画像はUFCファイトナイト マカオ:大会フォトギャラリー | UFC ® - Mediaより
UFNマカオ大会
バンタム級5分3R
WIN 佐々木佑太 vs ローランド・デローム
(1R リアネイキッド・チョーク)
看板に偽りなし!「寝技天狗」が世界に魅せつけた美技
何故極まったのか私にはさっぱりわからなかった。クリンチで横に付いたと思った瞬間に彼はバックを取っていたし、なぜバックが取れたのかと考えている内にデロームがタップをしていたからだ。見ているこちらがこれでは、デロームに至っては何をされているのかさえわからないままにタップをしていたかもしれない。
「ウルカ」、サンスクリット語で天狗の異名を持つ、若干24歳の青年は金網に流星のごとく登場し、妖術と見紛うばかりの美技で最高のUFC初勝利を成し遂げた。風貌、表情、所作、体躯、そして技術。彼からは大輪の「華」を咲かせることのできる才能を感じる。漲る闘争心と客を巻き込む熱量は、「ザ・ファイアーボール・キッド」五味隆典を彷彿とさせる。彼は憧れの選手から、しっかりとその熱い魂を受け継いでいるようだ。
まず驚いたのがその体格だ。バンタム級で177センチという長身はそれだけでかなりのアドバンテージになる。長身で階級が下だと減量苦やスタミナ不足に陥りがちだが、均整の取れた肉体にははち切れんばかりの隆起した筋肉がつき、肌つやもよく調整ミスもなさそうだ。体のキレもよくスピードがあり、日本人がパワー負けしがちな外国人選手を相手に序盤で一気にねじ伏せて決めてしまったことからも、技術だけでなく力強さも十分なことを証明している。このフィジカルを見ただけで、王座への期待度が跳ね上がってしまう。
少ない攻防だったとはいえ、打撃も悪くなさそうだ。長身を活かしての遠目からの左ストレートはよく伸び、デロームを確実に捉えていた。長いコンパスから繰り出される蹴りも速くて重さがあり、ハイキックはガードされたものの、その迫力に会場からはどよめきが巻き起こったほどだ。相手をよく見ており、動きを察知して素早く下がるところからもフットワークもかなり良さそうに感じた。
何よりも素晴らしかったのが、「いっちょぶちかましてやるぜ!」というアグレッシブな態度だ。24歳らしい溌剌とした若さと勢いがある。そして一方で冷静さも持っている。本当に五味隆典によく似ていると思う。憧れの人がなぜ強かったのか、なぜ魅力的だったのかをこの若き天狗はよく理解している。理解しただけでなく、己の糧として消化し、しっかりと身に着けているのが恐ろしい。自分が24歳の頃の頭の悪さを思い返すにも、大したものだと感心してしまうばかりだ。
大舞台でのデビュー戦、その最初の数秒というのは相当に恐ろしいはずだ。一番プレッシャーがのしかかる瞬間だろう。私ならばあれこれと考え、恐る恐る前に出て様子を見るのが関の山だ。だが天狗は私のような凡人とは違う。一陣のつむじ風と共に突進し、空高く舞い上がっていきなりフライング・ニーをぶちかましたのだ!その本気で倒す覚悟のあった突進に会場は吃驚し、そしてその一瞬間で会場は「Ulka」という男は何者なのだ?と一気に好奇心を抱いたように思う。何も語らずとも、一挙手一投足がその男の全てを見てるものに伝えてしまう、それこそが「華」を咲かすのに必要な才能だ。これはもはや得ようと思って得られるものではないだろう。これが出来る度胸、そして僅かな動きで人を惹きつけてしまうその魅力に、この男から大器となる可能性を感じている。
だが悪い点もあった。最悪だったと言ってもいい。何が悪かったかといえば、天狗の鮮やかすぎる妖術のせいで試合時間が短すぎたことだ。これほどの才能と華を持った日本人選手の試合が、たったの66秒で終わってしまったのだ。物足りないどころの騒ぎではない。このままあともう一試合してくれないものかと本気で思ったほどだ。分析記事を書こうにも情報が足りなすぎる。彼は恐らくダメージなどほぼないはずだ。即刻次のオファーを受けてほしいと思う。彼がズッファに「もっと強い奴をよこせ」と催促し、可能な限り早く試合を組んでもらわなければ、私の中毒症状が悪化し震えが止まらなくなってしまうだろう。人助けと思って、彼には早く次戦を組んでほしいと思っている。
天狗の舞う「格闘歌舞伎」、その花道の先に待つ物は
どこか異国情緒を感じさせる独特の顔貌にふてぶてしい表情を浮かべ、金網に昇って大見得を切る様はもはや「格闘歌舞伎」だった。「ウルカ」佐々木佑太、静岡の地が産んだ若き寝技天狗の前には、王座に続く燦然たる花道が待っている。24歳という若さだ。彼にはまだ有り余るほどの可能性と時間がある。堀口恭司、田中路教、そして佐々木佑太と、この世代には才能と魅力を持った選手が続々と登場している。彼らは日本人レジェンドの背中を追いかけてこの世界に入ってきた者達ばかりだ。日本の格闘技界は低迷していると言われて久しく、現在のレジェンドの姿を見て何かと腐す連中も多い。だが彼らの戦いは決して無駄ではなかった。彼らの流した血と汗で作り上げられた道を、才能ある次の世代がしっかりと追いかけて来ていたのだ。彼らは先達の魂を受け継ぎ、それを昇華して次のステージに足を踏み入れようとしている。
王座到達を期待させる日本人選手がまた一人登場した。次の格闘技ブームは若き彼らの拳が創り上げてくれる、私はそう信じている。もちろんまだ初戦で対戦相手がそこまで強くなかったのはあるだろう。これからランカーと対戦していく中でも同じパフォーマンスが出来るのであれば、その実力は本物であることが証明されるだろう。この一試合だけではまだ判断材料が少ないために、あまり持ち上げすぎるのは良くないかもしれない。だが嫌でも期待させられるだけの華やかさがあったと思う。これからの展開が非常に楽しみになる一戦だった。
余談だが、佐々木選手と私はまったく同じ出身地だ。そのこともあるので、これからは熱烈に彼を応援していきたいと思っている。
ウェルター級5分3R
WIN タイロン・ウッドリー vs ドンヒョン・キム
(1R 右フックド→パウンドによるTKO)
事故?必然?スタンガン、上滑りした攻める姿勢
攻撃的であることは難しい。攻めすぎれば隙が出来るし、守りに入りすぎればジリ貧になる。常に攻めつつも油断しない、そういうメンタルが理想だろう。
「スタンガン」キムは攻めることの大事さを学び、リリースを避けるため、良い試合をするために積極的に攻めるようになった。ここ数試合はそれらが良い方向に働き、彼の人気はうなぎ登りに高まっていった。その事が、彼に油断を招いたのかもしれない。開始わずか1分、勇敢過ぎた韓国人は死角から急所に拳を受けて体の自由を失い、鉄拳の雨の中に沈んでいった。
開始と同時にどんどんと距離を詰めたキムだったが、それは勇敢というよりも不用意に見えた。ウッドリーは素早く反応してフックを叩き込み、クリンチに持ち込んで様子を窺う。キムは掌底でウッドリーの側頭部を細かく叩いて反撃していく。パワーではウッドリーが大分勝るように見えた。長身で腰の強いキムが、体を入れ替えることが出来ないままに時間が経過していく。
まだ余力があると判断したウッドリーはクリンチを解いて距離を取る。その刹那だった。解放されたキムは息を整える間もおかずにさっと近寄ると、その勢いを利用してかなり遠い間合いからバックスピン・エルボーの体勢に入った。この技は以前にKOを奪った実績のある、キムの代名詞ともなった技だ。だが距離が遠すぎたのか、踏み込みから打撃が来ると判断したウッドリーはすぐさま迎撃のロング・フックを放つとこれが側頭部から後頭部の間くらいに直撃した。ほぼ真後ろからの頭部への一撃は、タフネスを誇る韓国人のキムにもさすがに効いたようだ。キムは回転し、その肘はウッドリーの額を掠めながら倒れていった。すかさずウッドリーが腰をかがめて暴力的なフックを横から殴りつけていくと、辛うじて意識があったように見えたキムの目が一瞬で飛んでしまった。わずか1分、あまりにもあっけない幕切れだった。
ウッドリーはエルボーが来ると予見していたようには見えない。だが打撃、それもパンチ系統だろうと判断して放ったように思う。あれがパンチでも同じ結果だったかもしれないが、一発でKOはなかったかもしれない。
キムは少し味を占めて、欲を出してしまったように思う。韓国系の選手は皆思い切りが良く度胸があるが、良かれ悪しかれやりすぎてしまう傾向があるように感じている。以前のキムは勝ちに拘りすぎ、今度は派手でガンガン攻める戦い方に拘りすぎたのかもしれない。勝つために攻めるのであって、攻めること自体が目的化してしまうのは本末転倒だ。当たり方は事故かもしれないが、負けるのはある意味では必然だったのかもしれないと思う。アグレッシブというよりは派手な試合をしようとして迂闊な行動に出たという印象が強い。
ウッドリーは素晴らしい動体視力と空間把握能力だった。あの勢いで詰め寄られたら多少なりとも動揺しそうなものだが、落ち着いて距離を測り、どんぴしゃりで頭部の位置を捉えて拳を叩き込んだ。削り合いで長期戦になったら不利になる可能性もあったので、ウッドリーとしては美味しい展開だったと思う。前回の試合で「アレス」ローリー・マクドナルドの血も凍るような戦略に手も足も出ず、良いところをすべて叩き潰されて完全敗北を喫した彼にとっては、幸先の良い再出発だろう。
キムとしては中々厳しい立場に立たされた。元々打撃もそこまでいいわけではなく、エリック・シウバにも技術では負けていたし、今回組みでもウッドリーにはそこまで優位ではないように見えた。今後どう戦っていくのか、本人もその塩梅がかなり難しいところだろう。攻めすぎず守りすぎず、適度なところを会得することが必要になる。上位陣相手には逆転狙いの奇襲や泥仕合は仕掛けにくく、下手を打てばそこから今回のように負けることが多くなる。王座を狙うには、派手なKOや睡眠薬のようなトップキープではなく、その中間くらいの戦略を安定して実行する必要があるだろう。
余談だが、今回キムが使った金網を背負っての掌底を、次の大会でティム・ボウシュが全く同じように使っていた。あの技はどれくらい有効なのだろうか?人体の構造的に、あの体勢ではパンチよりも威力の出る打撃なのだろうと推測している。この技使ったことあるよという方、この技食らったことあるよという方がいらっしゃいましたら、コメント欄で是非とも教えてくださいませ。KOするほどの打撃はさすがに無理なんでしょうか?
ミドル級 5分5R
WIN マイケル・ビスピン vs カン・リー
(4R タイクリンチからのニー→パウンドによるTKO)
伯爵、コンテンダーの意地を見せたTKO勝利
4R開始時、カン・リーの顔は無残にも腫れあがり、青黒くなった両瞼は彼の視界をほぼ全て覆っていた。伯爵が横暴の限りを尽くしたからだ。もはや試合を止めてもいい状態だった。果たして、視界を失ったリーは伯爵の侵攻を食い止めることが出来ず、最後にはタイクリンチからの膝を食らってマットに転げ落ちた。あまりにも凄惨な幕切れに、マカオの会場は大きくどよめいた。
「ザ・カウント」マイケル・ビスピン、重度の網膜剥離を発症した後復帰したものの、トップコンテンダー集団から後退した印象が拭えずにいたイギリスの悪童は、この日再浮上のきっかけをつかむことに成功した。落ちぶれ貴族と思われていた彼は、カン・リー相手にもまずいのではないかという声がちらほらあったように思う。だがそれらの懸念を払しょくするのに十分なパフォーマンスだった。5位以内は厳しいが、まだ15位以内には十分いられる実力だろうと思う。
この試合の決め手となったのは伯爵の操る「ロングボウ」、キレのある左のジャブだ。リーの打ち終わりを狙って素早く前に重心を移して放った左ジャブがリーの右目を貫くと、この一発でリーの片目は破壊されてしまった。打たれた直後から右目をつぶって頻りに擦りだしたリーは試合を止めてほしかったようだが、レフェリーはサミングではないと判断して試合を続行させる。視界不良で動揺したリーを見るや一気にラッシュを仕掛けたビスピンは得意のキック・ボクシングのコンビネーションを次々と叩き込み、さらに追撃のパンチで左目も破壊、わずか数分でリーの顔のあちこちから大量の血が吹きこぼれ、リーの褐色の胸に滴り落ちた。
ビスピンの打撃は一発でKOを奪うというよりも、ディアズ兄弟と同質の、外側を破壊することに長けた打撃のように思う。脳を揺らすよりも痛めつけて負傷させる質の物だ。拳の当て方や握り方等が優れているのかもしれない。様々な選手の拳を経験してきたミドル級の元トップ・コンテンダー、チェール・ソネンはそのパンチがあまりにもハードなことにかなり面食らったと言う。おそらくソネンも軽い打撃だと見なしていたのだろう。
またこれまでのビスピンに比べ、様々な点で良くなっていたところがあるように思う。まず攻める姿勢が良く見られたことだ。もちろんこれは有利になったからというのが大きいが、この試合では珍しくバックスピン・キック、ブラジリアンキック、さらにフックのコンビネーションなどトリッキーな技も多くだした。回転技はお世辞にも巧いとは言えなかったが、これまでの彼には見られなかったものだ。伯爵もそろそろ革命の必要性を理解したのかもしれない。
パンチは焦ると脇の開いた、ディフェンスの甘い猫フックみたいなものが多くなるし、相変わらず接近戦で突き放す時に顔を手のひらではたくように押してサミングしかかるシーンもあった。だが打撃は全体的に良くなっていたように思う。フットワークも軽く、以前よりも足を使っていた印象だ。元々手数は多かった方だが、この試合では非常にいい削りの打撃だったと思う。
目を患ったこともあってパンチでひやりとするものを何度か貰ってはいたが、致命傷にはならずに済み、目を破壊してからはワンサイド・ゲームとなった。もちろん今回は相手がランク外だったとはいえ、カン・リーが決して知名度だけの噛ませ犬ではないことはこれまでの試合でも明らかだ。若干格差があり、ご当地人気を意識したカードだったのは否めないが、試合自体は面白かっただろう。
現在ランキング8位のマイケル・ビスピンは、これで次は15以内のランカーと対決することになるだろう。貴族は没落したと思われており、人気と知名度があることから様々な選手に美味しい獲物と思われ、試合を挑まれることも多かったように思う。だがこの試合でそう安易に首を狙いに来る者も減るだろう。8位以下には最近浮上してきた選手も多く、見てみたいカードも多い。ティム・ボウシュなどはビスピンよりも下のランクに位置づけられているので、このあたりの選手と対戦して優劣をはっきさせれば面白くなるだろう。
元々マイケル・ビスピンが好きで、彼のキックをベースにした手数の多い削りの打撃が好きな自分には、今回の試合は非常に喜ばしいものだった。久々に彼の打撃の良いところが前面に出た試合だと思う。今後の課題としては打撃の精度向上だろうか。やはりパンチの命中率がどうにも悪いように感じてしまった。もっと蹴りを多くしてもいいかもしれない。かなりひどい網膜剥離になったと言うニュースを見た時には引退するのではと心配だったが、とりあえずは一安心というところだ。
金網の貴族には、これからもまだまだ暴虐の限りを尽くしてほしいと思っている。
UFNタルサ大会
ミドル級 5分3R
WIN ターレス・レイテス vs フランシス・カーモント
(2R パンチによるKO)
レイテスのラッシュに対応できず、カーモント窮地の3連敗
カーモントがハイガードで頭を覆う、その腕の下からレイテスのアッパーがすり抜けた。拳はカーモントの尖った顎を打ち砕き、彼の脳を激しく揺さぶる。さらに追い打ちの左フックを食らった瞬間、何があっても揺らがなそうな、巨木のような佇まいの男ががくりと膝を折り、そのまま眠る様な表情でマットに横倒しに倒れ込んだ。
UFC6連勝でコンテンダー争いに加わった後、今度は転げ落ちるように3連敗を喫したカーモントは窮地に立たされた。挑戦権争いどころではなく、次戦からは生き残りを賭けた戦いになるだろう。
試合内容も良くなかった。特にここ最近は勝っても負けても判定で、試合内容も距離をキープしての削り合いが主体だった。この試合でも戦い方は全く同じで、序盤から距離を取って様子を見ながらコツコツと少ない手数で削るものだったように思う。
比較的大きいという印象があったカーモントだが、レイテスと体格的には全く同じで、リーチのアドバンテージは皆無だったように思う。そのせいでパンチの当たらない距離設定となり、1Rはあまり噛みあわない展開が続いた。レイテスが接近戦を望んで入ってくると足を使って逃げ、当たらないジャブで牽制し、たまに蹴りを放っていった。ローキックはいい当たりが多く、レイテスが2度バランスを崩すシーンが見られたが、それ以外はあまりいいヒットはなかったように思う。
2Rが始まると、接近戦を嫌うカーモントに何かを悟ったのか、1Rと違って距離を外されてもしつこくレイテスがプレッシャーを掛けていく。カーモントは追い出そうと下がりながらパンチを振り回したが雑な動きで、詰めたレイテスのオーバーハンドが直撃すると一気にがたつきだした。金網を背負った状態で、相手をろくに見ないで対応したカーモントに対して、しっかりと動きを見ていたレイテスがガードを抜いてアッパーを放つとカーモントの腰が砕け、試合は決着してしまった。
以前から打撃戦では過剰に距離を取り、膠着気味の削り合いを好んでいたカーモントだが、やはり彼は接近戦でのパンチ交換が苦手だったようだ。リーチ差があれば対応できるのだろうが、同体格の選手に距離を詰められると途端にディフェンスが機能しなくなってしまった。
カーモントはとにかく待ちの展開が多く、ジリジリとしたスタンドでの削り合いで僅差の判定になったことが少なくない。GSPを師に持ちながら、その戦い方は師とは真逆の在り様だ。師匠のように自分から前に出て、タックルと打撃の連携で揺さぶるという戦略が見られないのは理解に苦しむところだ。
蹴りもパンチも決して悪くない。もし削り合いでポイント・アウトをしたいのであれば、もっとコンビネーションを使って手数を出していく、その合間にタックルも絡めて上を取り削っていく。こういった攻め方を積極的にしていけば、今回のようにラッシュを仕掛けられるような展開も減らすことができたはずだ。1Rの攻防で、こいつの打撃は怖くないとレイテスに見切られてしまったのはカーモントのプレッシャーが弱いからだ。ラッシュを掛けられた時にカウンターのタックルが出ない辺りも、GSPの弟子とは思えない瞬間だった。
カーモントは決して悪くないように見えるが、いまいち煮え切らない選手の一人だ。先日のオーヴィンス・サンプル―と非常によく似た印象を受ける。もっと自分から攻めていく、手数を出していくことが必要ではないだろうか。ディフェンスが特に優れているのならばともかく、今回の試合で、同体格の選手相手では近い距離での打撃戦が苦手であることが判明したように思う。
もう次戦からは後が無い。これまでのように様子を見ながら戦うなどといった余裕はもはやないだろう。とにかく全力で、必死に自分から仕掛ける戦い方を模索する必要があると思っている。
対するレイテスは、名前は覚えていたが正直これまであまり印象に残っていなかった選手だ。記憶の中では小柄な印象があったのだが、それはもしかしたらエド・ハーマンのせいかもしれない。これでレイテスは4連勝となり、カーモントを倒したことで上位陣の仲間入りも視野に入ってきた。現在ランキングは12位であり、次戦でランカーを相手に快勝すれば相手次第では王座挑戦に手の届く位置までいけるかもしれない。まだあまり実力を把握し切れていないが、カーモントをKOできるのであれば中々にいい線を行くかもしれない。
ミドル級は最近参戦してきた強豪も多く、王者クリス・ワイドマンも含めてまだ全員の位置づけが完全には把握しきれていない。その分試合に対する興味は非常に強い。今のミドルではランカー同士であれば、誰を組ませても新鮮味のあるカードばかりだと思うので、これからの対戦が一層楽しみになってきたように思う。
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この所更新が多くてとても嬉しいです!ラッシュしすぎてガス欠しないように気を付けて下さいwww
返信削除ウルカにはのりピーや堀口と共に日本のMMAシーンを背負って頑張ってもらいたいです!
ドンヒョンの件は、正直彼が超攻撃型になった時からいつかこうなるだろうと思っていました。彼は「地味なスタイルなのでタイトル戦が回ってこない」と言っていましたがそこまで冷遇されているとは感じませんでしたし、「自分のスタイルは自分で見てもつまらないと思う」といっていましたが自分はその発言に怒りすら感じていました。選手が全力で勝利を目指す姿のどこが退屈なのか!(岡見さん達を切ったUFC幹部にも言っています)
長期戦で支配し続けるのが難しい上位陣に勝つためではなく、組み付くだけですぐにブーイングする理解力のないアホな(←言い過ぎ)客の機嫌を伺うためにスタイル変えたらそりゃ負けますよ!これに反省して勝つために必要なドンヒョンにとって最適なスタイルを見つけて欲しいです。
ウッドリーはコンディット、ロリマク、ドンヒョンと私の好きな選手とばかりやっているので自分のなかで負けて欲しい敵キャラとして定着しつつありますwごめんねウッドリーww
カンリ―はバキバキ具合に感心しました。あの歳であれだけ肉体改造できるなんてすごいなー・・・いや別に勘ぐってるわけじゃ・・・まさかお薬な訳・・・
こんだけ更新しとけば当分いいかと思ってたんですが、もうすぐジャカレイvsムサシがあるんですよね。これは休めそうにありません。
削除ドンヒョンは勝ててた試合も決して圧勝ではなく、被弾も多くて危ういところは多かった記憶があります。ただ塩漬けもあれはあれで問題だったので、なんとかちょうどいいところを掴んでほしいですねwただミンテアさんのおっしゃる通り、間違いなく勝ちではない別の物を優先した結果だと思います。やっぱり勝ってなんぼですよ!
ウッドリーが嫌いな気持ちは結構わかりますw次の対戦相手にブラウンを指名してるあたりも抜け目ないなと感じます。噛みあわないと妙な脆さを見せるのがいまいちノレない理由かもしれません。
カン・リーは顔と体が別人みたいで、悪質なコラージュみたいでしたねw顔見て、体見てぎょっとして、また顔見てさらにぎょっとしました。年齢を考えたらすごい肉体です。スピードもかなりありましたね。まあ検査に引っかからない限りは皆シロです。私はそこまでオクスリの気配を感じなかったですね。
まあアリスターレベルまで行かない限りは、皆シロでいいでしょうw
案の定ひっかかりましたねwww
削除最新技術でPEDを検出できるようになった影響で、ソネンさんを端緒にもの凄い勢いでお薬ファイターが葬られていきますねw
誤解を恐れずに言えば私はフェアじゃないとか、卑怯だとかの話には興味ないですが、選手の健康のために一層厳しく取り締まって欲しいものです。
ひっかかりましたねwやっぱりあのコラ感はやはりおかしかったんですね。こうやてみると、抜き打ち検査の効果はすごいですね。
削除私もそれは同感です。使って引っかからない限りどうでもいいですが、引っかかったら相応の批判は覚悟しておけよと思います。何よりも対戦相手が気の毒ですからね。
しかしカンリ―・・・使って負けちゃうんじゃなんともいいところなしですね。
8月の頭にとある駅で握手と写真撮影を快く応じてくれたドンヒョンに勝ってほしかったなぁ…
返信削除たしかにカン•リーの肉体は違和感を感じましたね。
ドンヒョンいい人そうですよねw近くで見られたなんてラッキーですね!ドンヒョンはアジア人では破格のフィジカルですから、近くで見たらそうとう迫力ありそうです。写真の時には是非とも回転エルボーのポーズで撮ってほしいです。
削除検査に引っかからない限りはシロとしとくと皆幸せです。発覚したときにフルスイングで行きましょうwそれ以外は皆シロでいいんです!じゃないとキリがないですしね。
ウルカ拝見しました
返信削除なんとも凛々しい青年ですね。
試合終了までそういう印象でしたが、試合後の観客サービスに華を感じました。日本MMA男児が世界の声援を浴びている姿が、なんとも小気味よいです。
長い手足は、明らかに広いケージが味方してくれると思います。
相手の出鼻にタックルカウンターを合わせた動きに唸りました。
リーチの割に打撃戦において近距離を恐れない積極性が、テイクダウンの成功を生むんでしょうね。
寝技の分析は専門外ですが、あのチョークは特殊技術という印象です。あれで決めちゃうんですね。
過去の試合をチェックすると、例のチョークはウルカ君の必殺技みたいですね。
顎の上からでも最終的に首まで滑り込ませる、経験というか技術というか自信というか、彼にだけ分かる微妙なノウハウみたいなのがあるんですかね。
寝技は自分もあまり詳しくないので、あれで極まるとは正直思いませんでした。顎が入ってたような気がするんですが、それをすり抜けるのが彼の必殺奥義だったんですね。スルスルと腕が締っていったのはびっくりでした。
削除ウルカみたいなノリは叩かれる傾向もあるとは思うんですが、自分はかなり好意的に見ています。ああやって楽しそうに闘ってる選手というのはそれだけでものすごく好感を持ちます。割と海外に受けそうなテンションではないかと思ってます。それも五味さんっぽいですねw
そういえばnaoさんは立ち技に精通してらっしゃいましたが、掌底という技の特性と、そのMMAでの有効性というのはどうなんでしょうか?あの金網に押し付けられた体勢での掌底というのはやはりそれなりに効果はあるのか、もしお分かりになりましたらご教授くださいませ。
誰のインタビューだったかは失念してしまいましたが、側頭部(というより耳)を掌底で叩かれると耳にくるらしいです。
返信削除記憶があいまいですが、その人は鼓膜が破れたとも言ってたような覚えもあります。
実際、自分の耳を拳で叩いても別になんともないですが、掌底で叩いてみると鼓膜まで振動が伝わってきてなんだかやばい感じがあります笑
なので「こいつの鼓膜を破ってやる!」とまでやる側が思ってるかはわかりませんが、地味に痛いらしい太腿への膝蹴り同様、やられる側としてはけっこう嫌な攻撃なのかもしれません。
書き忘れましたが、耳への打撃も掌底も「軽く」ですよ!
返信削除本気でパーン!と叩いたら、マジでやばいと思うので……というか、体罰で平手打ちされた生徒が鼓膜損傷なんて話は珍しくないですしね汗
確かに耳へのダメージはかなり効果ありそうですね。鼓膜損傷なんてかなり試合に影響するでしょうし、だいいち反則扱いにはならない有効打ですからね。たぶんやられるほうは相当鬱陶しくてディフェンスや体勢が崩れるかもしれません。これも人体の弱点を狙った有効な攻撃ですね。
削除情報ありがとうございます!
エディさんの記事に外部を破壊する打撃の文章があったと思います。
返信削除僕はMMAの打撃に関しては拙い理論以って考察するしかありませんが、接近戦においては合理性を感じます
まず、拳と掌底ではヒットポイントが違いますね。肘を畳んで内側に叩き込む打撃を考えた場合、筋力の出力問題で掌底の方が胸筋をより主力できる問題が一つありそうです
さらには、拳は遠距離で使われますが、外部を破壊する衝撃と内部を破壊する衝撃はある程度分散されるとしても、フォームや速度やリーチの関係から掌底より拳が明らかに有用でしょう。
超接近戦では外部破壊は出力的に望めませんし、打撃の目的は脳へのダメージを与えることだと考えた場合、少なからず拳より掌底の方が有用そうです。
柔らかい部位で叩く方が振動が内部へ伝わりやすいからです。
自論が伝われば幸いですが、あくまで物理的な推論以上ではありません(^^;;
恐縮です
酔っ払ってかいたので誤字が散見され恥ずかしいです
削除ありがとうございます!無理を言ってすいませんw
削除筋力の出力箇所は絶対に違いますよね。構造的に内側への動作は比較的やりやすいですし、あの体勢だと胸筋等を用いたほうがより大きい出力になりそうです。押し付けられて肩と腕の可動範囲が制限されているように思うので。
そしてやはり、あの密着状態で一番効率的に脳を揺らすことを目的とした場合に拳よりも掌底のほうがよさそうなんですね。拳と違って手首の動きによる威力の分散も無いですしね。ボクシングでも密着した状態だと猫パンチのように側頭部やボディをオープンブロー気味にはたいてますので、やはりあの体勢だとあれが一番出力があるのかもしれません。OFGだとグローブがないむき出しですからさらに効果がありそうです。
情報ありがとうございました!いえいえ、正直誤字にはほとんど気づかなかったので大丈夫です。急にあの状態で掌底を使う選手が増えたので、何となくですがその有効性は相当なもので、これから流行るのかなと気になったのです。
MMAの話はできる友人が周りにいないので、すごく楽しいです。
削除オフで話したいくらいです。笑。
自分の頭をトントンとはたいてみただけでもそうですが、掌底でコツコツ打撃を受け続けるとかなりぼーっとしてきますね
脳へのダメージを蓄積させるには非常に有効で、もらい続けると死活問題になりそうです。
エディさんはお仕事のほか、最近書きたい記事が多そうで大変そうですね^^;笑
多少ボリュームがライトになったとしても、記事を楽しみに待っています。
う・・・、返信のタイミングで時間が無いことがバレてしまったようで一瞬ドキリとしてしまいましたwほんと最近反応遅くてすいません。
削除実はご指摘の通り、書きたい記事を全力で書いて、旬を逃してお蔵入りさせるよりは、書きたいことをギリギリまで絞り込んで、ライトな記事をテンポよく上げるほうがいいのかなと思って切り替えたのです。感想記事なら、読者様に試合の余韻があるうちのほうがより楽しいとも思うので。
なのでちょっとボリュームダウンで物足りなく感じられたらすいません。でも可能な限り量、質、頻度が維持できたらなあと思っています。どうか見捨てずにおつきあいくださいませw
お蔵記事見たいです!
削除レイテスは『UFCデビューから』と言うよりも『UFCに戻ってきてから』と言った方が正しいと思います。アンデウソンさんとアレッシオ・サカラに連敗して1度リリースされているので。
返信削除重箱の隅をつつくようなコメントになってしまい申し訳ありませんが、「あれ?」と思ったのでコメントさせていただきました。
いえいえ、ご指摘ありがとうございましたw
削除正直リリースされていたことを完全に忘れていました。なんか昔からいたような気がするなーと思ってたのはたぶんそのせいですね。文章はこれいじょう「あれ?」という人がでないようにちょっぴり修正しましたw
また気づいたことがありましたらご指摘くださいませ。