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画像はmma mania(USA today sports)とUFC® 162 シウバ vs ワイドマン 大会フォトギャラリー | UFC ® - Mediaより
UFC162でのクリス・ワイドマンとのアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)ミドル級タイトル・マッチ中における、アンデウソン・シウバのふざけた行動にあまり感心しなかった人リストに、ヘクター・ロンバードを加えてくれ。
ベラトールMMAの185ポンド級元王者は言う、あのブラジルの爆撃機はタイトル戦中「自惚れ過ぎた」し「気が狂っていた」、そしてそれが彼の終焉を招くことになったのかもしれないと。
そして一方でレイ・ロンゴ-ワイドマンのトレイナー-はもう一つのスパイダーが負けた理由のようなものを聞いても、さほどドキドキしないだろう、ロンバードがワイドマンの勝利を彼なりの方法で賞賛したのを、喜んで聞くかもしれない。
さらに、今ロンバードは信じている、シウバは自身が敗れうるのだと知ったし、ケージの中でふざけ回ろうとした時に何が起こるのかを見たのだ、彼の自信はリマッチではさほど大きくはないだろうと、そしてその試合は2013年12月28日、UFC168で行われる。
彼は最近「The MMA Hour」に出演したときに説明した。
「皆は彼があの試合に勝つと予想していた。私が思うに彼はその試合で自分自身に負けたんだ、というのもその試合で彼はあまりにもふざけ過ぎたし気が狂っていたからだ。彼に何があったのかは知らない。これからのリマッチは厳しいだろうね、クリスはものすごい自信を持ってるし、彼(シウバ)は今回は全然自信が無いだろうからね。つまり、クリス・ワイドマンはシウバも負けることがあるのだと知っているし、今アンデウソン・シウバも同様に自分が負けうるのだと知っているんだからね。だが、もし君があの試合を見れば、ワイドマンは胸を狙ったんだ、彼のトレイナーが胸を狙えと彼に言った時だ。そしてもし君があのパンチを見れば、アンデウソン・シウバが腰を曲げたときだ、シウバはわずかに下がり、バランスを崩していた、そしてあのパンチは実は胸に向かっており、そのおかげで彼はシウバを捕まえたんだ。もし彼が頭に向かってパンチを放っていたら、アンデウソン・シウバは辛うじて頭を下げてかわすことができただろう。私はクリス・ワイドマンのトレイナーにすごく
感心してしまった。彼は素晴らしく頭がいいよ。」
1Rの終わり、ロンゴがワイドマンにシウバの胸をぶち抜けと指南していたのが聞こえてきた、そしてヘクターによれば、それこそがワイドマン勝利の本当の鍵だったのだという。
ふうむ、そいつとシウバの悪ふざけか。
ロンバードがUFCのより青い芝を求めてベラトールMMAを去った時、格闘技ファンは「ライトニング」とアンデウソンの夢の試合を求めて騒ぎ立てたものだった、だが185ポンドの階級で1勝2敗を喫した後、ロンバードのタイトルの望みはあっという間に南に向かって去ってしまった。
そして元王者との試合はすぐに実現することはなさそうだ、ウェルター級選手達とパンチを交換しようとしており、すこし先のテキサスはヒューストンで行われるUFC166での、ネイト・マーコートとの170ポンドでのデビュー戦に備えているロンバードを見る限りは。
マニア達は何て言うかな、シウバとロンバードの試合はまだ興味あるかい?
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というわけでロンバードが語る、ワイドマンがスパイダーをKOした秘密でした。
これはなるほどという指摘でした。確かに、言われてみれば軌道は完全にシウバの胸を狙って放たれたものです。そしてこの軌道の左フックは、1Rからすでにスウェーを乱発するシウバの顔面をかなり捉えていました
挑発で頭に血が昇ればつい相手の顔、大体鼻とか頬骨の辺りを狙いたくなりますが、もしワイドマンがそこを狙っていれば、それはちょうどスウェーでかわせる位置です。シウバのスウェーで大体頭ひとつ分くらいターゲットが下がりますから、これでは捉えることはできません。
それに対して、最初からスウェーでかわすことを前提にトレイナーは「胸を狙え!」と指示していたようです。そしてそれがどんぴしゃり、スウェーを乱発したシウバの顎を左フックが完全にぶち抜いて勝利しました。確かにこのトレイナーは素晴らしく優秀なようです。ここまで的確な指示というのもそうそうないでしょう。そしてその指示を聞いてすぐに実行するあたり、レイ・ロンゴに対するワイドマンの信頼の深さも窺えます。
恐らくは事前に相当なビデオ研究をしていたのではないかと思います。大き目の踏み込みも、あのスウェーを前提にしたものだったのでしょう。またスウェーで逃れている間は、スパイダーが有効な反撃をすることも出来ません。だから強く踏み込んでも大丈夫だ、と確信していたのでしょう。
まさにセコンドとはこうあるべき、というお手本のような指示ですね。ディアズ陣営みたいに不利になると「大丈夫勝ってる勝ってる!」と大騒ぎして相手選手を皆で罵るだけだったり、日本のセコンドによくある「よく見てー!前でてー!そうそうそう」みたいなことだけを言うのよりはこちらのセコンドの指示の仕方がいいでしょう。今何が一番有効な攻撃になるのか、何をするべきなのかをシンプルに指示していくのが大事だと思います。MMAでは特に相手が特定の攻撃にまったく対処できないケース(よく見るのがロー、ボディ、ミドルキックでしょうか)を見るので、そういうのを見抜いて狙うように指示するのが理想ですね。
そしてロンバードの「おふざけ」の指摘に対しては残念ながら否定したいと思います。シウバは「ショーの一部」と言っていましたが、あれは本質的には勝つためのツールです。挑発の有効性は、かの宮本武蔵が記した「五輪の書」でも説かれていることです。相手を惑わし、焦らせ、動揺させて動くように仕向け、その浮き足立った動きはじめを叩き潰すのが後の先です。フェイントと基本的には同じものです。五輪の書の火之巻に、むかつかすること、うろめかすこと、という項目がありますが、そこに詳細が書いてあります。特に兵法において「むかつかする」というのはかなり重要だとも説いています。もし相手がうろめいて、迷うようならそこを強襲で叩き潰してしまいます。これらはこれまでのシウバ戦で見られた展開ではないでしょうか。
そしてそれは挑発には限りません。相手の予測の枠外の行動ならば、基本的には効果があります。ワイドマンのバックハンド・ブローなどがそうでしょう。あの予期しない攻撃に慌ててスウェーをしたのが、胸を狙った左フックが直撃する原因になったわけです。時として正面から力で押しつぶすのも必要ですが、基本的に同じ土俵で同じ拍子で競り合うのはギャンブルの要素が強く、あまり合理的ではないように思います。
逆にいえば、スパイダーのおふざけはワイドマンの「想定内」だったということになります。想定内の動きを相手がしてくる分には動揺することはありません。スパイダーの挑発には山ほど資料があるわけですから、事前研究をしてしまえば恐れることはないということなのでしょう。もしワイドマンを動揺させるなら、スパイダーはケージの扉を開けて外に出て行くか、おもむろにパンツを脱ぐくらいのことをしなければ無理だったかもしれません。
とりあえず、なぜシウバが捉えられたかの秘密が一つ明らかになりました。ワイドマンの歴史的勝利の裏には、非常に優秀なブレーンがついていたのです。この記事でセコンドの重要性を再認識できました。ジャクソンズの選手が強いのも、ジャクソンが選手のセコンドに必ずくっついて指示しているからかもしれませんね。
ちなみに、ロンバードとスパイダーの対戦には全く興味ございません(理由は体格差、リーチ差です)。この記者さんはベラトールを出たロンバードがだいぶ気に食わないようですねw
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