ。彼はメレンデスには勝ってたと思うし、彼はジョシュ・トムソンを完璧に支配したんだ。お前はとんだウスラバカだな。


・また一人、過大評価のジャップ(原文ママ)が叩きのめされるのか。

>彼はトップ15位以下の相手には負けないだろう。彼は才能があるよ。

>次のアジア用カードとしてチャンソンとの照り焼き・ファイトを組もう、そうすればKZ(コリアン・ゾンビ)は日章旗に対して抱えるすべてのフラストレーションを払しょくできる。

>私が思うに川尻は彼を倒すだろう、グラウンドでコントロールして判定勝利さ。

>お前は彼がギルバートがやったのよりもずっと容易くジョシュ・トムソンを倒したことを理解するんだ、おわかりか?


・結局のところ、彼をUFCで見るのにワクワクしてるんだよね。


・そうさ私はクラッシャーの大ファンさ。うまくいけば彼は順調に試合をこなしていけるだろう、彼がUFCで黄金を身に纏うことになるかは疑わしいけどね、だが勝つにしろ負けるにしろ彼の試合を見るのを楽しみに待っているよ・・・私はまたヘルボーイ(ヨアキム・ハンセン)が米国に来てアメリカのここで他の135ポンド選手と戦ってほしいと思っているんだ。


・いい契約だね。


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こんな感じでしょうか。MMA Fightingでも歓迎ムードです。基本的にネーム・バリューがある選手の参戦を嫌がるファンは少ないでしょう。殆どのファンが川尻達也という選手の試合をUFCで見られることに喜んでいます。そしてさっそく対戦相手候補を推測しているようです。みんながこぞって強豪をあげているのが恐ろしいですね。

一方で、否定的な意見として一番多いのが「おせーよ」というものです。記事中にもある通り年齢的に35歳はキャリアの終盤です。ここにきて新天地での戦いというのは相当にシビアです。理想を言えば5年前、というのが大勢の一致するところでしょう。

そしてもう一つあるのが「過大評価」というものです。基本的に海外ファンは日本での実績をかなり重く扱ってくれます。それはUFCのプロモーションも同様です。皆様も日本のスター選手がUFCに参戦して、しょっぱなから強豪を当てられて敗北するのを何度も見てきたことかと思います。UFCではネーム・バリューがあるとそれに比例して強豪を連れてきますので、ある意味有名税がものすごく重いとも言えます。それは日本人に限らず、ブロック・レスナーのような選手もMMA初参戦にしてはきつすぎるマッチメイクばかりで、ケン・シャムロックがそのせいでレスナーが潰されたのだと怒っていました。

川尻選手の戦績は32勝7敗とかなり良く、また知名度もありますので結構な強豪が来ることになりそうです。コナー・マクレガーとかありそうな話です。メンデスはないでしょうが、カブ・スワンソンやジョン・チャンソンは可能性として十分あります。トップ10ランカーが来ると思っていた方がいいでしょう。

そして記者も指摘する通り、今ではフェザーは中々の層の厚さです。特にメンデスなどは最近ちょっとシャレにならない強さになりつつあります。デニス・シヴァー、エリック・コク、ニック・レンツあたりで少し楽になるかな、程度です。チャールズ・オリベイラあたりでも相当に手ごわいでしょう。

殆どの人が王座にはたどり着かないだろうと見ています。ただ、私はそれはさほど気にする必要はないのかなと思っています。

海外の良識あるMMAマニアと同様、私は試合の勝ち負けそのものよりも長期参戦することに価値を見出します。たった1試合2試合を海外でやったところで、あまり参考にはならないからです。勝負は作戦やわずかな体調の違い、運などでも結果が分かれることがあります。特にMMAではスタイルの相性も大きく関係します。なので、色々なタイプとやってその総計で評価を定めるべきだと考えます。そして最も偉大な選手とは勝ち負けに関わらずコンスタントに試合に出続ける選手です。格闘家は試合をしてこそ価値があると思っています。敗北を恐れて試合をしない選手に用はありません。常に高みを目指して己の限界に挑む姿に私は心惹かれます。

私が日本の大会で不満に思っていたのはその継続性のなさです。勝った選手同士が当たる、負けた選手同士が当たるという構図がないと自分はまったく盛り上がりません。どっかから見つけてきた選手をポツポツと当てるのでは評価のしようがなかったのです。

UFCでは勝てば次々と強豪を当てられますし、負ければランクの下がった相手と対戦することになります。それを繰り返すことでその選手は正確な自分の実力を把握できますし、ファンも上に登っていくことに興奮し、そして落ちてしまった時に必死で励ますようになるわけです。

なので川尻選手のUFC契約は非常に好意的に見ています。確かに私もおせーよとは思いますが、参戦せずに終わるよりは遥かに良いことです。ファンは国の内外を問わず負けたらすぐにボロクソに言う傾向にありますが、別に一敗して死ぬわけではないのでそんなに気にすることはありません。敗北は選手の心にさほど悪影響を与えないことはMMA学博士のチェール・ソネンが指摘することです。選手の心に一番悪影響を与えるのは、試合で自分の実力を出し切れなかったときです。

川尻選手はさっそくツイッターでセルフ・プロモーションに精を出されてますがとてもいいことです。一人でも多くの人に試合を見てもらうことこそが、彼らにとっては一番大事なことだからです。どんどんアピールしてファンのために努力すれば、それは必ず川尻選手に相応の結果となって返ってきます。

川尻選手の試合は世界中の人が楽しみに待っています。そして王座は厳しいだろうとも思っています。あとおせーよと思っています。それが偽らざる世界の評価というところでしょう。私も同様の感想です。川尻選手には、自分の限界に挑むのだと思って参戦してほしいと願っています。川尻選手が持てるポテンシャルをすべて発揮すれば絶対に後悔することはないでしょうし、そしてそういう試合は必ずファンに伝わります。先日のジュニオール・ドス・サントスを見て、誰が彼を馬鹿にするでしょうか?負けたからと彼を嘲ることはまずないでしょう。ファンが望まないのは負けることではなく、実力を出し切らずに終わることです。生き残りを賭けた過酷な戦場で、川尻選手が完全燃焼する姿を皆は望んでいるのだと思います。川尻達也選手には悔いのない全力の戦いを期待しています。

一生挑戦しないより、遅かろうが挑戦したほうがずっと良いのです。というわけで格中も来年1月、シンガポールでの試合を楽しみに待っていようと思います。皆さんは川尻選手の対戦相手は誰がいいと思いますか?

2 件のコメント:

  1.  すごい甘いマッチメイクといえますが、自分はデニスバミューデス、ディエゴブランダオ、スティーブンサイラーのTUFフェザー級上がり組がいいですね。知名度があって実力もありますから。

     やっぱりデビュー戦は選手のポテンシャルをだしきれない印象があります。堀口ですらペイグに苦戦しました。これがUFC3戦目とかだったら2分くらいで仕留めていたでしょう。

     デイナもUFCビジターのジンクスを常々言っているわけですから。自分の記憶が正しければ岡見選手のUFCデビュー戦は当初デビットテレルだったはず。ベルチャーに苦戦する姿をみてテレルじゃなくて良かったと胸を撫で下ろしましたから。

     デビュー戦は程々の相手にしてもらいたいですね。

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    1. サイラーとバミューデスが11月に対戦するので、1月には間に合わなそうです。ブランダオは12月にポワリエと対戦ですのでこれも無理そうです。

      しかも上記の三人も結構手ごわいですし、今全員勢いに乗っているので決して甘くはないような気がしますw

      どうせ強豪ならそれこそトップ5位以内にしてほしいところです。リターンが大きければ賭けに出る価値はありますし、負けてもリリースされる確率が下がるからです。

      そうでないなら程ほどにしてほしいところです。とりあえずトップ15位以下でしょうか。ケージに慣れて感覚を掴むためにも、それくらいの相手がいいように思います。

      もっとも、海外のフォーラムを見ると川尻選手のネームバリューはかなりありましたので、これは結構ごっついのが来てしまう予感がしています。何しろ海外の評価が「あのジョシュ・トムソンに勝った男」ですからね。これはヤバいですよ。

      コナー・マクレガーはかなり来そうです。確か復帰を2014年春とか言ってましたので、怪我の具合次第ではありえます。有名なベテランvs新進気鋭のストライカーというわかりやすい構図でもありますし。

      グイダもなんか来そうな気配がしてるんですが、マジでやめてほしいです。グイダが来たら完全に第二の主食日本人です。

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