2013年5月13日月曜日

ドナルド・セローニ、プレッシャー解消に心理学者を雇う

プレッシャーに屈する?「カウボーイ」セローニはUFC160に向けて
「あれらの障害の正体を突き止める」ためにスポーツ心理学者を
雇う



MMA Maniaより
画像はUFC公式より

UFCがファイターを解雇し続ける中、「勝つか帰るか」というのは
もはやスポーツにありがちの陳腐な決まり文句などではない。
「カウボーイ」セローニは体制を立て直してUFC160でのK.J.ヌー
ンズとの試合に臨むことができるだろうか?

ドナルド・セローニは4つのフィニッシュを含む6連勝を遂げて、自
身をアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)ライ
ト級ナンバーワン・コンテンダーの地位に至らしめた。

それから、彼はUFC141でネイト・ディアズを相手にまずいことに
なってしまった。

LAS VEGAS, NV - DECEMBER 30:  Donald Cerrone is inspected by cutmen inbetween rounds during the UFC 141 event at the MGM Grand Garden Arena on December 30, 2011 in Las Vegas, Nevada.  (Photo by Donald Miralle/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images) *** Local Caption *** Donald Cerrone

「カウボーイ」、今月下旬にラスベガスはMGMグランド・ガーデン・
アリーナにおいて開催されるUFC160で、ストライクフォースより迎
え入れたK.J.ヌーンズを相手に戦う彼は、ヌーンズが世界で最高
の155パウンド・ファイターになるだけのスキルを持った男だという
ことを知っている。彼は一度プレッシャーが掛かったら彼らに何が
起こるのかを絶対に理解しなければならない。

セローニはMMAファイティングのためにそれを打破する:

「それはまるで、それがカメラなのかプレッシャーなのかはわから
ないが、でも私はそれがわかってきた。何かしらが自分をハード
に戦わせてそこに至らしめるんだ、そうなると自分はまるで、プレ
ッシャーに負けたようになってしまうんだ。私にはわからない。私
は「それが何か理解し」ようと試みている。私はあの障害を理解
する試みのために新しいスポーツ心理学者を雇った。私は違っ
たアプローチを、違ったアングルを取り、私の体重を作り上げよ
うという試みをしている。私が思うに、私のウェイトは問題、それ
もかなり重大な問題になりつつあるかもしれない。ちょうど今私は
174だし、だから素晴らしい状態だと感じている。負けたときにラ
イトに留まり続けたせいで、何もかもダメになったと思っていた。
だが本当は、自分が以前の状態に戻ってしまっただけなんだ。
もう一度頑張り始めなきゃね。」

元ワールド・エクストリーム・ケージファイティング(WEC)の傑出し
た男はディアズの敗戦から再起し、2連勝を勝ち取ることができ
た、それは以前のチームメイトであるメルヴィン・ギラードをセン
セーショナルなノック・アウトで破った試合も含んでいる。しかしな
がら、その後アンソニー・ペティスが組まれると、「ショータイム」は
彼をランキングの下方に弾き飛ばしてしまった、今年始めのこと
だ。

ここが正念場だ。

ヌーンズ、「カウボーイ」のようにたった数年前まではライト級トッ
プにランクされていた一人であった彼は、ここ5試合は判定にま
でもつれこみ、勝者となったのはそのうちたった一度だけだ。こ
の週末の戦没将兵追悼記念日のバングフェストはでかい賭けに
なりそうだ。

セローニはこの機を切り抜けるだろうか?それともプレッシャー
に屈してしまうのか?

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というわけでドナルド・セローニの近況でした。トップの写真の
チョイスは何なんだMMAメイニアw

冒頭の「win or go home」というのはNFLで定番の煽り文句だ
そうです。NFLでは負けても家に帰るだけで試合にはまだ出
られるでしょうが、今のUFCは負けたら本当に実家に帰らな
ければいけないことになりかねないですから笑い事ではあり
ません。

ドナルド・セローニはムエタイを主軸とするストライカーで、アグレ
ッシブなファイトをする選手です。自分も結構好きです。

破竹の勢いで連勝してた彼ですが、王座戦が見えてきたあたり
で「悪童」ディアズ兄弟が弟、ネイト・ディアズと対戦したときにか
なりアレなことになってしまい敗北しました。

というのも、試合前から散々な挑発をかまされ、挙句計量のステ
アダウンで自慢のカウボーイ・ハットをすっ飛ばされ、完全に頭に
血が昇ったセローニはまんまと足を止めて打ち合いをし、顔面を
しこたま殴られて顔が別人のように変形する羽目になってしまい
ました。

その時もネイトは何度もローキックで転んでおり、最初から足を
使って蹴りの距離をキープしながら終盤までローで足を壊し続け
るコンディット戦法でいけば十分勝てるところだったとは思うので
すが、残念ながら彼は相手の術中に嵌ってしまいました。当時は
まだコンディットの戦い方が理解されず、非難が圧倒的な状況で
あったのでそれも少なからず影響していたかもしれません。(あの
ころの非難を自分はとてもうんざりした気分で眺めていました。ち
なみにコンディットの戦い方はローリー・マクドナルドからジョニー・
ヘンドリクスまで変わっていないと自分は考えます。ニック戦を例
外扱いする風潮を自分は完全に否定します。)

それによりタイトル挑戦から遠ざかった彼は、危ない展開からの
逆転でギラードを倒してまた波に乗りかかったのですが、いまや
MMA打撃の名手でありファンタジスタとして期待の高いアンソニ
ー・ペティスによりにもよってミドルキックで悶絶KOされるという
悲劇に見舞われます。せっかくの機運もまた霧消してしまいまし
た。

元々アグレッシブに攻めて完全勝利を狙う非常にいい戦い方だ
ったセローニですが、ネイトにそのアグレッシブさを利用されて負
けて以来どうも波があるというか、試合に安定感を欠く様になって
しまいました。彼は過剰に攻めるか慎重になりすぎてしまうか、ど
ちらかに極端に寄るようになりました。

彼は試合において、何がしかの力によって「ハードに攻めなけれ
ばいけない」という強迫観念に駆られてしまうようです。これが隙
を生み、作戦を忘れさせ、無謀な賭けに挑ませてしまうのでしょう。
トリガーとなったのは恐らくネイト戦での「KOしなければ、打ち合い
で勝たなければいけない」というところからでしょう。イップスの一
種のような気がしますね。

セローニは性格的に、ええかっこしいというかファンの人たちから
「ヘタレの腰抜け」呼ばわりされるのを一番恐れているのかもしれ
ません。ナルシストなところもあるのでしょうか。たぶんサービス精
神旺盛ないい人なのでしょうが、それではスポーツは勝てません。
スポーツは一面において性格の悪さを競うものであり、ましてやそ
れが1対1だと究極の嫌がらせ勝負になるのは必然だからです。
相手が嫌がることをやるのがすなわち勝利に繋がるのです。ボー
ンズの肘打ちを思い出して頂ければお分かりいただけるかとおも
います。

現在はスポーツにおいて栄養学とならんでスポーツ心理学の研究
も非常に盛んであり、練習に取り入れてるスポーツ選手も大分増え
ているようです。セローニは、そんな心理学者の助力を乞うてこの
強迫観念を取り除くことにしたようです。かなりいい判断だと思いま
すし、実際に成功すればセローニはまだまだ伸びるでしょう。

しかしこういう端正な男前がプレッシャーに弱いとか、さぞかし母性
本能をくすぐるでしょうね。その手でラウンドガールを落としたのか
この種馬野郎!すいません取り乱しました。とりあえず頑張れ、セ
ローニ!