2014年9月24日水曜日

UFC日本大会2014 感想と分析part1 ハントvsネルソン

UFN日本大会、ハントvsネルソン戦の感想と分析です。以下は個人的な意見ですので参考程度にどうぞ。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20:  (L to R) Roy Nelson and Mark Hunt embrace after their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

画像はUFC Japan 2014の大会フォトギャラリー | UFC ® - Mediaより
ハントの等身大ヌイグルミとか誰か作ってくれないですかね、カワイイw

ヘビー級 5分5R
WIN マーク・ハント vs ロイ・ネルソン
(2R 右アッパーによるKO)

「スーパー・サモアン」の拳は大陸をも砕く

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20:  Mark Hunt throws a punch at Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

「ビッグ・カントリー」の意識は辛うじてあった。彼の両手は過積載気味の体を支えようと宙を泳ぐ。だが胸から下は切断されたかのように自由を失い、彼の体はあっけなくマットに倒れ込んだ。腕はなんとか受け身を取り、起き上がろうとわずかに蠢く。だが腰が、足がこれ以上の戦闘が不可能であることを告げていた。大陸は寸断され、命令系統が麻痺したのだ。どんな強打にも屈しない男がこの日、誇り高き南国の戦士に完全に打ち倒されたのだ。KO負けはUFC参戦後初となり、アルロフスキーへの敗北以来実に6年ぶりのことだ。

サモアの戦士は崩れ沈みゆく大陸を見下ろして両手を上げた。これ以上の追撃など不要なことを、拳の感触が教えてくれたに違いない。

「スーパー・サモアン」マーク・ハント、21世紀の到来と共にそのキャリアをスタートさせ、立ち技格闘技の一時代を築いた「K-1」の舞台で暴れまわり、続いて起きたMMAブームの波に乗って日本の地で戦い続けた男は2010年、彼のキャリアの基盤であった日本を去った。彼はアメリカの地に渡り、それからの4年間をUFCに舞台を変えて試合をし、今もなお戦い続けている。14年、長い時間だ。

40歳、アスリートであり続けるのはあまりにも厳しい年齢だ。彼は激闘のツケで多くの怪我を抱え、重度の感染症も経験した。MMA参戦当初は立ち技格闘技出身のためにグラップリングに対応できず、彼は幾度となく辛酸を舐め、キャリアを傷つけ、心無い罵倒も浴びてきた。特に日本のマットでの戦績は最悪で、彼の名前がMMA発展のための生贄にされた感は否めなかった。

だから彼がUFCに参戦したときには、なぜそんな無謀なことをするのかと多くの人間が彼の決断に首を傾げた。彼の熱烈なファンであったUFC社長、デイナ・ホワイトですら、彼には戦わずともいいと言っていたくらいだ。

だが戦士は戦い続けた。誰が強制したわけでも無い。新たな戦場で、彼はどんな無様を晒してでも、如何なる苦境に立たされても、闘い続けることを望んだのだ。多くの懐疑的なファンたちの目の前で、偉大なる戦士の血脈を継ぐ男はひたすらに戦い続けた。

いつしか、彼の戦い方には少しずつだが変化が見え始めた。かつては一度マットに寝たら二度と起き上がることがなかったが、彼は隙を見て立ち上がるようになった。転がされたとはいえ、相手のタックルに反応するようになった。サブミッションの対処を覚え、それから逃れる術を身に着け始めた。さらには相手が倒れれば上を取り、殴りつけてくるようになった。そしてその合間に彼は凄まじい破壊力の拳をねじり込み、立ちはだかる敵を次々と粉砕するようになった。わずか4年の間の出来事だ。

そして今、彼はヘビー級の優秀なゲート・キーパーである「ビッグ・カントリー」ロイ・ネルソンをゲートごと粉砕してタイトル戦線に躍り出た。今や彼が戦い続けることを嘲る者は一人もいないだろう。彼の拳はどんな敵をも打ち倒す可能性を秘めている。15分か25分の内にたった一発、彼が最高のショットを打ち込めば、どんな実力差も容易くひっくり返してしまうに違いない。

世界最強のデブ、ついに決定!顕著だった基礎技術の差

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Roy Nelson punches Mark Hunt in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

日本格闘技の聖地で、天下一デ武道会の始まりを告げるブザーが鳴った。

まず互いに距離を測りながらパンチを繰り出していく。どちらもヘビーでは小柄だが、その分機動力がある。動けるデブは強いのだ。だが機動力で勝るのはハントだった。樽のような身体を軽やかに揺さぶりながら足を使って出入りを繰り返す。

最初に強打を当てたのはサモアの戦士だった。一気にステップ・インすると右フックをガードの上からねじり込み、そのままガシ、ガシと左アッパー、右フック、さらにもう一度左アッパーと素晴らしいハンドスピードでパンチをまとめていく。フットワーク、パンチ技術の差はすでに序盤から出ていた。

そしてパンチで不利と素早く判断したネルソンは、案の定タックルを仕掛けてきた。かなり遠い距離から、体型からは想像もつかない速度でシングルを取りに行く。だが腹が邪魔なのか腰を落とし切れていない。スタンドのための、布石の要素が強いタックルだ。相手にタックルを意識させるためのものだが、それでもシングルを取って倒せるかどうかを探っていった。だがハントはすぐに反応してそれを受けとめ、素早く横にいなしてパンチを狙う。危険を察知したネルソンはすぐさま射程から離脱した。

その後は互いに有効打を繰り出していく。ハントが一切前振りのない左ミドルでビッグ・カントリーの豊かな国土を揺るがすと、ネルソンはかなりの長距離を飛んで右のオーバーハンドで下がるハントの左側頭部を弾き飛ばす。

だがこの辺りからサモアの戦士に有効打が増え始めた。やはり打撃畑出身のハントは、スタンドの攻防になった時にその正確性、フェイント、スピード、攻撃の散らし方でネルソンを上回った。パンチばかりを警戒するネルソンに素早い右ミドルも繰り出すと、今度はその大木のような足でネルソンの左足を豪快に蹴り飛ばした。会場には布を強烈に叩いた音が響き、ビッグ・カントリーの足は思わず内側にひしゃげて曲がった。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Mark Hunt kicks Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

ここで押し切られたら試合の主導権を奪われる。勝負への嗅覚鋭いカンフー使いはここが正念場と踏んだ。ローキックを受けた直後、渾身のオーバーハンドで飛びかかったのだ。だが相手は何しろ立ち技格闘技のレジェンドの一人だ。その巨体を素早く屈めて飛来する拳を軽々とかわす。その入りは予備動作も少なくスピードがあり、早々反応できるものではなかったはずだ、それを南国の戦士は当たり前のようにやってのける。

ネルソンはすぐに二の矢を放った。恐らくこちらが本命だ。オーバーハンドの余韻が残っている間に、今度は不格好なダブルレッグを仕掛けていった。足に触れたものの、すでにハントはそれを見切り、足に組み付いた瞬間に肘でネルソンを上から潰していく。対処されたと気づいたネルソンはすぐに切り替え、上体を起こし際に左フックでハントの分厚すぎる頭蓋を狙う。だがこれも動作ですぐに感づいたハントは一気に後方に飛び退り、わずかに驚いた表情を見せるも無傷でしのいだ。

ここでネルソンが競り負けたことで、天秤は確実にサモアの戦士に傾きつつあった。互いに遠目から飛び込んでは打撃を放つが、より的確に、より強烈な打撃を当てていたのはハントだ。ネルソンは得意の亀防御で嵐をやり過ごそうとするが、コンビネーション・ブローに優れ、ハンドスピードが尋常ではないスーパー・サモアンには完全に選択ミスとなった。ネルソンをしっかり見据えたハントは、ガードの隙間からコンパクトなフックとアッパーを次々と放り込んでいった。合間にネルソンがシングルを再び狙うも、腹が邪魔なのか腰を落とし切れず、ハントに容易く弾かれてしまった。

ネルソンは窮地に陥った。何しろ打開策が無くなったのだ。パンチの打ち合いでは勝ち目がない、タックルは決まらない、タックルを意識させてのオーバーハンドも、身長差がなければあまり機能しない。ビッグ・カントリーの計算は狂い始めていた。

だが彼はここで諦めるような、そんじょそこらのデブではない。ネルソンはリスクを負って強打を狙い始めた。自分から前に出て、かなり大きく踏み込んで一発を狙っていく。体力のあるうちに少しでもダメージを与える腹積もりだったのだろう。さらには先ほどのお返しとばかりに、ステップインしてキレ味鋭いローを放つと、スウェーをして下がろうとしていたハントの足が弾き飛ばされ、その勢いでハントがクルクルと可愛く回転して中央に歩いていく。さらにその後の打ち合いでネルソンが右フックを先に当て、次いで大きな右フックがハントの頬をかすめていく。ハントは後ろに下がって一息つくと、口を横一文字に引き締めて深刻そうな顔を一瞬見せた。ハントにとっても、ネルソンはかなりの曲者だったのだろう。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Roy Nelson throws a punch at Mark Hunt in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

第2ラウンドは開始直後から一気に動いた。圧力を掛けてきたネルソンにハントが反応し、先に飛び込んで右フックを放つと、ネルソンはこれを防いで追撃をかわして左フックを当てる。これで熱くなったハントがさらに打ち合おうと前に重心を移した瞬間、待ってましたとばかりにビッグ・カントリーは美味しそうなケーキに飛びつくようにハントの足に縋りついた。今度はわずかに腰も落としている。抜群のタイミングで取ったシングルでハントはあっけなく地面に転がった。ここまではネルソンの作戦通り、恐らくこれこそが彼の当初の勝利プランだったのだ。

だがネルソンはハントを見くびっていた。彼の成長速度を、40歳の大台に乗ったレジェンドの進化速度を見誤ってしまった。ハントは素早くうつ伏せになると、バックに回ってきたネルソンを落とそうと腰を上げる。何しろ二人とも胴回りは凄まじい長さだ。ネルソンは足を回し切れず、ずるずると前に落ちていく。ハントは上半身を巧く引き抜くと、逆にネルソンの片足を取りにいった。ネルソンはすぐに体を回転させて足を引き抜きその状況から脱出する。ネルソンは最大の勝機を逃し、ハントは見事に無傷でグラウンドからの脱出を成功させた。

この攻防で決着はついていたのかもしれない。起き上がったネルソンは口を大きく開けて呼吸を整え始めた。彼はここにすべてを賭けていた可能性が高い。これでネルソンはガスをごっそりと失ったように思う。ハンドスピードは極端に落ちた。そしてハントのジャブに押し込まれ、ネルソンは金網際まで追い込まれていく。口を開けて喘ぎながら、頻りに舌なめずりを繰り返すビッグ・カントリーの表情から、彼が脳裏で何度もソロバンを弾いて計算し続けていることが伝わってくる。何とかしなくてはいけない、彼は己の引き出しを全てひっくり返して勝つ方法を探していたのだろう。だがそこにはもう何もない。飴玉の一つも残っていないのだ。

ネルソンはそのデカい腹を完全に括った。上等じゃねえか、てめえの土俵で勝負してやる!ネルソンはガードを上げて前に出て、殴り合いで決着をつける覚悟をした。ハントのパンチを被弾して鼻血を滴らせながら、素早いステップ・インと共に鋭いジャブでハントの顔面を叩きつけた。頑丈なサモアンの頭蓋骨が衝撃で大きくぶれる。ストレートを深いダッキングで交わしてフックを返し、さらにおまけで雑なバックハンド・ブローを当てる。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Roy Nelson punches Mark Hunt in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

サモアンも負けてはいない。押し返そうとプレッシャーを掛け、フェイントを仕掛けてネルソンのガードを探りながら、飛び込んで当たれば首がはじけ飛びそうなアッパーやフックを振り回す。掻い潜ったネルソンはまたしても舌なめずりをしながら微かに笑みを浮かべた。それは決して余裕からではない。目の前に立ちはだかる脅威に、彼はまったく参ったもんだ、と笑みを浮かべたのだ。苦境を前にこういう笑い方をする男を現実に見たのは、私はこれが初めてかもしれない。

ネルソンはさらに前に出て、飛び込んでパンチを振り回した。だがよく見てボディワークを使うサモアンを芯で捉えることはできない。この直後だ。フェイントを掛けて前に出たネルソンに、突如ハントが信じられない速度で右ストレートをコンパクトに打ち抜いた。ステップインのタイミング、体重移動と同時の着弾、ナックルをきちんと側頭部に当てる正確性、それはまさにサモアンの長いキャリアを象徴する一撃だった。ネルソンの上体は大きく前に倒れ、何とか踏みとどまると意地で起き上がりざまに右フックを振り回して追い出していく。

だがビッグ・カントリーにはこれで一気に亀裂が入った。動きが明らかにがたついている。前に出るも細かいジャブで追い出され、タックルを狙うもガス欠も相まってもはやまともに屈むことすら出来ずにハントの足元から追い払われる。

やはりスタンドはサモアの戦士の土俵だった。互いに飛び込んではパンチをまとめるが、ハントばかりが一方的に当てているのだ。相打ちになっても、クリーンヒットしているのはハントのほうだ。ハントは優れたフットワークを使い、岩のような肩で顎を守ってスウェーの体勢のまま大きく後ろに下がっていくと、ネルソンのパンチは空を切り、当たってもクリーンヒットには至らない。対するネルソンはハントの前進に亀になって下を向いて凌ぐが、見てからパンチを叩き込むハントにはただの的だ。この後に強烈な左フック、続けて追撃に打ちおろしの右フックも貰ったネルソンは、鼻血を拭って口を大きく開けながら苦笑いをした。こいつはまったくどうしたもんかね、今にもそんな彼の声が聞こえてくるかのようだった。

打撃で打ち負け、タックルもいなされ。何度も見た展開を再び繰り返すと、鼻を気にしながらネルソンは渋々打ち合いの距離に戻っていく。だがビッグ・カントリーの体はサモアンの拳にすっかりおびえていたように見えた。近づいてパンチを放とうとするも、サモアンが殴ろうと腕を振り上げただけでネルソンはガードを上げて後ろに下がり、被弾を過剰に恐れていたからだ。これで戦士は自分の優位を確信したのだろう。逆に自分から前に出ると、被弾を恐れて顔を下げながら力ないフックを打ってきたネルソンにカウンターの右アッパーを、ネルソンのパンチの内側から小さく打ち抜いた。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20:  Mark Hunt looks on after his finishing blow on Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

自慢のショック・アブソーバーは機能せず、大陸はそのまま金網の中に轟沈した。沈む大陸を見て追撃の必要なしと判断した誇り高き戦士は、勝利を誇示して両手を上げ、これ以上の追撃は許さんとばかりに猛突進してきたレフェリーに吹き飛ばされてネルソンの上に乗りあげた。

世界最強デブの称号を「スーパー・サモアン」マーク・ハントが手に入れた瞬間だった。

サモアン最大の武器は才能に依存しすぎない、システムへの優れた順応力

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Mark Hunt throws a punchat Roy Nelson  in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

サモアの戦士の武器がパンチであることは間違いない。それは大前提だ。だがこの男が最も優れているのはパンチではなく、そのゲームのルール内で、自分の得意な武器が最大のパフォーマンスを発揮するには何が必要かを把握し、それをすぐに習得出来る点なのだと私は思う。

パンチが強い、グラウンドはそこまででもない、だからタックルを切り、足を使い、可能な限りスタンドを維持し、そしてKOを狙っていく。文章にすればこれほど薄っぺらく見える作戦はないだろう。だがこのシンプルさこそが重要なのだと私は思う。複雑な方針は実行不可能になり挫折を産むからだ。

問題があったとして、100%の解決を目指す必要はない。あくまでも50%以上の解決が出来ればそれで十分だ。何しろ彼の両腕にぶら下がる、ジュネーブ条約違反の超重火器が不足分をすべて補ってくれるのだから。

私は試合前にネルソンがTDを狙い、サブミッションを仕掛けるのだろうと思っていた。単純なパンチのみでは勝てないからだ。ロイ・ネルソンの駆使するトリッキーなパンチはMMAだからこそ当たるのであって、ただの立ち技のみでは到底本職のハントには及ばない。だがもしネルソンがTDを狙えばハントは転がされ、グラウンドから抜け出せないかもしれない、私はそう考えていた。

しかしサモアンはその予想をあっさりと裏切った。TDされたのは一度のみ、しかもグラウンドで柔術黒帯を持つネルソンを振り落して一切のダメージなく抜け出してしまったのだ。わずか3年前に泥仕合を繰り広げ、ガス欠で金網の中をほっつき歩いていたのと同じ選手とは信じられないものがある。

正確に努力をするのは難しい。今何が必要で、そのために何をすればいいのか。どちらか片方が間違えば、目標から大きく遠ざかることになる。多くの人間は大抵どちらかを間違えるように思う。マーク・ハントが洗練されているのは恐らくこの部分なのだ。彼は一切の無駄なく必要な技術を整え、一試合ごとに飛躍的に向上しているように思う。

そしてスタンドはやはり素晴らしかった。殴り屋のネルソンと比べても正確性とハンドスピードに大きな差があったように思う。これは基礎技術の差というべきだろう。ハントは特にトリッキーなことをするわけではない。コンパクトで単純な打撃の一つ一つが、全て尋常ではないレベルの破壊力を秘めているだけなのだ。特に化け物じみた体幹の強さを担保にしたコンビネーション・ブローの速さが凄まじい。かなりの強打をコンパクトに連打してもバランスを崩すことが無いのだ。あのスピードはキャタピラのような安定した下半身と、鉄の支柱をぶち込んだような胴体によって支えられている。この安定感こそ、サモアの戦士が神から与えられた最高の贈り物だろう。

王座戦の可能性は?スーパー・サモアン注目の次戦

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: Mark Hunt walks away after knocking out Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

40歳にして今もなお進化を続けるサモアの戦士を見て、引退の二文字が脳裏をよぎることはない。彼はUFC参戦時よりも、40歳を迎えた今の方が強いと自信を持って言える。技術を身に着け、ルールに順応し、フィジカルも維持できている。一撃の威力も衰えを見せない。

戦績を考えれば、マーク・ハントには王座に挑戦する資格は十分にあるように思う。現王者とファブリシオ・ヴェウドゥム、どちらにとっても厄介な相手なのは間違いないだろう。スキル・セットを見ればハントが圧倒的に不利だが、何しろ一発貰えばあっさり逆転される可能性があるのだ。

常識という檻に閉じ込められた愚かな大衆を嘲笑うように、神に愛されたサモアの戦士はこともなげに王座への道を歩いていく。年齢という物差しをどれだけ振り回したとしても、この男を計り切ることなど出来やしないだろう。

ならば我々がすることはただ一つ、つまらない物差しなど放り投げ、ただ彼の大きな背中を見守っていればいい。この男に不可能かどうかなど関係ない。サモアの戦士は己の体が限界を迎えるその時まで、ただ戦い続けるだけなのだから。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20:  Mark Hunt celebrates after his win over Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

万策尽きたり!ビッグ・カントリー、一切の奇策通じず

狙いが悪かったとは思わない。二人のカワイイデブを比較したときに、ネルソンが勝っているのはグラウンドだからだ。そして今もなお、ハントのグラップリング技術は他の選手に比べて劣っているようにも思う。だから作戦はこれしかなかったと言えるだろう。だがネルソンを食い止める程度の能力がハントにはあった。そして何よりも、ネルソン自身がこの作戦を遂行するにはあまりにもお粗末なフィジカル、スタミナ、技術だったことが問題だったように思う。

何しろきちんとシェイプをせず、己の人を巧く殴る能力に依存して勝ち星を稼いできた男だ。彼の戦いは如何に楽をして勝つか、という点に集約されている。その最たるものがオーバーハンドだ。自分よりも遥かにでかい相手を倒す事に特化したこの男は、あえてシェイプをせずにヘビーに留まっているという見方もできるように思う。体格差が幅を利かせるUFCで、この男は体格差を逆手にとって勝ってきた、という印象が私には強くある。

しかしそれも同体格の選手には通用しなかった。加えて相手は立ち技の専門家だ。得意のオーバーハンドは素早いバックステップとスウェーで中々当たらなかったし、繰り返したタックルのフェイントも効かずに終わった。

ではそれを抜きにした殴り合いはどうかといえば、ネルソンもそれなりに良かったとはいえ、やはりハントと比べると明らかに見劣りした。一番の違いはディフェンスの差だ。ハントはそこまでガードに頼ってはいないのだ。特にフットワークが素晴らしかった。接近戦でも相手から目をそらすことなく、よく見てガードとボディワークを駆使してクリーンヒットを防いでいった。対するネルソンは相手が前に出る気配を感じると亀ガードを選択し、下を向いてこれからくる衝撃に耐える準備をすることが多かった。おそらくこれがネルソンがKOされなかった秘訣だ。衝撃が来ることを覚悟し、ガードを固めて顎を下げ、そのダメージを「我慢する」ことで凌いでいるのだ。

だがハントはそれを見抜いた。足で下がり切れない時にネルソンはこのガードに閉じこもったが、彼はその隙間を見つけながらコンパクトに手数を叩き込んでいった。最後にKOされた時も、恐らくネルソンはフックを覚悟していたに違いない。だがハントがその裏をつき、フックとアッパーの中間のような打撃で正確に顎先を打ち抜いたから効いたのだ。これまでハントと対戦した選手の多くがハードヒットを受けてこのガードに逃げていたが、ハントを相手にハイガードで凌ごうとするのは自分から進んでサンドバッグになるのと同義だ。被弾を恐れないハントは常に相手を見据え、殴れる場所を簡単に探し出してしまうからだ。

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20:  Mark Hunt loads up to throw a punch on Roy Nelson in their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

ネルソンはこの試合で勝ちたいならば、もっとタックルとグラウンドのトレーニングをし、邪魔な腹をスリムにしてくるべきだったように思う。実際2Rの冒頭ではシングルで倒せたし、あくまでハントはタックルを切る動作を最低限覚えていただけだからだ。パンチのプレッシャーとセットで機能しているにすぎない。

これも結局今までと同じことだ。ポテンシャルはありながら自分の怠慢で勝ちを逃した。特にグラウンドでの消耗が尋常ではなく、攻めていたはずのネルソンがここで一気に失速した。もちろん1Rのミドルも効いていたのだろうが、それにしても燃費が悪すぎる。グラウンドで勝負したかったのであれば相応のスタミナをつけてくるべきだったろう。この試合のネルソンは最近でも特にシェイプが悪く、腹が出過ぎてトランクスの前部分に垂れ下がるほどだった。彼は強さよりもカワイさに比重を置いたのかもしれない。あの真ん丸の腹は「どうやったらそんな太り方できるの?」と思うほどに漫画のような膨れ方だったが、本気で勝ちたかったならば可愛さを捨てるべきだっただろう。

だがこの男のメンタルは相変わらず素晴らしかった。勝負ごとに強いというか、鉄火場を楽しめるヤバい人種であることは間違いない。不利になった時に見せた笑みに、「ビッグ・カントリー」という男の強さを見た気がする。舌なめずりをしながら、目の前の強敵をどうやって騙してやろうかと考える彼の目はトリック・スターの輝きを放っていた。私は彼のこういったクソデブな感じが大好きだ。確かにフィジカルは劣るものがあるが、それを知恵で補う戦い方には強い魅力を感じている。正攻法で勝てるに越したことはないが、基本はどれだけ楽に、安定して勝てるかを模索するべきだ。その上で、自分の勝利が遠のいたと感じた瞬間に何もかもをベットして勝負できる、これが闘いには重要な理念だろう。このデブはメンタルだけならばPFPにかなり近いと思っている。

途中何度か当てたいい打撃で、これまでの選手ならばKOできたのだろう。だが相手は自分以上に打たれ強いことを想定するべきだった。あと少しネルソンがタックルが巧ければ、展開はまた違っていたと私は思っている。才能に依存しすぎたデブと、才能に依存しすぎなかったデブ、その差は結果にはっきり表れることになった。かくして世界最強のデブの座は「スーパー・サモアン」が手に入れた。可愛さとカッコよさでもハントが勝っていただろう。ネルソンの腹は悪くないが、今回ほどに弛んでしまうと可愛さよりも不気味さが先に来てしまう。今はキモカワイイ系ダンスを売りに、ベン・ロズウェルが猛追してきている。「ビッグ・カントリー」も太鼓腹の丸みとハリにさらに磨きを掛けなければいけないだろう。

優秀なるゲート・キーパーは今後もこの職に甘んじるのか

ハントの年齢ばかりに目がいきがちだが、ロイ・ネルソンもすでに38歳という高齢だ。デイナ・ホワイトが度々苦言を呈したように、いつまでたってもフィジカルを練り上げない態度には理解できないものがある。高齢になればなるほど、栄養管理とフィジカル・コンディションの維持向上の必要性が比例して増していくからだ。体格差を逆手に取った一撃も、一定以上の打撃スキルを持つ相手には通用しないこともはっきりとしている。むしろそのために、彼は優秀すぎるゲート・キーパーとなってしまっている。ネルソンのオーバーハンドを慌てずに捌ければ上位ランカーとなる資格が与えられる。本人はタイトル戦を寄越せと嘯くが、とても勝算があると思っているようには見えない。

フレームを考えた時に、やはり彼のいるべき階級はライトヘビーかミドルだろう。完璧に絞り切れるのならばミドルがベストなように思うが、年齢を考えれば現実的ではない。以前見たいと言う人が多ければ痩せてライトヘビーに行くなどとほざいたが、結局それもうやむやになってしまった。

どのみちタイトル戦は厳しいだろう。ならば私は一度でいいから絞り込んだ、適正階級のロイ・ネルソンというものを見てみたいのだ。彼に残された時間は多くはない。だからこそ、この敗戦を機に可愛さを放棄し、太鼓腹をそぎ落としてカットの浮き出た「ビッグカントリー・スリム」になってはくれないかと願っている。適正階級を見出したとたんに成績が急激に向上する選手は数多い。もちろんライトヘビーでは逆にスピードが活きずに成績が落ちる可能性があるとはいえ、このままヘビーでオーバーハンドを当てるだけの簡単なお仕事をするよりは遥かに価値があるように思う。

ビッグ・カントリーはとうとうKO負けを喫した。自慢の髭も役に立たず、打たれ強さにも衰えが見え始めたのかもしれないと思う。彼の腹には引退の文字が浮かび上がりつつある。だが試合の内容を見れば、彼にはまだ十分戦えるだけの力はある。何よりもそういった衰えをカバーしきるだけの知恵と胆力をこの曲者は腹の中に大量に抱え込んでいる。

選手がその才能をすべて発揮しきれずに去っていくのは最も見るのが辛いものだ。だからこそ、ビッグ・カントリーにはここで一度、意を決して田中角栄ばりの国土大改造を行い、起伏の激しい土地をまっさらにして欲しいと思っている。

金網の中で先進国となった「ビッグ・カントリー」が見られる日は果たしてくるのだろうか?

SAITAMA, JAPAN - SEPTEMBER 20: (L to R) Mark Hunt and Roy Nelson touch gloves before their heavyweight bout during the UFC Fight Night event inside the Saitama Arena on September 20, 2014 in Saitama, Japan. (Photo by Mitch Viquez/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

24 件のコメント:

  1. 14年も経てば人間それぞれ年を取って、
    それぞれ色々な経験をして変わっていきますが(青春を謳歌していた私もすっかりオッサンです涙)、
    自分が十代の頃にK-1で応援していた選手が今も格闘家現役でUFCのトップ戦線にいるとか、ほんと凄いですし励みになります。
    私はずっとハントが好きで応援してますが、一人の選手を長い間見続けていると自分の人生とも重なって感慨深いものがありますね。

    >だが戦士は戦い続けた。誰が強制したわけでも無い。

    格闘家がキャリアを続けることに対してその家族はネガティブな意見を持つことが多い中、
    ハントの嫁はなるべく早期に引退したがるハントを許してくれないっぽいので、
    鬼嫁(真偽不明)の影響はそれなりにあるのかもしれません(笑

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    1. 自分もすっかりオッサンですよw

      今年入ってからの6試合契約は家族に説得されてのことみたいですね。ハントもさすがにちょっと40代になってしんどくなってきたのかもしれません。それでも試合契約自体はするつもりだったんですから恐ろしい話ですがw

      40歳のハントに引退を許さない嫁というのも恐ろしいですねw強さの秘訣は嫁のプレッシャーかもしれません。

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  2.  待ってました!期待以上の大会でいまだに興奮の余韻が残ってますw
    努力した天才とそれを怠った天才。まさにそのとおりだと思います。ネルソンには初KOを喫した日本の天才と一緒に適正階級に挑戦してほしいですね。
     ハントだってマヌーフにKOされてからここまで上り詰めたわけですから。
    そういえばロズウェルはハントとヴェラスケスにKOされないという隠れ浮沈艦ですね。お陰でヴェラスケスは決定力が無いなんて今からすれば信じられない定説が飛び交っていましたw

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    1. 大会前はカード変更やらで批判されてましたが、蓋を開けてみればこれがベストだったと思えるようないい大会でしたね!試合内容も色んな展開が見られて飽きませんでした。

      ハントは負けてもちゃんと持ち直せるのが凄いですよね。一度はもう無理だろうと言うくらいまで調子悪かったのにここまで来たんですから、本当にわからないものです。

      ネルソン痩せるんですかね・・・。五味さんと一緒にドルチェのところに送り込んでみたいですw

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  3. ここまで来たらもうチャンピオンになってほしいですね
    アウトボクシングをしてくるサントスよりも前に出てくるケインの方がもしかするとハントには勝機のある気もします。テイクダウンされてフルボッコにされる可能性も高いですが、ケインは前に出てくる分、意外と被弾もしますし

    それにしても相変わらずヘビーは豪快で大味ですね
    アリスターとかシウバの負けっぷりを見るとPRIDE時代からヘビー級だけあまり進化してない気もします(トップを除いて)

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    1. チャンピオンは難しそうですが、引退前に一回くらいはタイトル挑戦させてもいいと思います。試合自体はヴェラスケス、ファブリシオどちらとも見てみたいです。まあさすがにヴェラスケスのタックルとトップキープはネルソンなんかとは比較にならないレベルですので、普通にやったら速攻で転がされて終わる様な気がしますw

      ただでさえパンチが重い上にOFGですからねw当たればすぐに転んじゃうのでヘビー級の大味は仕方ないところです。サントスヴェラスケスみたいな超一流同士だと、互いにディフェンスやらも優れているので細かい攻防なんかも面白いんですが。

      ランキング5位以下はなんか一発ぶち当てたらおしまいみたいなのばっかりですね。この間のゴリバといいアリスターといいw

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  4. タックルとケージレスリングの対策ができれば、ヴェラスケス越えできそうですね。

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    1. 理屈的にはそうなんですが、その対策を身に着けるのはいくらハントでもまず不可能なような気がしますねw上位二人はもう別次元に突入してるので

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  5. 待ってました!大会後、エディさんの更新を今か今かと楽しみに、何度も更新ボタンを押しておりました(笑)

    ネルソンが勝つには、「寝技か、寝技でプレッシャーをかけた上でのオーバーハンドしかないだろう」思っていました。しかし、ハントのTDディフェンスが想像以上に向上していて、歯が立っていませんでしたね。

    「こかされても、立ち上がって、殴る」このシンプルな戦略で、ヴェラスケスやファブリシオにどこまで通用するか見届けたくなります。(相性は悪そうですが)

    ハントは次戦にジョシュを希望していて、ジョシュも乗り気のようですね。
    今のハントなら、ジョシュのタックルにも対処できるのでは?と期待しています。ジョシュが駆使する被弾覚悟の密着攻撃にどう対応できるかが見どころですね。

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    1. 期待していただいてありがとうございます!最近は更新が追いつかなくて書けてない試合も多かったので、今回はかなり急いで仕上げました。その甲斐があったようで何よりですw

      ネルソンは試合巧者なので転がすと自分も思ってたんですが、ハントがかなりがっちりとタックル止めててびっくりしました。ほんと想像以上です。

      さすがに寝業師とレスラーは相性悪いですね。特にヴェラスケスのタックルは止められないと思います。ファブはタックルはそんなに巧くないですし、SFでアリスター相手に全然TDできないで泥仕合してたので、ファブのほうが相性はいいような気がしますね。ファブ相手ならハントは結構勝ち目あると私は思ってます。

      ジョシュ戦は悪くはないですね。ジョシュは相変わらず打撃のディフェンスがいまいちのままなので、いつもみたいに下を向いてガード上げて密着狙いだとハントにタコ殴りにされるような気もするんですよね。ハントはあれで足が使えるので、逃げながら細かいフックやらアッパーで削ればKOできるような気がします。

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  6. 日本大会盛り上がりましたね!カード云々は色々言われていましたし、自分もうーん・・・となったりもしましたが、始まってしまえばさすが天下のUFC。今回もオープニングファイトからメインまで楽しかったですw

    ハントやってくれましたね~。ブンブンと風を切る音が聞こえて来そうなフルスイング祭で、ハントが倒れるんじゃないかと冷や冷やして指の間から見ていましたが、最後は例の”背向け”でスタンディングオベーションでした。
    ここまで来たら何かの手違いでも良いので気付いたらベルトを巻いていた、というよな結末が見たいですねww(シリアスな感じよりもトントン拍子で巻いちゃう方が似合いそう)

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    1. 盛り上がったみたいですね。ほんと会場行きたかったですw私はUFCの演出というか、試合のテンポが結構好きなんですよね、さらっとしてるというか。

      指の間からとはまたwでも気持ちはわかります。応援してる選手が一発のあるやつと試合すると怖くて見てられないんですよね。私も一時停止ボタンを押してしまう時があります。

      すでにここまで勝ち上がってきたのが手違いなんじゃないかというレベルですからね。戦績表を見ると、その成績の良さに度肝を抜かれます。日本にいたころと真逆なのがまた味わい深いですね。

      ハントなら、絶対無理と言われたタイトル戦で一発当てて王者になっちゃいましたっていうのが普通にありそうなのが恐ろしいですwその光景が容易に目に浮かびます。



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  7. ミンテア2014/09/25 13:41

    大会の締めにふさわしいKOでしたね!ネルソンはJDSでも倒しきれなかったので判定いくかとおもってましたが。

    ここまで来たら王座挑戦して欲しいです。ブラウンかJDSとやるのが一番早いと思うんですがやっぱジョシュですかね。お互い乗り気ですし(さすがに11月はジョシュも嫌そうですがw)
    ハントがいくら超人でも年齢による衰えは多少あると思うので次の試合に勝ったら挑戦させて欲しいところです。現状、次期挑戦者に一番ふさわしいと思います。

    現メタモリス王者のキャッチレスラーと元K-1王者のストライカー対決は色々な意味で見どころ満載ですな!!

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    1. まさかネルソンKOするとは思いませんでしたね!

      シガーノはもう見たので、ブラウンの方が個人的には見たいですね。ブラウン相手ならハントは結構勝ち目あります。

      こないだの契約更新で微妙に試合数減らしてたみたいですし、多少なりとも衰えはありそうですね。キャリアも長いですし怪我も多いので、さすがにちょっとしんどいだろうとは思います。なので来年中に一度くらいは挑戦させてあげてほしいところです。ハントは今が旬ですw

      ジョシュさんメタモリス強かったですねwでも打撃のディフェンスが悪いんで、不用意に近づいたところでハントにKOされそうな気がしてますw

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  8. ついに天下一デ武道会の覇者が決定しましたね!噛み合うかどうかだけが心配だったんですけど、気持ちいい試合が見れてよかったです。

    いつも思うんですが、ハントのカワイイ体型からは想像出来ないハンドスピードでのコンビネーションには本当に驚きます。こういうギャップ萌えもハント人気の要因の一つなんでしょうねw

    私はネルソン大好きなのでテイクダウン成功した時はテンション上がったんですけど、周りはそうでもなかったので盛り上がり損ねましたw
    ネルソンは劣勢でもオーバーハンドを当てるのが上手いので期待しちゃいますよね!
    そしてハントにそれが効かなかった時の絶望感w

    でもUFCのレフェリーって結構凄い勢いで突進して選手を吹っ飛ばしてますけど、あのくらいの勢いで止めてくれると観てるほうも安心しますね!乗っかられたネルソンはかわいそうだったけどもw

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    1. 二人とも警戒しすぎて塩展開もありそうでしたが、追い詰められたネルソンが勝負をかけてきたおかげでがっちりスイングしましたね。いい試合でした。

      あの愛らしい見た目で、速すぎてよく見えないコンビネーションとか打ちますからねw体型だけ見たら練習してんのかよと思ってしまいますが、あれで強いんですから骨格的なものなのかもしれませんwコーミエさんも太ってるように見えますけど、太っていると言うよりは全体的に膨らんでる感じです。アレ系の体型は皆スポーツできる印象です。

      ネルソンファンは日本少ない感じしますね。というかハントとネルソンならハントを応援する人が多かったのでしょうw私は結構ネルソン好きなので、実は今回はネルソンを応援してました。TDしたときは極めると思ったんですけどね・・・wオーバーハンドはクリーンヒットをハントが許さなかったように思います。

      最初はハントがわざとネルソンを踏んだのかと思って、追撃しなかったのにそれはやるんかと首をかしげてたんですが、後から見直したらあれレフェリーが弾丸タックル極めて吹っ飛ばしてるんですよねw量てあげてるハントに追撃の意志は明らかになかったんですが保険だったんでしょうか。危うくハントの風評被害を記事に書くところでした。





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  9. 仰る通りなるべく努力してきた者となるべく楽しようとしてきた者の差が出た試合になりましたね

    しかしハントは本当カッコイイです
    追撃しないのも普通は手応えがあったとしても興奮状態でパウンドにいってしまいますよね
    心臓に毛が生えてるとしか
    あの度胸があるから自分が受けたら首から上がなくなってしまいそうなパンチに対しても目を逸らさない事が可能なんでしょうね
    しかも年齢もさることながら身長も180ないんですよね
    本当に怪人です

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    1. クソデブはほんといつになったらダイエットするんでしょうか。そろそろ真面目に体を作ってほしいですね。

      肝は据わってるどころか、もう大の字になって寝っ転がっちゃってます。反撃が怖くて過剰に攻撃する選手も多い中で、倒し切ったのを確信して両手を上げて勝ちを誇るというのは冷静じゃなければできないことです。ハントは劣勢でもあまり慌ててるのを見た記憶がないですし、あれだけ勇気があれば体が力まないので、疲れてもKOパワーは維持できるのだと思います。

      はっきりいって化け物の類です。人外ですよねw

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  10.  すいません!ロズウェルはヴェラスケスにKOされてますね、されなかったのはコンゴでした。コンゴはハントにKOされてますが。
     お詫びに小ネタを。ロズウェルはキャリア初期にカーロスバヘットのハイキックでのされると言うレアな負けを喫していますが当時のロズウェルはロン毛でどこぞのギタリストみたいな風貌でした。ボディは当時からナチュラル腹でしたがw

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    1. あの辺の記憶がごっちゃになるのはよくあることですw正直私もよく間違いますし、読んでてまったく気づきませんでしたので大丈夫です。

      ロズウェルにロンゲの時期が?またまた御冗談を。そんなん可愛さがなくなって不気味なだけじゃないですか。え、ほんとにそんな時期があったんですか・・・?

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  11. こんにちは、先日の試合見たさにWOWOWを契約しました。五味選手が、あんなにあっさり破れてしまうなんて、厳しいですね。その翌週には、水垣選手までも・・・

    ハント戦は、K-1ファンだった身として、期待していましたが、まだまだトップ戦線で戦えるだけの力を持っているように見えますし、これからも熱い試合を届けてくれそうです。ハントは余り練習をしそうにない勝手なイメージを持っているのですが、並大抵のトレーニングではないのでしょうね。

    ハントとヴェラスケスの試合、見てみたいですが、ハントと激闘を繰り広げたA・シウバをヴェラスケスはあっさりと退けてるんですよね。総合という枠では力の差は大きいのでしょうが、スタンド勝負なら、ワン・パンチで、もしやの展開もあるかもしれないと期待してしまいます。

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    1. MMAですから スタンドでも厳しいでしょう ハントはすでにMMAファイターですから「総合の枠」とか意味分かりません。
      いまだにハントが純粋なキックボクサーとでも?

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    2. ジジーさん、返信遅れてすいませんでした。

      ハントはああ見えて基礎にとても忠実な人らしいです。何もせずに強いというのは絶対にないと思います。体型見るとほんとに練習してるのかと思っちゃいますけどねw

      とりあえずハントはスタンドは本職ですので、タックルをちらつかされた中でもある程度当てることはできそうな感じですが、ヴェラスケスのパンチ出しながらの突進はすさまじいですからね。打ち返そうとした瞬間に転がってる可能性が高い気もします。それも含めてどこまでやれるか見てみたいですね!

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    3. まあささいな言葉遣いにそう噛み付かれては、私のブログなどとうに噛み傷だらけで目も当てられなくなってしまいますw総合の枠というか総合ですので、総合の打撃においてヴェラスケスにどこまで対抗できるか、打撃のプロフェッショナルだった技術でどこまで戦えるかという意味だと思います。

      厳しいとは思いますが、それも含めて実際にやってみて欲しいところです。

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