アントニオ・ビッグフット・シウバ:「きっちり当てた最初のパンチで、彼はダウンするだろう。」
MMAweekly.comより
UFCヘビー級コンテンダーのアントニオ・「ビッグフット」・シウバは5月25日のUFC160でヘビー級タイトルを賭けてケイン・ヴェラスケスとのリマッチを行い、そこで勝ち星を取り戻す機会に恵まれた。
シウバ(18勝4敗)は2012年5月26日、UFC146での大々的なデビューにおいてヴェラスケスに負けたが、今回は試合に向けて違う様相を呈している。
「私が思うに最初の私達の試合で主だったことは、私がナーバスで不安だったことだ。私はそれらの感情を取り替えてきた。今私は落ち着いているし意欲的だ。これが本当に欲しかったんだ。」とイベントを宣伝するメディア電話対談で言った。
シウバが精神的に一年前の時と異なる状態でいる一方で、彼の準備は大部分において同じだ。そのゲーム・プランは、しかし、わずかに修正されていた。
「私の準備の多くは同じままだよ、最初の試合の時とね。」とシウバは言った。「明らかに最初の試合で私は大きなミスを犯した。しかし試合に向けてやってよかったことも多かったよ、不幸にも皆はお目にかかれなかったけどね。だから大部分は維持したままだし、主戦略は総じて彼に額近辺へのエルボーを打たせないだけだよ。」
ヴェラスケス(11勝1敗)はUFC146で二人が最初に対峙したとき、試合を迅速にグラウンドに持ち込むために彼のレスリングを有効に使った。そこから、彼はパンチと肘の弾幕を浴びせ、それによりシウバは流血し敗北した、だがシウバはたったのワンパンチで勝利できると感じている。
「私の戦いのスタイルとケインの戦いのスタイルを比較してみると、私はケイン・ヴェラスケスよりも速い選手となって生まれ変わらないといけないだろう。私は彼よりも30ポンド重い。彼は私よりも速いだろう。だから私が持てること全ての中で使う必要があるのはとても、とても重い手だ。」とシウバは言った。
「私は試合に臨むにあたり、自分の手の健康状態と重さを維持する必要があるし、きっちりと当てた最初のパンチで、彼はダウンすると確信している。」と33歳のヘビー級ファイターは加えた。「私はケイン・ヴェラスケスには多大なる敬意を払っている、私が思うに彼は素晴らしいファイターで、そして私は彼を人間としてリスペクトしている。だが私は自分にとても自信があるし、この試合に向けてとてもいい状態だと感じている。」
シウバはリマッチではかなりのアンダードッグである。だがその役割を嬉しく思うし、それは彼の批判者を黙らせる機会だと見ている。
「私は皆が自分を過小評価しているときが好きだ。素晴らしいね。私は出向いて彼らに間違ってるってことを教えてやる。」と彼は言った。「このスポーツにはスーパーヒーローなんていないんだ、誰も無敵じゃない。そして私はこの9週間というものかなりのハード・ワークに没頭してきた。自分を仕上げてきたし、5月25日に私の腕が挙げられる自信があるんだ。」
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というわけでゴリバさんのタイトル挑戦への意気込みでした。顔に似合わずよく喋りますし、結構いいこといってます。
速度差が凄まじいことは自覚しており、また体重的に彼の速度に対抗するには来世じゃないと無理と思っているようです。たしかに30ポンド差を埋めるのは容易じゃないですし、それを無理に減量で落としてもスピードが上がる保証は無し、かえってスタミナとパワーを大きく損ねる可能性があります。そこで、シウバの作戦は逆にその体重と異常にでかい拳を用いた「ワンパンチ」だということ
です。
もちろん本当かどうかはわかりませんが、それでも持ち駒の中では悪くないチョイスだと思います。無いものねだりをするよりは、自信と実績があり、かつ大逆転もあり得る武器に賭けるほうがずっと理に適っているでしょう。ゴリバのパンチは結構KOを産んでいますし、特にここ最近はメキメキとパンチが巧くなっています。拳がでかいし体重も凄まじいので、確かに奇麗に当たればショートパンチでもダウンさせることはできるでしょう。
ただ、問題はやはり速度差です。相打ち覚悟にしても、ケインのパンチもまた同様に重く、サントスを相手に打ち勝ってしまうステップ・ジャブや、ノゲイラを沈めた竜巻のようなコンビネーションもありますし、何よりもハンド・スピードがケインのほうが速いと思うので、下手をしたらワンパンチで沈むのはゴリバのような気がしないでもないです。
もしかしたらスタンドをちらつかせて、ケインがテイクダウンに来たところを捕まえる柔術が本命かもしれませんが、それは前回のグラウンド・スキルとスピードの差を考えると結構難しい気がします。前回額のカットが無かったとしても、結局パウンド・アウトされていたのではないかとも思います。
しかしゴリバはここ2連続パンチでのKOです。特にアリスターを滅多打ちにしてKOしたのは本人にとって相当な自信となったでしょう。あれを潜り抜けたことで一皮向けていれば、ケインに一発当てることはできるかもしれません。ケインはサントス戦でワンパンチで破れており、決して打たれ強いわけではないことも明らかになっています。ゴリバにとっては最も勝率の高い戦略でしょう。やはりゴリバはかなり頭のいい選手だと思います。
ただ、もし本当にパンチ狙いだけで、グラウンドで罠を張っていないのであれば、おしゃべりゴリラには死が待っているでしょう。さすがにそれはないと思いますので、グラウンド・ゲームをどう対処するのか、テイクダウン・ディフェンスがどれくらいのものかが注目です。
ゴリバは大物食いに定評があり、下馬評で差が開くほどに力を発揮するドMなところもありますので、今回も蓋を開けてみたらまさかの大逆転もありうるかもしれません。ヴェラスケスが言うように、決して油断はできません。シウバはここ数年で着実に強く、巧くなっているのが明らかだからです。私も心して観戦したいと思います。
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