結果はこちら
フィッチさんの家で修行した成果がばっちり。名物フィッちゃん漬けでデブラスに
手堅い勝利。フィジカル、蹴り、TDは高評価。ただ相変わらどこでフィニッシュ
をしたいのかは見えず。ここで勝負を決めるんだ、という武器が欲しい。
またパンチディフェンスが悪い、というかパンチに対する反応があまり
よくない印象。ボクシングスキルの向上が欲しい。
第二試合 漆谷康宏VSジョン・リネカー
地力差がはっきりした試合。フィジカル、ボクシングで明らかな差が
あり。漆谷はダウンをしてからの試合展開がかなり悪く、ボクシング
で負けている相手に打ち合いを挑みかなりのダメージ。メンタル面で
少し熱くなりやすい傾向が感じられる。TDトライをもっと早い段階で
してみてもよかったかも。いい打撃を当てるも軽いのかリネカーを
止められず。対するリネカーは若い上にフィジカル、パンチもいいもの
があり、これからまだまだ伸び代がありそうな選手。フライのコンテンダー
になるポテンシャルは十分だった。
第三試合 手塚VSアレックス・カサレス
試合前と試合後が本番で試合はオマケ。カサレス恒例のアウトボクシング。
手塚はTDしても攻め手が無し。日本人選手に多い試合展開な気がする。
手塚はせっかくのチャンスなのでもう少しリスクを負って攻めて欲しかったが、
カサレスがあのリーチを使って下がるから無理な感じもある。カサレスは
もっと自分から攻めて行くこと、レスリングをしっかりやることができないと
上位には到底届かない気がする。お約束の帽子ギャグはすべらんな~。
第4試合 水垣偉弥VSジェフ・ホウグランド
ガッキーがハードなパウンドを習得。フィジカルも強化されているようで
少し分厚くなった印象がある。ジェフはスタンドを嫌って引き込み連発。
しかしガッキーはサブミッションディフェンスに長けているので十字も割りと
安心してみていられた。終盤フラストレーションを晴らすように肘で切り裂いた
目蓋を手首でゴシゴシ。ガッキーのほうが地獄から来た使者に見える。
これまでTDしても攻めきれなかった課題に対してパウンド強化という答え。
さすが大学院卒、スマートな回答。欲を言えばスタンドにしてしまえば
十分KO決着も可能だったと思う。ちなみにジャッジは一人ほぼKOと見て
30-25でガッキーにつけていた。いいジャッジだ。
第5試合 ジャン・ティエカンVSジョン・タック
タックはBJペンの量産型みたい。ジャンは地元なので頑張ったがグラウンドで
大分差があった。2Rいい打撃の後TDしてしまったのが最大のミスだと思う。
タックはもっと打撃磨けばまだ伸びそう。
第6試合 五味隆典VSマック・ダンジグ
今まででは一番いいシェイプだった、でもやっぱりプヨってる・・・。
今日日ライトのUFCファイターではまずお目にかからない体型。
スタンドではさすがの当て感。ボディとローが冴えており、
2Rではノったときのノーガードで手をくるくるも見せていた。パンチなら
本当に日本人離れしたセンスがある。しかし要所要所で寝かされては
サブミッションでピンチに晒される。チョークを取られかけたときに
「やっべ!」という露骨に焦った表情に癒される。やられてる時も華が
あるのは不思議。
ただ体は嘘をつかない。3R案の定ガス欠を起こして挑発。殴ってこいとアピール
してカウンターを狙うというバレバレの作戦。ダンジグもちろんレッグダイブ。
ダンジグもどうかと思う。
スタンドで左ジャブを結構返されてたが結果的にはトータルの
有効打数の差とダウン、攻める姿勢でスプリット勝利。ブーイングするほど
おかしな判定でもなかったと個人的には思う。フィジカルをもっと作りこめば
KOも狙えた試合。むしろあの体あの技術でここまでやれるのはすごいと
思う。誰か寝てる間に五味ちゃんを拉致してジャクソンズジムに置いてきて欲しい。
またこの試合がFOTNを受賞。デイナは五味ファンだからしょうがない。
やっぱりあの完全決着を狙いに行く姿勢はなんとも言えず見栄えがある。
勝ち負けを超えて惹かれるものがあるし、それは世界中皆に通じるんだなと思う。
第7試合 ドンヒョン・キムVSパウロ・チアゴ
相変わらずバッキバキにバルクされたドンヒョン。そのフィジカルを使って
パウロ・チアゴにこなきジジイ作戦。チアゴは色々と仕掛けるものの全部潰されて
ジワジワと弱っていく。クモの捕食シーンを思い出してチアゴに同情する。
3R、ほぼスタミナを使い尽くして眠たそうな顔をしてぐったりするチアゴにドンヒョン
マウントを取ってモンゴリアンチョップ!サクラーバリスペクト!でもあんまり
効いてない。フィニッシュできそうに見えたが判定でドンヒョン完全勝利。
ここ最近の結果を考えたら手堅くいくのはしょうがないところ。本人は
試合後にマイアとのリマッチを日本大会で組んでくれるように要求。
もし実現したらトップ入りできるかの正念場になるだろう。
セミファイナル チアゴ・シウバVSスタニスラフ・ネドコフ
見た目P4Pの有望株ネドコフ。ミシュランのあいつみたいな体型。
ネドコフ左右フックを振り回してはケージに押し込むだけ。TDも
あまりトライせず。チアゴシウバ差し合いで全然抜けられない。
粗悪塩。頭痛がする。
消耗を狙っているのかもしれないと思ってみてたが、ネドコフも
金網相撲ですっかりバテる。何だそりゃ。技術的にはトータルでチアゴの
ほうが上な印象。とか思ってたら相手を全く見ないオーバーハンドが
チアゴにあたってチアゴダウン。でもチアゴ何とか凌ぐ。ものすごい
大味な展開。マカオリスペクトで中華料理っぽい
展開にしたのだろうか。最終的にはチアゴがいい打撃を当ててあっさり
上を取ってから肩固め→タップ。これにSOTN。納得いかねえ。
完全決着なのにものすごい消化不良。胃にもたれるところが
中華料理っぽい。
ファイナル リッチ・フランクリンVSカン・リー
衝撃。ローの打ち終わりを狙っての思い切り振った右フック一閃。
顔が半回転してパンチが飛んできた方向にぶっとぶフランクリン。
死んだかと思うくらい奇麗な当たり方だった。安易なローを出した
フランクリン、OMASUKIさんの記事によると絞りすぎてかなり
まずかったらしい。シェイプはそこそこいいかと思ってたが・・・。
最近パンチへの反応も悪くなっているように見えていたし、肉体的な
衰えが出てきていたフランクリン38歳。SF時代はそこまでMMA
ファイターとして優れてはいなかったが、ここにきて試合をするごとに
進歩を感じさせていたカンリー40歳。まさかの1RワンパンチKOで
40歳が勝利。肉体も前回よりさらにシェイプされていたカンリー。
パッキャオといい東南アジア系の血は加齢しても衰えないとでも
言うのか。フランクリンは少しドランカーの傾向が出てきてないか心配。
そろそろ引退をしてもおかしくないような
そろそろ引退をしてもおかしくないような
気がする。ホームの力を得て最高の勝利だったカンリー。
ラッキーパンチと本人は言っていたが、そのラッキーはたゆまぬ努力
で引き寄せられたものだと思う。だから決してただのラッキーでは
ないだろう。
総評 80点/100点 そこそこ面白い大会でした。