2014年7月29日火曜日

格研-格中戦略研究所- 第一回 五味vsジュリー

UFCJapan2014開催記念!ということで今回は新企画です。第一回といいながら継続してやるかどうかは未定です。読者様参加型の企画ですので、格闘技中毒患者の皆様は奮ってご参加くださいませ。お約束ですが、以下は個人的な意見ですので参考程度にどうぞ。

Gomi

画像はUFC® 171 Event Gallery | UFC ® - Media等より

どうも皆様こんにちは、このたび新たに開設された格中戦略研究所、略して格研の所長を務めますエディッグ・ジャクソンです。皆様は普段どのようにMMAを楽しまれているでしょうか?多くの人は、応援する選手に勝って欲しいと願いながら観戦すると思います。しかしこれでは興味のない選手の試合が退屈ではないでしょうか?

では私がどのように観戦しているかといえば、ずばり「勝利の模索」です。応援している選手はもちろんのこと、知らない選手であっても今それぞれの選手が何をすれば優位になるのだろうか?優位な方はどうすればフィニッシュに行けるか、不利な方は何をすれば窮地を脱するのだろうか?私はそんなことを考えながら観戦しています。そうやってスポーツを見るのは面白いだけでなく、多くの発見と教訓があるのです。これはどのスポーツでも同じです。

なので今回は、この楽しみ方を読者様と共有しつつ、大勢の人と戦略についてキャッキャウフフしようじゃないかというのがこの企画の趣旨です。何しろコアなMMAファンというのは私の周りにもいませんので、こういうのを熱く語るには距離の制約を解消できるネットというツールが最適なのです。

加えて以前から試合の展開予想の要望はあったのですが、それ自体はやっている人も多いですし、自分はそんなに予想が当たるわけでもありません。そこでもう一歩踏み込んで、展開を予想したうえで「じゃあどうすれば勝てるのか」というのを皆でよってたかって考えたら面白いんじゃないか、というのも理由の一つです。

では以下に参加する際のルールを記します。研究員を希望される方は必ずご一読くださいませ。

格研心得

1、勝ちこそすべてである。

2、最悪なケースを想定せよ。

3、敵の立場に立って考えよ。

4、決して悲観することなかれ。

5、できればご本人様には知らせない。(最重要)

以上です。上から順に解説します。1はそのままです。もう何をしてでもいいから勝ちを狙います。試合がつまらなかろうが反則ギリギリだろうが勝てば官軍です。2は思考する際の前提です。最悪なケースでも勝てる戦略であれば、もっと優位な状況ではさらに容易に勝てるようになるでしょう。3は重要です。応援する選手を自分が打倒しようと思えば何をするか、というのはそのまま答えになることもしばしばです。4も大事ですね。どんなに不利だからと言っても所詮は人間、やってやれないことはないはずです。特に他のスポーツと違ってコンタクト・スポーツですので、逆転の可能性はより多く残されていると思います。

そして最後についてです。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、先日菊野選手のツイッターが不正アクセスを受けるという事件がありました。不正アクセスの結果菊野選手が何をされたのかといえば、よりにもよって私が清水の舞台からフライング・ニーをするつもりで書いたコラムをリツイートさせられたのです。そのコラムには、菊野選手に対する辛辣な私見を書き連ねてありました。

私は正直なところ、どうせこんな場末のブログが菊野選手の目に触れることはないだろうとたかを括っていたからこそ書いた面もありました。なので最初にリツイートされた時、私の腋の下にはナイアガラの滝が突如として現れたものです。あのシャツの濡れ方を見れば、たぶん私がどれだけ想定外だったかを容易にお分かり頂けただろうと思います。

ただ動揺する一方で、あんなに辛辣な意見もリツイートできる菊野選手とは大したものだと感心しました。しかし翌日です。再び菊野選手が私の記事をリツイートしたという表示が出た時、私は怯えだしました。これは無言の圧力を掛けられているのか?自分の死因は三日月蹴りになるのかなどと考えていると、今度は菊野選手から直接問いかけがあり、曰く不正アクセスをされているとのことでした。

意を決して菊野選手のツイッターを覗いてみると、どうも自分が犯人であると疑っているようなニュアンスに感じてしまいました。当たり前ですが、執筆者が犯罪をしてまでそんなことをするメリットはありません。ビビっていた反動で軽く激おこ状態になった私は、思わず「変にぼかさないでしかるべきところで相談してくれ」と思って強めに反応してしまいました。

いまさらですが、私は選手とはある程度距離を置いた立場を維持しています。それは記事に可能な限り自由を持たせたいからです。ツイッターでもっと媚びたり絡んだりも出来るでしょうが、それをしてしまえば大手の格闘技メディアが出来ない事をやる、というほぼ唯一のアドバンテージが失われてしまいます。あのコラムも、私が菊野選手と個人的に面識があればやはり書けなかったでしょう。

そういう理念を一応持ってますので、私が菊野選手に不正アクセスをすることはありえませんし、そんなことをするメリットもありません。そんな技術も知恵もございません。ちなみにその後で不正アクセスについて調べましたが、有名人に限らず一般人でも結構被害があるようです。よくあるのが有名人のアカウントに広告を呟かせる、というものです。しかしそれ以外にも、不正アクセスをされてアカウントを消滅させられたりということがあるそうです。

わかりやすいのは変なリンクを不用意に踏んで権限を与えてしまうことです。しかし今回のは明らかに菊野選手への悪意がありましたので、たぶんパスを割られたのでしょう。パスも割られることは多いようです。連想しやすいパスだったり、複数のSNSで同じメールアドレスを使ったりしてると割れやすかったりするみたいですね。中にはパス解析するのを楽しむ集団もいるみたいです。あとは身近な人が本人のスマホやPCを操作するケースでしょうか。なんにせよ、公の場に露出する立場の人は常に狙われていると思って気を付けてくださいませ。

というわけで今回の記事をご本人様に教えるのはNGです。もちろん選手ご自身やそのチームメイトの方などが自主的に読んで参考にしてくださる分には、これは光栄なことですし全然構いません。しかし一切面識のない人がメールなどで教えたりするのは余計なお世話ですし、不正アクセスしてリツイートさせるとかもう論外、立派な犯罪行為です。この企画はあくまでもファン同士でキャッキャウフフをするものであるとお考えください。

それでは前置きが長くなりましたが、研究の開始です!

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各選手のデータと、直近3試合の統計(詳細はリンク先)

BALTIMORE, MD - APRIL 26:  (R-L) Takanori Gomi punches Isaac Vallie-Flagg in their lightweight bout during the UFC 172 event at the Baltimore Arena on April 26, 2014 in Baltimore, Maryland. (Photo by Patrick Smith/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

五味隆典

年齢 36
身長 172センチ
リーチ 177センチ
スタンス サウスポー(スイッチ可能)
35勝9敗0分1ノーコンテスト(UFC4勝4敗)

過去13のKO/TKO勝利、3つの一本勝ち、6つの一本負けがある

vsマック・ダンジグ(2012年11月10日)
5分3R スプリット・デシジョンによる判定勝利

個所別打撃割合
ヘッド 57% ボディ 20% レッグ 22%

局面別打撃割合
スタンド 79% クリンチ 18% グラウンド 1%

KD 1 TD 1of2 被TD 2of5 総有効打数 54 of 140 命中率 38%


vsディエゴ・サンチェス(2013年3月2日)
5分3R スプリット・デシジョンによる判定負け

個所別打撃割合
ヘッド 59% ボディ 39% レッグ 4%

局面別打撃割合
スタンド 100% クリンチ 0% グラウンド 0%

KD 0 TD 0 被TD 2of5 総有効打数 81 of 180 命中率45%


vsイザーク・ヴァリーフラッグ(2014年4月26日)
5分3R ユナニマス・デシジョンによる判定勝利

個所別打撃割合
ヘッド 67% ボディ 26% レッグ 6%

局面別打撃割合
スタンド 91% クリンチ 8% グラウンド 0%

KD 0 TD 0 被TD 1of2 総有効打数 130 of 240 命中率54%

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DALLAS, TX - MARCH 15:  (L-R) Myles Jury punches Diego Sanchez in their lightweight bout at UFC 171 inside American Airlines Center on March 15, 2014 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

マイルス・ジュリー

年齢 25
身長 180センチ
リーチ 185センチ
スタンス オーソドックス
14勝0敗0分(UFC5勝0敗)

過去4つのKO勝利、6つのサブミッション勝利

vsラムジー・ニジェム(2013年4月20日)
5分3R 2R、パンチによるKO勝利

個所別打撃割合
ヘッド 50% ボディ 33% レッグ 16%

局面別打撃割合
スタンド 83% クリンチ 0% グラウンド 16%

KD 1 TD 1of1 被TD 2of2 総有効打数 5 of 24 命中率 20%


vsマイク・リッチ(2013年9月21日)
5分3R スプリット・デシジョンによる判定勝利

個所別打撃割合
ヘッド 52% ボディ 32% レッグ 16%

局面別打撃割合
スタンド 56% クリンチ 4% グラウンド 40%

KD 0 TD 4of6 被TD 0 総有効打数 22 of 72 命中率30%


vsディエゴ・サンチェス(2014年3月15日)
5分3R ユナニマス・デシジョンによる判定勝利

個所別打撃割合
ヘッド 40% ボディ 18% レッグ 12%

局面別打撃割合
スタンド 84% クリンチ 12% グラウンド 4%

KD 0 TD 3of3 被TD 0 総有効打数 46 of 119 命中率38%

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次に各選手の得意な攻撃を見ていきます(所長分析)

五味隆典

SAITAMA, JAPAN - MARCH 03:  (L-R) Takanori Gomi punches Diego Sanchez in their lightweight fight during the UFC on FUEL TV event at Saitama Super Arena on March 3, 2013 in Saitama, Japan.  (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

左右ジャブ、左右ストレート、左右ボディストレート、右アッパー、左右ボディフック、ボディアッパー、右ロー

特にジャブからボディへのコンビネーション・ブロー

マイルス・ジュリー

DALLAS, TX - MARCH 15:  (L-R) Myles Jury kicks Diego Sanchez in their lightweight bout at UFC 171 inside American Airlines Center on March 15, 2014 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

左ジャブ、右フック、右オーバーハンド、右ロー、右ハイ、前蹴り、タックル、パウンド、チョーク、クリンチでの拘束、トップキープ

特にタックル、カウンターの右フック、右ロー、左ジャブ

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弱点(所長分析)

五味隆典

SAITAMA, JAPAN - MARCH 03:  (L-R) Diego Sanchez kicks Takanori Gomi in their lightweight fight during the UFC on FUEL TV event at Saitama Super Arena on March 3, 2013 in Saitama, Japan.  (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

TDディフェンスが悪い、蹴り全般への対処がいまいち、スタミナ不足、リーチが短い、フットワークが悪い、TDの選択肢が無い、パンチ一辺倒、体が流れるフック

マイルス・ジュリー

DALLAS, TX - MARCH 15:  (L-R) Diego Sanchez punches Myles Jury in their lightweight bout at UFC 171 inside American Airlines Center on March 15, 2014 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

手数不足、乱打戦でのディフェンスがいまいち、うっかり被弾がある

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長所、強み(所長分析)

五味隆典

ハードヒット、打ち合いに強い、回転力がある、ハンドスピードが速い

マイルス・ジュリー

運動量豊富、フットワークに優れる、間合いが遠い、TDの選択肢がある、タックル成功率が高い、カウンターに優れる、ハンドスピードが速い、攻撃手段が豊富

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直近3試合で特に有効だった攻撃

五味隆典

ステップインからのジャブ、ボディ攻撃全般

マイルス・ジュリー 

右オーバーハンド、右フック、タックル、左ジャブ

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次に各試合に即した分析に入ります。

まずマイルス・ジュリーについてです。私が直近三試合を見直した印象としては、完成度の高いオールラウンダーです。基本的な戦略は足を使って遠い間合いを維持し、ジャブと蹴りを多用して遠目から削ってきます。狙いは相手の突進です。相手が焦れて飛び込んできたところに、ジュリーはカウンターを合わせるのを得意としています。その際に使う武器が右のフック、オーバーハンド、そしてタックルです。

この右のオーバーハンドではニジェムをKOしています。サンチェス戦では右フックでサンチェスの頬を切り裂き、その後も同じ個所に何度も同じ打撃を当てて血だるまにしました。同じタイミングでのタックルにも優れ、これでサンチェスからは3度ほどTDを奪うことに成功しています。下がりながら巧く距離を合わせて、コンパクトに強烈なフックを叩き込んできます。

作戦は相手によって切り替えます。リーチが同じでディフェンスも巧く、削り合いで五分のリッチにはしつこくTDを狙って漬けてポイント勝ちしました。逆に乱打戦をしたいサンチェスには徹底して距離を取ってジャブと蹴りで削り、焦れて飛び込んで来たサンチェスにひっかけるようなカウンターのフックを多用してかなりのダメージを与えています。

削り合いで相手が飛び込んでこなければそのままポイント勝ちか削り倒してしまう、相手が飛び込んで来ればカウンター、打撃でそこまで優位にならなければTDして漬ける、と対応できる局面が豊富です。漬ける力もかなりあり、パウンドも強いので上を取られると3Rではかなり厄介です。極めはさほどでもないですが、相手が弱っていれば極めるだけの技術は十分です。

若いだけあって運動量は豊富で、終盤でもよく動きます。このスタミナ差はやはり五味選手にとってかなり厳しい要素になるでしょう。

欠点としては手数が少ないことです。これは統計を見てもはっきり出ています。それだけジュリーは慎重だということです。また突進に対してまっすぐ下がって逃げ切れずに被弾したり、自分から仕掛ける時にうっかり貰ったりしています。サンチェスがカウンターを貰っても怯まずに出てきた時にそれは顕著でした。また命中率が悪いのは、リーチを活かして遠い間合いを維持するために自分の攻撃も防がれやすいからです。

しかし概ね穴が少ない選手と言えるでしょう。間合いが同じかそれ以上、または蹴りが使える、レスリングで上回る等の要素が無いと基本的には厳しい相手です。

次に五味選手についてです。

五味選手はデータを見ても一目瞭然、とにかくスタンド一辺倒の殴り屋です。誰が相手でも殴り勝つ以外の選択肢がありません。攻撃手段は9割近くがパンチでしょう。本当にレスリング道場の出身なんでしょうか。タックルの選択肢はないこともないのですが、あまり意識的に狙うことはありません。

基本は相手の出方を窺ってジャブとローで牽制し、相手が出てくるようならカウンターを狙い、相手が出てこないならば自分から飛び込んでいく戦い方です。サンチェス戦では1R、サンチェスの飛び込みに合わせていいカウンターを打ちましたがTDに対処しきれず何度か倒されました。すぐに脱出して事なきを得ましたが判定に響いています。2R、出てこないサンチェスに自分から飛び込んでジャブ、そしてボディを打つとこれが良く当たります。特にボディは1Rから強烈にヒットし、サンチェスは露骨に嫌がってガードを下げていました。ヴァリーフラッグ戦でもこのボディはハードにヒットしています。ボディが当たって相手の足が止まると、五味選手の有効打数は飛躍的に跳ね上がります。

強烈なボディで相手の足を止める一方で、自身のスタミナもいまいちなために後半は失速しがちです。よく手数を出す一方で被弾も多く、特に蹴りへの対処が悪くポイントを稼がれやすい傾向にあります。よく食らうのが前蹴りとミドルです。これらはスタミナにも悪影響を及ぼしていたでしょう。五味選手はかなりの前傾姿勢を取る独特の構えですので、やはり前蹴りは狙われやすいのだと思います。タフではありますが、決してディフェンスがいいとは言えないでしょう。

またTDディフェンスが悪く、過去3戦でも必ず一度はTDされています。誰を相手にも転ばされるのは打撃に集中しすぎてしまうからではないか、と見ています。これは判定では当然不利に働きます。スタンドでのパンチがほぼ全ての五味選手にとっては、一秒でも長いスタンドの時間が勝利に繋がるでしょう。ドス・サントスレベルにTDディフェンスが強固だったならば勝率は跳ね上がっていた可能性があります。

ではあなたがマイルス・ジュリーだとして、五味選手を相手にどうやったら一番確実に勝てるでしょうか?

私ならばサンチェス戦と同様の作戦を取ります。ひたすらに打ち合いを避けて距離を取り、ローキックや前蹴り、ジャブで削り続けるでしょう。飛び込んで来たらさっさと下がるか、タイミングが合えばカウンターのパンチ、若しくはタックルです。サンチェス戦よりも積極的にタックルを狙って転がすことを考えます。転がしてしまえば下からの怖さはありません。ゆっくりといいポジションを狙い、パウンドで削ってたっぷりと時間を使います。もし立たれても大丈夫、再び距離を取って削ります。五味選手は遠い距離を一気に埋めるほどのフットワークも蹴りもないので、安心して戦えると思うからです。これを後半まで続ければ五味選手のガスが切れると思いますので、この辺りから徐々に手数を出していきます。タックルもどんどん仕掛けていくでしょう。

ジュリーはかなりでかいです。サンチェスと相対しても少し小柄に見えた五味選手ですので、恐らくジュリーと並ぶと結構な体格差じゃないかなと思います。フットワークもいいし蹴りもあるので、スタンドでは相当遠い間合いを強いられることになるでしょう。上を取られても脱出がかなり大変だと思います。

さて、ここまで見ていかがでしたでしょうか?率直に言って、私は五味選手の勝率はかなり低いと見ています。ネックになるのがやはり間合いとTDディフェンスです。五味選手が勝つには間合いを潰せる攻撃手段とかなり強固なTDディフェンス、もしくはすぐに立てる能力が必要になるからです。削り合いだとどうしてもジワジワと不利になると思いますし、迂闊に飛び込めばジュリーの思う壺です。

しかし悲観してはいけません。こういった数値などを俯瞰して、最も勝率の高そうな戦略を編み出すのがこの企画の趣旨なのです!ここで「なんだよこれ無理ゲーじゃん」と諦めてチキンラーメンを貪ってはいけないのです。研究者らしくいえば、「勝つ方法はありまぁす(涙)!」

その言い方だと実際は無いんじゃねえか!と言われそうなので、これらを総合して考えた所長の戦略を発表したいと思います。

所長の考えた一番勝率が高そうな作戦はズバリ!

「意識を下に集中させてオーバーハンドで一発狙い」



これです。一発狙いなのに勝率高いの?という人もいるでしょうから、順に説明してきたいと思います。

まず大前提として、これは五味選手がランカーに挑戦する試合であるということです。実力的には負けてもやむなし、という試合です。基本不利な要素が多いので、正攻法で行くとジリ貧になる可能性が高いと私は考えます。

一発は不利な状況で狙うものです。年齢的にも五味選手には後がありません。なのでこの試合は後先を考えず、「どうせなら滅茶苦茶やってやる!若造に派手にぶちかましたる!」ぐらいの心構えで行っていいと思います。

かといってただ大きいのを振り回してもまず当たりません。それでは戦略とも呼べない、ただのマグレ頼みになります。ギャンブルにすらなりません。可能な限り当たる確率を高めたうえで、最後の最後に運に頼るのが真のギャンブルです。

そこで考えたのが、相手の意識を下に集中させる方法です。攻撃手段はローキック、ステップインしてのジャブ、そしてボディストレートをメインに据えます。現状一番遠い距離から打てる打撃だからです。スタンスは今からでは変更不可能なのでそのままです。これでとにかく遠い間合いから削り続けます。コンパクトな打撃のみに絞れば、タックルへの反応も早くなるでしょう。サンチェス戦の2R冒頭みたいな感じですね。ジュリーはカウンターを狙ってくるので、ステップインして頭をきちんと動かし、ガードを忘れないようにしながらジャブ、ボディ、ストレートを打ちます。ローもいい武器なので、蹴り足を取られたりカウンターを狙われたりしないように気を付けながら出していきます。距離が詰まればコンビネーション・ブローを狙います。

次に重要なのがタックルを常に警戒することです。どんな時でも常にタックルが来ることを想定しながら上記の攻撃をし続けます。今からではTDディフェンスがさほど改善するとは思いませんが、少なくとも常に意識するだけで多少はよくなるでしょう。

TDされたらもう何をしてでもいいから可能な限り早く脱出します。3Rマッチではトータルで5分以上下になったら絶望的です。下から攻めることが出来たり、グラウンドにある程度自信があれば別ですが、それが無理そうなのは統計が証明しています。なのでスタンドで一秒でも長く戦う方が勝率は高いでしょう。

サンチェスがやってましたが、タックルで倒されると判断した瞬間にフロントチョークを仕掛けるのは一つの手です。タックルをごまかし、その後に上を取られている時間が不利だと見なされにくくなります。極まらないようであればすぐに放すとして、タックルは絶対に来ると思うのでとりあえず狙ってみるのも手でしょう。相手はあまり想定してないと思うので、案外極まる可能性もあるかもしれません。

相手が前に出て来た時は、下手にカウンターを狙うとサンチェスのようにそのまま掻い潜られてTDされたりしますので、きちんとディフェンスしながら足を使って外して、その上で隙があれば狙うほうがいいでしょう。

さて、ここまでが前提です。こうしてジュリーのジャブ、タックル、蹴りをなんとか凌ぎながら削りあいをしていき、ある程度ボディとジャブが当たってくれたら大成功です。次第に相手の意識が下に向かい、ガードが下がってきたら頃合いです。遠い間合いから飛び込んでの、渾身のオーバーハンドを狙います。フックではありません、あくまでもオーバーハンドです。これは結構当たるんじゃないかと思っています。

オーバーハンドはMMAならではの打撃技術と言ってもいいものだと思います。間合いが遠く、タックルがあるMMAでこそ効果を発揮する打撃です。この打撃には複数のメリットがあります。

まず一つめが、相手の死角から飛来することです。相手よりも小柄な選手が使う方がよりその傾向は強まります。これを得意とするのがロイ・ネルソンですが、彼もまたヘビーでは小さい方です。ネルソンはその体格差を逆手に取り、相手が想定していない上方からの打撃で相手の意識を刈り取ることを得意としており、地力差がある試合もこれで勝ちをもぎ取ってきました。小柄な相手に懐に飛び込まれた時、どうしてもその顔の当たりに視線が行きがちで、自然と視線は下がります。その時にオーバーハンドの軌道は死角となるのです。ただこれは踏み込みが甘く、距離が遠いと簡単に見切られてしまいます。



二つ目が、打突部位が広範囲であるということです。オーバーハンドで有効な打突部位はナックルはもちろんのこと、親指の付け根、手首、拳の内側も有効な打突部位になります。特にグローブの無い親指の付け根当たりは急所に当たると強烈です。ジュニオール・ドス・サントスは親指の付け根辺りを当ててヴェラスケスをKOしましたし、ネルソンは手首を当ててコンゴからダウンを奪っています。先日のダブリン大会でも、やはりオーバーハンドで親指の付け根が当たった選手のコメカミが異常に腫れていました。これはつまり、かなり深めに飛び込んでも有効打が当たりやすいというこです。ナックルで一番綺麗に当てたのはバラオン戦でのTJ・ディラショーでしょうか。このオーバーハンドも試合を左右する大きな一撃となっています。



三つ目に、ダウンを奪いやすいことがあげられます。なぜダウンを奪いやすいかといえば、イリーガルな場所も含めて脳を揺らす部位に当たりやすいからです。よくオーバーハンドに対して咄嗟に顔を下げた選手が、耳の後ろから後頭部当たりを巻き込むように当てられて倒れているケースがあります。あれは厳密には反則なんでしょうが、偶発的ということでまずスルーされます。今回はこれも狙っちゃおうということです。顎、テンプル、耳の下、耳の後ろ、後頭部、首はもらえばダウンしやすい個所ですが、オーバーハンドはこの辺りを広く射程に収めます。巻き込むような形で「偶然」後頭部に当たっても反則は取られませんので、積極的に耳の後ろ等を狙っていくべきでしょう(にやり)。



四つ目に、攻防一体であるということです。大きく踏み込んで、上体を倒すように放つオーバーハンドは必然的に頭を振るのでカウンターを貰いにくく、打ち終わりも相手が下がってますので反撃を受けにくいことが多いように思います。体勢が低くなってるので相手はタックルにも行きにくいでしょう。遠い間合いから思い切り飛び込んでもカウンターを受けにくい、一方的に攻撃できるというのは魅力的です。

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五つ目に、射程の長い武器であることです。リーチに劣る五味選手は、KOできるパンチを打つ距離にさせてもらえないケースが多いでしょう。またジュリーは遠い間合いを維持していれば安全だと思っているはずです。その油断を狙うわけです。それこそ捨身の勢いで遠いところから一気に飛び込んでオーバーハンドを叩き込めば、恐らく相手が安全圏だと思っている場所まで届くはずです。

最後に、五味隆典という男には非常に適した武器だと思うからです。柔らかい肩としなやかな全身の連動、敵の顔面を叩き潰す強固な拳、そして打ち合いを恐れないクソ度胸を持っている五味選手にとって、オーバーハンドは最高の武器ではないかと推測しています。特にあの肩回りの柔らかさとフックでの一発の重さを考えれば、これはかなり期待できると思います。



以上が所長の考えです。実はこれには最大の欠点があります。それは、現時点で五味選手がオーバーハンドを習得できていないだろうということです。この作戦を遂行するにあたって、ディラショー、ドス・サントス、そしてロイネルと同程度の品質のオーバーハンドが要求されます。特に大事なのが踏み込みです。ビッグカントリーはあの体型ですが、このオーバーハンドの時の踏み込みはかなり俊敏で距離もあるのです。この作戦は、あと2か月くらいあれば習得できるだろうというのも込みで立てられているものなのです。



ただ習得できれば、この作戦が現時点では一番勝率が高いだろうと思う作戦です。上下のディフェンスを散らすことで、打撃も当てやすくなるからです。次点の作戦として、上記の戦い方からオーバーハンドを抜いて、ひたすらに削り合いで優位に立てるように狙うというものがあります。こちらの方が現実的ですが、勝率は下がるような気がします。

私がこの試合の報を聞いてから思ったのが、「オーバーハンドがあればなんとかなるんじゃないか?」ということでした。五味選手に欲しいと望む物は多いですが、あれもこれもというのは現実的ではありません。現状一番簡単に習得できて、かつ最も効果があるだろうと考えたのがこの「オーバーハンド」だったのです。

そしてたぶんジュリーはこの攻撃を想定してこないはずです。そこに勝機があるのではないかと考えました。

まあジャブの差し合いで負けたり、蹴りを貰いまくったり、TDで簡単に転がされすぎるようであればどのみち破綻する作戦です。その場合であっても、オーバーハンドがあれば一応逆転は狙えるかなとは思います。

さて、所長が考えたこの作戦は如何だったでしょうか?ディラショーのバラオン戦を見てもわかるように、作戦というのは非常に大事です。皆様ならば、五味選手にどのような作戦を授けるでしょうか?自分はこう分析した、この分析は間違っている、もっと勝率の高い作戦がある!どのような意見でも結構ですので、長文だろうと気にせずにどんどんコメント欄にお寄せくださいませ!

SAITAMA, JAPAN - FEBRUARY 26:  Takanori Gomi reacts after defeating Eiji Mitsuoka by TKO during the UFC 144 event at Saitama Super Arena on February 26, 2012 in Saitama, Japan.  (Photo by Al Bello/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images) *** Local Caption *** Takanori Gomi

いやーほんと、勝って欲しいなあ・・・。

17 件のコメント:

  1. ブラウニー2014/07/30 17:26

    いつも楽しく読ませてもらってます。おもしろそうな企画なので参加させて頂きますw

    五味ファンとしてはスカ勝ちが一番理想ですが、現実的にはスタミナ強化を徹底してほしいです。
    そして序盤からとにかく手数を出しまくって1ラウンドと2ラウンドを取ってほしいですね。

    最近UFCを見てて思うのが、たった3ラウンドとか5ラウンドしかないのに序盤のラウンドをみすみすお見合いでポイントを失うってほんとにアホみたいだなと…。だんだん苦しくなってくる後半に競るよりも最初から手数を出す方がより、簡単なんじゃないかと素人目線では思うんです。

    特に今の五味は決定力も落ちてるので序盤の動きがいいときに死に物狂いでラウンドを取ればまだ後半の失速時にも心に余裕ができるんじゃないかなと思います。相手もフィニッシュを狙って出てきてくれれば五味にもフィニッシュのチャンスが生まれるでしょうし…

    ネイト戦のように序盤のフルパワーの状態でやられたならば実力差かとある意味納得もできますが、ヘロヘロに削られていくところはみたくないですね。
    とにかくチキンラーメン断ちのスタミナ強化ですw

    ローラーがロリマクに競り勝ったときのような試合になってほしいです。

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    1. ご参加ありがとうございます!

      スタミナはほんとどれだけあっても困ることはないので、最大限強化してほしいところですがわずか2か月という準備期間と35歳という年齢がネックになっています。たぶんさほどの向上は望めないでしょう。せめて半年あればまた別なのですが・・・・。

      ポイントに関してはほんとそのとおりです。たったの3Rでは、1Rがかなり重要になります。様子見して落とすとか最悪です。その点に関してはスタートからアクセル全開のGSPがとても参考になります。

      五味選手に関してはボディがあるので、序盤から飛ばして相手を一気に削って2R中盤まで優位に運べば、3Rならポイント勝ちできる可能性があります。

      ただその最大の障壁がTDディフェンスです。序盤に転がされてその防御でスタミナを使った場合、まず判定勝利はないと思います。1Rに2分以上寝かされたら恐らく判定は捨てる必要があるでしょう。

      ローラーのロリマク戦での勝ちは理想ですね。ただ五味選手は今そこまで一発が無くなりつつあるのが気になるところです。

      削除
  2. 面白そうなので匿名ですが参加させていただきます。

    エディッグ・ジャクソン局長の分析、及び対策は非常に的を射ているように感じました。五味選手とジュリー選手では正直言って地力の差がかなりのものだと感じます。なので、一発狙いでなければ勝ち目は無いでしょう。
    ただの殴り合いならば五味選手にも目があるでしょうが、そこは相手も絶対に対策してくるところです。スタンドでは距離を取って削りつつ、踏み込んできたところにカウンター、打ち合いに見せかけてタックル。スタンドグラウンドに渡ってコントロールしてポイントアウト。ジュリー選手はそういった戦略を立ててくるのではないでしょうか。
    相手のタックルを封じてのスタンド勝負ならば五味選手に勝ち目はあると思いたいですが、それでも厳しいのが現状。ならばどうするか。
    素人考えながら自分が出した結論は、半ば場当たり的でもいいからタックルに膝を合わせる、でした。
    ジュリー選手のようなオールラウンダー相手ではポイント勝負はかなりきついと思います。ならばそれ以外で試合を終わらせるしか無いのですが、五味選手にサブミッションは余り期待出来ない、となるとKOを狙うのが一番でしょう。
    タックルに合わせて一か八か膝を合わせ、ダメージの上で優位に立てばぐっと楽になります。成功せずともタックルに行き辛くはなるでしょう。
    ダメージを与えて、タックルの選択肢を潰せばポイントでも勝ちの目はあります。とにかく、リスクを気にせずガンガンいかなければならないと思います。

    五味選手のキャリアの中でも恐らく最後であろうベルトへの道。どんな結果になるにせよ全力を出し切って戦ってくれればと思います。

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    1. タックルは間違いなく狙いまくってくると思うので、そこにカウンターは悪くはないと思います。膝ならば当たればKOできるかもしれません。ただジュリーはそのあたりに結構対策が出来ているとサンチェス戦で感じました。ダイブのタイミングが大体カウンターなのです。特にパンチで出てくるところに合わせてきます。

      タックルへの膝はグイダ戦で五味さんがいいのをぶちこみましたが、あれも耐えられてそのまま寝かされて負けているんですよね。狙いはいいと思うのですが、膝は外すと確実にTDされるような気がするので掬い上げるようなパンチのほうがいいかもしれません。

      ポイント勝負になったらやはり厳しい気がします。リスクを負ってガンガン行ったほうがいいのは間違いありません。折り返し地点までにダウンを取れるかどうかが勝負ではないかと思っています。スタートダッシュで急襲しても構わないと思っていますw

      負けてもいいから完全燃焼、悔いが無いように頑張ってほしいですね。ほんとそれが一番の望みです。

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  3. 素晴らしい企画ですね。

    エディさんの丁寧さに脱帽しながら参加致します。

    拙いながら、僕も戦術分析らしく、「抑止力」をキーワードに考えてみます。


    以前までのMMAで、五味はハードな撃ち返しやTD防御で相手の攻撃を抑止し、削り、KDやバック奪取からの勝利が多かったかと思います。

    五味が相手を抑止していた撃ち返しは、今日の最適化のすすむ機動式のMMAでは通用していないですね。

    まず、前傾した姿勢についてですが、大砲搭載の旧固定式ならではのTD防御体制なので、ローキック防御は別の方法を考えます。

    オーバーハンドに限らず、強烈な打撃はタックルと相性が良いので、TDに消極的な五味自身の打撃は、相手からほぼ常に丸見えという点も良くないですね。

    となると、やはりどうしても相手のTDを抑止するアクションが欲しいですね。

    すぐにできることは、五味の得意なスイッチングとボディ攻撃を多用だと思います。

    スイッチングによるリズムも変調は相手のタイミングをずらし、攻撃を起点から抑止できるかなり特殊な技術だと思います。これは自己の射程距離にアドバンテージしますので、TD防御が苦手でリーチの長くない五味は今でも重宝すべきかと思います。前述のローキック防御もある程度ながら、これとカットだけ頼ることにします。

    接近戦において、テイクダウンとパンチの二択が使えない場合、ボディを混ぜて打ち分けの二択を行えるのも大きいと思います。

    できれば、ドンヒョンのように相手のタックル時の頭部の軌道に合わせた斜線軌道のボディアッパーが好ましいですが、五味が使っているのはあまり見ませんね。

    コンタクト時のハードヒットは、フランキーのように頭を横に逃がしたものか、2発目に繋げるべきだと思います。タックルはコンビネーションをかいくぐるより、初段に合わせる方が楽だからです。

    打ち分けとコンビネーションにより、防御に注力させるべきです。するとタックルに消極的になると思います。


    ーーーー

    ここまで書いて。

    できるだけ五味自身の現在持つ能力に頼った修正としてみました。ディテールでの支配率のわずかな向上に期待したまでで、戦術と言えるほどシステマティックではありませんでした。

    これでテイクダウンをほとんど回避できたらかなりの器用さですが、僕は最終的な勝利を期待させる、進化を是非見たいですね。

    (ルール違反ですかね?汗 笑


    ーーーー

    追伸、菊野さんのツイッター拝見していましたが、エディさんを疑っている様子には見えませんでした。エディさんの主観を否定したいわけでなく、僭越ですが、第三者による嫌な思いが少しでも晴れれば、という気持ちです。

    画竜点睛を常に欠かさないエディさんの快文を、今後も楽しみにしております。

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    1. お久しぶりです!ご参加ありがとうございます。

      TD防御に対策を絞るのはかなり素晴らしいと思います。これをクリアできるだけで勝率がかなりあがると思うからです。

      私はいまいちTD防御に使えそうなのが浮かばず、ボディ攻撃で巧いことタックルに合うこともあるだろうし、ボディの入り方はタックルのカウンターを合わせにくいだろうと言うことでメインに据えました。

      ボディアッパーで相手の頭を掬い上げてKOというのは結構見るのですが、確かにこれが出来ればかなり有用です。この技はロビー・ローラーが多用していた気がします。タックルの入りにあわせて少し下がってこすりあげるように打っていました。確かに抑止力としては適しています。アッパー自体は五味さんも使うしかなりいい武器なので、2か月の期間で対応できそうです。ただバックステップがいまいちなのがネックになりそうです。

      スイッチはTD防御に関しては不明ですが、ロー対策には有用なのは間違いありません。あの前傾姿勢はローにも脆弱性があるのは間違いないと思います。記憶している限りではジュリーは右足でしか蹴ってなかったはずですので、サウスポースタイルにすればハイと前蹴り以外はそれだけで対応できそうな気もします(左でも蹴れたらごめんなさいw)ジュリーはポイント稼ぎでローもかなり細かく蹴ってきますので。またスイッチで相手の距離感を狂わせれば、確かにそれだけでタックルのタイミングを計りにくくなるとおもいます。多用してみるというのは一つの手かもしれません。

      ハードヒットはコンビネーションがいいかと思います。頭を振って入ってもタックルを食らう可能性がありそうだからです。相手がガードなりをしてくれればそこで強打を叩き込むのがよさそうですね。

      とにかくタックルに入るタイミングを潰しまくって相手を防御に追い込めば勝利は見えます。ただジュリーは無理やり倒すのも結構得意としていますし打たれ強いので、突っ込んで来たときに堪え切れるかが焦点になりそうです。

      試合まで2か月なのでやはり大幅な進化は期待できない可能性が高いです。むしろnaoさんの戦略の立て方は最もこの研究の趣旨に沿っている気がしますw私は判定勝利は半ば捨てての作戦ですが、naoさんのディフェンシブな戦略もまた悪くないと思います。特にボディアッパーでタックル時の頭の位置を射線に収めるというのは良さげです。

      追伸に関してですが、確かにそうかもしれませんw「第三者の仕業だと思うけど・・・。」の「・・・」に引っかかるものを感じてしまいました。もしかしたら、私が三日月蹴りに怯えすぎたが故の被害妄想だったかもしれません。だってビビったんだもん♪

      菊野選手に犯人見つけ出してしばいてくれっていうのは割と本音だったりしますwこちとらすごい動揺したんだぞ!



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    2. 追記ですが、naoさんに窘められて反省したので少し文章をマイルドに変更しましたw

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  4. いやもうエディ様以上の意見が思い浮かびません
    確かにスタミナ等々は今まで散々言われてるのに一向にだからもう無理なんでしょうw

    ただオーバーハンドてあっちの人は練習しているんですかね?
    普通のストレートなりフックは当然練習しているんでしょうが

    そもそもあのオーバーハンド一昔前はロシアンフックて言われて
    ロシア人の様な強靭な体がないと肩や拳痛めるて言われてましたが

    日本人の特性として習っている事は忠実に出来るけど
    アドリブが効かないというのはありますよね

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    1. コメントありがとうございます!スタミナに関しては今回は準備期間もネックですね。決して無理ってこともないんでしょうけどジム経営と二足の草鞋だと厳しそうです。

      TUFを見てたら、オーバーハンドをちゃんとオーバーハンドとして打ち方も含めて教えているのを見た記憶があります。使いどころとしては、打撃のできないレスラーなんかがタックルと絡めて使うのが多いと思います。理屈は今回記事中に述べているのと同じですね。どちらかというと以前はそちらの使い方が主流でしたが、今はストライカーも普通に使うようになりました。ディラショーのタックルも絡めた使い方が本来一番理想的です。

      ロシアンフックとは体の倒し方や軌道が微妙に違うような気がしますね。今度暇があればつぶさに比較してみますw

      アドリブの効かなさはありますね。もっと試合中に相手の虚を突くような奇策を使うのは大事だと思います。

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    2. 追記です。やはり別の技術でした。ロシアンフックは体を振り、肩のためを使って打ち込む大きなフックですが、オーバーハンドはもっと縦軌道で、ピッチャーの投球フォームのように遠心力を使って叩き込む打撃みたいです。チャックリデルの教えるそれはまるでピッチングみたいでした。フックの起動では打つな、というアドバイスをしています。完全に肩を上に回して打つもののようです。

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    3. 成程ロシアンフックは空手でいうところの振り打ちで
      オーバーハンドは山打ちといったところでしょうか

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  5. 面白い企画ですね!参加してみたいと思います。
    オーバーハンドを当てるプロセスと言えば、最近は相撲の稽古でも話題のロイ・ネルソンを参考にするのが間違い無さそうです。

    で、ネルソンの行うプロセスの一つに「タックルを意識させる」があります。最近はタックルの振りだけというのがバレバレですが。
    なので、どうせバクチを打つなら五味選手からタックルを仕掛けるというのもアリなんじゃないでしょうか。
    試合開始早々に行えば相手も予想外でしょうしインパクトを与える事が出来そうです。
    失敗してもあまり問題では無く、相手にタックルもあると意識させるだけで打撃のヒット率が上がるかと。
    なので、最初のタックル以外は行く振りで十分です。

    そして、頭を下げタックルに行くとみせてオーバーハンドでフィニッシュ!というのが理想ですがちょっと都合良すぎですかね…。
    判定で勝つというのはちょっと考えにくいので、とにかく先に仕掛けて相手が後手に回っている間に仕留めてしまいたいですね。
    判定ダメだよ、KOじゃなきゃ!

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    1. あのクソデブは下手くそなタックルで餌を撒いて当ててましたね
      wさすがの性格の悪さです。確かに博打という意味ではありかもしれません。

      ただ私がそれを今回書かなかった理由としては、そのまま上から潰されてグラウンドに強引に移行される可能性が高そうと思ったからです。遠目から振りだけして離脱でもいいのですが、そこからバックにでも回られるとかなり厳しいです。

      イチさんのご指摘通り、元々はタックルフェイントとセットで使うほうが効果的ですのでできたらやりたいところですね。ただどうもネイト戦の悪夢が脳裏をよぎってしまいましたw

      判定は一応塩ボクシングで狙うことは可能ですが、3R逃げ切るにはどのみちボディでもなんでもダウンを奪わない事には競り負けそうです。なのでやはり、

      判定?ダメだよ、KOじゃなきゃ!

      ですねw

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  6. ミンテア2014/07/31 21:33

    楽しそうなので私も参加させていただきます。

    私の作戦は
    まず小技としてジュリーがマイク・リッチ戦で結構被弾していたミドルで削りながらサークリングの邪魔をしたり(五味がミドル蹴ってんの見たことない気がしますが)。体力で競り負けそうでしたら金的インローでごっそり体力を奪ったり(偶然ですよ偶然ww)します。

    さらに前提として試合の初っ端からとにかく自分から前にでてジュリーに一切ペースを掴ませません。この戦法では3ラウンドの存在を一切考慮せず、試合が2ラウンドで終わるつもりで攻めます。
    軍事学の世界では「全力をもって分力を討つ」という古今東西変わらぬ鉄板の戦術思想があります。意味は読んで字の如くですが、つまりジュリーが全体力の66%しかつぎ込んでいないところに五味が100%をぶち込むわけです。リスキーなやりかたですが、自分より強い敵に勝つには奇襲しかありません。ここが我らの桶狭間ですw


    そしてメインは(イチさんに言われてしまいましたが)タックルです。いまや周知の事実ですがMMAでは打の強さが投の攻防を有利にし、投で優位に立てば打にも影響します(極に関しては五味選手なので無視)。
    エディッグ所長も指摘してますがジュリーはリーチを活かして確実に勝つために前蹴りなどの蹴り技を多用すると考えられます。
    そこで、 その蹴り足をキャッチ→そのまま近づき逆の手で胸を押す→テイクダウン!
    五味選手は構えが前傾で足を上げてカットをしない分、相手の蹴り足を手で掴む事が多いので割と簡単にできると思います。がっつり組み付かないので逆に上をとられる事も、体力を持って行かれる事も、クリンチ打撃で削られる事も、通常のタックルよりは可能性が低いのではないでしょうか。

    うまくいかなくても相手の胸を押している時点でかなり距離は詰まっているので、打撃に切り替えてもいいでしょう。以前ユライアか誰かが片足をキャッチしたまま逆の手でフックを入れてかなり効かせていました。
    あるいは金網まで押し込んで磔ボディショット連打とかできたらかなりいいです。

    このタックルはオーバーハンドを混ぜることにも適していそうですし、そうでなくてもタックルの存在を意識させるだけでパンチを当てやすくなるはずです。



    局長案のようにボディやローで意識を下に行かせるとともに
    このSuper Tackles And Punches 作戦、略してSTAP作戦で五味選手のオーバーハンドによる2ラウンドKO勝ちを期待します!!

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    1. 金的インローは有効ですね。あれたぶん相当苦しいと思います。まあ一発くらいならメンゴメンゴで済みます。ただ下手をすると相手が激昂してボコられるもろ刃の剣です。

      ミドルは蹴ってるの見たことないですね。あのスタンスだと出しにくそうです。TDディフェンスがやばいので転がされる気もしますね。一応本人はもっと蹴りも使いたいと言っていましたが、これまでミドルを見た記憶はありませんw膝は結構うまかったです。

      蹴り足キャッチはそういえばやってました!ただジュリーはバランスがいいですし、最近はシングル取られた状態で堪えるのが皆巧いのでそこが心配ですね。体格的に劣るので、エドガーvsベンヘンみたいに何もできない事もあるんじゃないかと思います。

      むしろ後者の、キャッチと同時にとりあえずぶん殴っとくほうが五味選手にはあってそうですw何しろパンチ強烈ですからね。それで相手の蹴りを封じられれば相当楽になります。磔ボディとかはマジでいまからシーザーのところに出向いてディアズ兄弟に習ってきた方がいいくらいに五味さんにぴったりの武器でしょう。

      タックルは絡めたいのですが、やはりグラウンドに持ち込まれるリスクが心配です。同じ効果を持つボディストレートのほうを私としては優先したいところです。

      STAP作戦wwwwwものすごく失敗しそうなんですが大丈夫ですかそのネーミング!?

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  7.  実は昨日コメントを書いたのですが、何故かプレビューを押したら全部消えてしまい心がおれていました。(心の中にいる和尚に渇を入れられてやる気が戻りましたけどw)
     いままで五味選手がオーバーハンドを修得していないのは不思議なくらい相性のいいテクニックですよね。
     自分の所属しているジムでは複数の打撃コーチがいますが、スーパーマンを指導していることはたまに見かけてもオーバーハンドは見たことがありません。
     打撃もテイクダウンも寝技もMMAとしてのアレンジは選手達に丸投げしている印象です。MMAを積極的に研究しようという情熱が乏しいような感じです。
     このあたり韓国との大きな差ではないでしょうか。事実コリアントップチームのジョンヨンチャルコーチはバリバリのレスラー上がりなのに指導技術を身に付けるためにキックのジムに通っていたそうですから。

     自分が五味選手にさせたいこの試合の戦法は徹底的なステップインジャブとボディ打ちですね。そして膝のフェイントです。あくまでフェイントですよ、カウンターは狙いません。顔面へのパンチもボディが効いたらストレートを狙うぐらいでフックは封印で。
     幸い五味選手の左右のジャブは顔面の部位破壊率が以上でジャッジやデイナへの印象が非常にいいと思います。
     膝のフェイントでジュリーのタックルが少しでも遠くなれば占めたものです。
     この戦法の利点は練習内容を極限まで搾ることです。リーチの長い相手とのシュートボックス(打撃&テイクダウンですな)スパーと抑え込みが強い相手とのボトムポジションからの脱出スパーだけです。後は持久力強化のフィジカルですね。ピュアレスリングやグラップリングスパーなんて要りません。クリンチでもグラウンドでも勝ち目はないんですから。
     いまから一月これだけに集中すればかなり戦術が明確になるのですが、、ただ一発の期待も捨てがたいですね。
     かつてニックディアスが「ちょっとした波動拳パンチだった、頭のなかで爆発が起きたかと思った。」と語った一撃を期待したいですね。
     当時はPRIDE好きだからリップサービスしてるのかなと思いましたがそんな器用なことがニックにできるならデイナの頭髪量は7割増しで残存していたと思います。

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    1. bloggerはたまにあります。和尚に喝を入れられたら、心の中と言えど失神してしまう可能性があるのでお気を付けください。

      本編では書いてから消したのですが、やはりですか。自分もオーバーハンドは教えられる人がいないのでは、と危惧していました。日本人選手でいわゆる「オーバーハンド」をちゃんとやっている人を見たことが無いからです。上のコメントでも書きましたが、やはりオーバーハンドはかなり特殊な技のように思います。

      https://www.youtube.com/watch?v=aqf42bsTXnY

      ただこれとはまた異なった打ち方の教則動画もありましたので、どれが正しいのかはわかりませんwとりあえずアイスマンには実績があるのでこれを参考にしました。ドス・サントスとかネルソンはこの打ち方ですね。ディラショーは微妙にボクシングよりな気がします。

      膝のフェイントでカウンター狙っているフリはいいですね!相手のタックル抑止としては一番簡単で安全かもしれません。フックはやはり体が泳ぐのが多いのでやめた方がいいと私も思います。使うとしてもボディが当たって足が止まってからでしょう。

      練習方法も残り2か月だと、ムジナさんのプランは素晴らしいと思います。練習内容を極限まで絞ったうえでの戦略というのは必要不可欠です。特にリーチの長い相手とのスパーと脱出スパーだけというのは慧眼です。ほんとそれだけで十分です。グラウンドで対抗できる技術はあと1年あっても身に着くか不明だからですw

      タックル封じさえできれば、打撃で五分とはいいませんが一方的というほどにはやられないとは思います。蹴りの対処次第ではありますが・・・。

      ニックはお世辞言えるタイプじゃないので、たぶんガチなんでしょう。あのタフネスの塊にそこまで言わせるんだから大したものです。オーバーハンドであの一発が復活すれば最高ですね。

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