2013年10月11日金曜日

ホジマール・パルハレス、UFCから追放される

5万ドルの減額とは別に、ホジマール・パルハレスはどうやら、故郷と呼ぶもう一つのミックスド・マーシャル・アーツ(MMA)プロモーションを見つけなければならないだろう。

BARUERI, BRAZIL - OCTOBER 9:  (L-R) Mike Pierce screams while getting submitted by Rousimar Palhares in their welterweight bout during the UFC Fight Night event at the Ginasio Jose Correa on October 9, 2013 in Barueri, Sao Paulo, Brazil. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

MMA maniaより
画像はUFC Fight Night: Maia vs Shields Event Photo Gallery | UFC ® - MediaとMMA maniaのフォーラムより

ホジマール・パルハレスはUFCより解雇され、UFC Fight Night 29での非スポーツマン的行為によって追放された。

ESPNのジェレミー・シャープは昨夜(2013年10月10日)ブラジルはサン・パウロのバルエリで行われたUFC Fight Night 29での、トキーニョのマイク・ピアースとの対戦中にあった彼の非スポーツマン的行為によって、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)より解雇されていたことを伝えている。

そのサブミッションのスペシャリストは彼の専売特許であるヒール・フックでピアースを固めた、試合が25秒に差し掛かろうかというところであり、それによってあっという間にタップを奪った。しかし、ホジマールはそれに反してあまり素早くそのホールドを解こうとしなかった。事実、その当該レフェリーは肉体的に力づくでそのずんぐりとしたブラジル人をブレイクさせなければならなかった。



結果として、ホジマール-彼はウェルター級デビューを果たしていた-はもはやUFCに居場所はなく、シャープによれば、オクタゴンの中で再び戦うことは二度とないだろうというのだ。

彼がサブミッションで固めるのが少しばかり長すぎたのはこれが初めてのことではない。

2010年、彼のUFC111でトーマス・ドゥロールとの対戦中、パルハレスはその時もまた、タイミング良く試合の決め手となったヒール・フックを解くことを拒んだ、それは結果としてニュージャージー州アスレティック・コミッション(NJSAC)からの90日間の出場停止となった。

その次の年には、パルハレスはアブダビ・コンバット・クラブ(ADCC)中のデイビッド・アヴェルランに対するヒール・フックを放し損ね(それはこちらで見られる)、結果的にリスタートとなった。にも拘わらず、パルハレスは数分後に勝利した・・・皆さんのご想像通り、ヒール・フックによってだ;残されたアヴェルランはマットの上で明らかに痛がっていた。



そして彼の2010年のサスペンションと照らし合わせてみて、彼の最新の違反に対するこの処罰は遥かに厳しいものだった。

メッセージを送るのには格好の例じゃないか!

-----------------
というわけで、ブラジル人ファイターのホジマール・「トキーニョ」・パルハレスがショベルカーで根元から掘り起こされてUFCという土地から放り出されました。もう二度とUFCに戻ってくることはないだろうということです。同階級の選手はほっとしたことでしょう。

先に私の意見を言っておくと、処分は当然です。オブラートに包んで今の気持ちを言えば「とっとと失せろ薄汚いサディスト野郎」という感じです。

彼はこれが初めてではありません。記事中にもある通り、過去何度も同じようなことをして選手を故意に傷つけるような真似をしてきました。アブダビでは場外に出て止められているのにわざと離さず、その時点でかなりのダメージを負わせており、再開後も同じ足関節で破壊しに行くという悪質さです。

今回もピアースが一度タップした後に離さず、さらにピアースがもはやタップではなく平手で殴り、レフェリーが無理やり割って入ってようやく離しています。(技に入った時点でもうタップしていますね)

筋力で無理やり人体の弱い部位に力をかけてさっさと勝ちを狙うまでは戦術としてわかりますが、それに明確な破壊の意図が加わっているのでこいつはスポーツに関わってはいけない人間です。以前柔術大会のマナーが悪い、破壊を目論んだ仕掛けをするのが結構多くてスポーツマンシップが全然ないと別の記事で問題が指摘されていたのを覚えていますが、彼を見るとそれを実感してしまいます。これは柔術という素晴らしい武術に泥を塗る行為です。

コンバット・スポーツに怪我はつきものです。意図せず相手を負傷させてしまったり、そのことで相手を引退に追い込んでしまうこともあるでしょう。それは選手も覚悟の上でやっているわけですから非難する気はありません。しかし仕掛ける側が、悪意をもって壊しに行くのはまったく別です。

そもそもお互い傷つけあうのに何を言ってるんだ、という意見を稀に見かけますが、武道になぜ必ず精神修養が付き物かといえば、それがなければただの殺人技だからです。互いに傷つけあうからこそ、ほかのどのスポーツよりも己を律する必要があるのです。それがなければ結局は負傷者が続出し、かつその競技の名誉を傷つけるだけです。世間から危険だと思われれば新規参入者が途絶えていき、結果的に自分たちの首を絞めていきます。

コンバット・スポーツを習うメリットは勇気を持てること、そして加減がわかるようになることです。自分の力をコントロールして、暴力性を制御することで精神的にも磨かれます。幼少時代に虐待を受けたチアゴ・シウバなども、コンバット・スポーツのおかげで道を踏み外さずに済んだと発言しています。今回のパルハレスの行為は、そういうコンバット・スポーツの価値を踏みにじる行為です。己の力に溺れる人間に、ケージに入る資格はありません。

今MMAはメジャースポーツになろうと、野蛮な見世物ではないのだということを強調して各地で開催できるように働きかけています。そういう中で、タップして絶叫しているのに全力で足をひねりあげて壊しに来るような人間は必要ないということです。UFCの迅速な決断は支持したいと思います。こういう選手を抱えるリスクはあまりにも大きいです。大きな事故が起きてからでは遅いのです。サブミッションは完全に極まってしまえば、あとはもうわずかで簡単に人体を壊してしまいます。だから技の解除が少し遅れるだけで相手の選手生命を奪ってしまいかねないことは、誰よりも柔術を学んできた本人がわかっているはずです。だからこそこれはより悪質だと思っています。

ことさらに残虐なシーンを望むファンがいることは事実です。そういうのを楽しむ気持ちもわかります。ただそれが格闘技の一番の魅力だとは私は思いません。互いを傷つけあうスポーツなんだから壊したっていいじゃんではなく、傷つけあうからこそ、どの競技よりも安全性とスポーツマンシップが求められるのだと私は思っています。そうでなければMMAは批判する者たちが言う通りの「野蛮で下劣な見世物」に堕してしまうのではないでしょうか。

パルハレスも、こんな真似ばかりしていて拾ってくれるプロモーションがあるでしょうか?柔術の世界ですら問題を起こしています。こんなスポーツマンシップに欠けた異常な行為ばかりしていれば、そのうちどこにも居場所がなくなってしまうのではないでしょうか。

ぜひこちらもどうぞ→アンソニー・ペティス、ヘンダーソンを技から解放した時のことを語る

7 件のコメント:

  1. オカマエタイ2013/10/12 6:30

    ヒザは回復の見込みがなく消耗の一途であることから、
    最近のスポーツ医学・科学では、いかにヒザにダメージを貯めずに、
    競技人生をのばすかが一大テーマになっています。

    そういう意味でこういう悪質なフットロッカーはいち早く追放すべきでしょうね。

    返信削除
    返信
    1. そうなんですか!どの競技でも膝の怪我は引退の引き金になりますし、やはり一番の研究テーマなんですね。より医学が発達して、一人でも多くの選手が長く現役を続けられるようになるといいですね。

      そう考えると、やはり膝を壊すことを意図しすぎるトキーニョ追放はやむなしという感じですね。それとも彼は、医学の発展に貢献しようと被験者を増やそうとでもしていたのでしょうか?それでもどのみち危険な人ですねw

      削除
  2. トキーニョ本人やマネージャーが釈明をしていますが、全くひねりのないテンプレ回答で、開いた口が塞がりませんでした。
    これが1回目ならまだ分からなくもありませんが、何回もやらかしているわけですからね。説得力のせの字もありません。

    トマシュ・ドルヴァル戦で出場停止処分を食らったのにもかかわらず、また同じことをやらかすということは、寝技を極めることの危険性をまるで理解しようとしなかったからなのでしょうね。同じことをペティスの項目でも書きましたが。

    デビュー戦でアイヴァン・サラヴェリーにバックからの腕十字を極めた時などは『すげー』と思いましたが、今は『復帰しても、また壊すんじゃないか?』と考えてしまいます。

    それよりも、ピアースが心配ですね。メディカルサスペンションで180日間の出場停止になってしまったようです。
    負けているとはいえジョニヘンに僅差の判定まで行ってますし、最近はKO勝ちも結構しているいい選手なので、しっかり治して復帰してもらいたいものです。

    返信削除
    返信
    1. 技術的にはすごいと思うんですけどね。ただそれとは別問題です。自分で自分の才能を潰してしまったようなものですね。

      ピアースは心配ですね。サスペンションとして180日は相当長いです。最近ちょっと調子が上向きかけていたところなので本当に気の毒ですね。怪我があまりひどくなければいいのですが・・・。

      削除
  3. は?パルハレスの何が薄汚いんだ?脳みそ湧いてやがんな、ウジ虫野郎!そもそもこうなったのはUFCのレフェリーやジャッジの杜撰さにあるんじゃねえのか。ブスタマンチの例を見てみろ。俺ももう退いてるが、かつては格闘家だったが、選手にとってもっとも許せないのは自分のアドバンテージを見落とされること。ましてや一本勝ちだったらなおさらだろ?それに試合映像見ても悪意があるようには見えない。悪いのはこんなに簡単に技に入られたピアースだ。ダナは人気者揃いのウェルターで華のないパルハレスにスター選手が食われて人気が落ちるのが怖かった。アスクレンを取らないのも同じ理由。選手はみんな寿命を縮めることを知って格闘技をやってるんだから口を慎め。

    返信削除
    返信
    1. これはまた熱いコメントありがとうございますw

      ブスタマンチの例は有名ですね。極まったのを見逃されてまた極めなおした伝説の試合とのことで。自分が選手だったら外したくない気持ちはわかりますし、基本レフェリーが止めるまで外さないのが当然だと思います。特にサブミッションはスタミナを猛烈に消費するので、見逃されると逆転もありますしね。

      ただ、それとパルハレスの問題は別なのではという気がします。私の考えだと、その「自分のアドバンテージを失う可能性」を体のいい言い訳に使われている感がちょっとあります。実際レフェリーが止めてから妙に遅いのが問題なわけで、私はフランク・ミアの腕絡みをノゲイラが我慢して折れてしまったのは何も問題とは思っていません。

      最後のはたまに聞きますが陰謀論ですwデイナはそこまでアホではありません、というかUFCはスターが食われてどんどん逆転していくところに醍醐味があるのですし、プロテクトが不満でUFCを作ったデイナがそんなバカなことはしません。むしろスポーツマンシップの欠如、意味のない選手の故障を嫌ったのが理由でしょう。

      そう、選手は皆命がけです。だからこそ可能な限り安全を考慮しなければいけませんし、意味もなく相手を負傷させてはいけません。たとえ愚かだとしても、私はブスタマンチの甘さを愛しています。

      なので口は慎みませんw次回はもう少し穏やかなコメントでお願いしますねw

      削除
  4. ラッキーガイ2014/12/03 20:48

    エディさん大変ですねw
    WSOFで見られたかどうかは分かりませんが、またやらかしましたよ。
    レフェリーが足関を離せと言っているのにそこからさらに極めるトキーニョにはあきれ果てました・・・。
    UFCでもやらかしてWSOFでもやらかす、辛口でですが選手を辞めてほしいです。
    セフォーは遅くないと言いましたが素人目でみても遅すぎでしょ・・・って印象でした。
    足関は危険さゆえに練習している選手自身が形だけにしてすぐ次のポジションに移行したりします。
    極めることもありますが壊れる前に掛けている選手が怖くなって離してしまうことの方が多いです。
    試合で足関節をガチで取りに行くのは分かりますがトキーニョはレフェリーを若干無視してる感がありますね。
    それとトキーニョはスターじゃないですよ。
    最強のハカイコパスです。

    返信削除