2013年10月4日金曜日

マイケル・ビスピン、失明しかけていたことを語る

マイケル・ビスピンは、MMAキャリアをあわや終わらせてしまうような目が見えなくなる怪我に「途方に暮れていた」



MMA maniaより

UFCミドル級コンテンダーのマイケル・ビスピンは、今月末に開催されるUFC Fight Night30のメイン・イベントで行われる予定だったマーク・ムニョスとの対戦から彼を追いやることになった目の怪我について話した、その怪我はミックスド・マーシャル・アーツ(MMA)のキャリアを終わらせる物になるかもしれないと彼は最初のうちは怯えていたのだ。

アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)ミドル級コンテンダーのマイケル・ビスピンはオクタゴンの外でまずい状態に陥っていた。

「ザ・カウント(伯爵)」は最近マーク・ムニョスとの公表されていた職務から手を引かざるを得なかった、イギリスはマンチェスターで、2013年10月26日に開催されるUFC Fight Night30において行われることが予定されていた試合のことだ、理由は彼の右目の網膜剥離だった。

それは深刻な怪我だ、彼は実はアラン・ベルチャーとビトー・ベウフォートとの試合でその怪我を抱えて戦っていた。

後から考えて、今そのやんちゃなイギリス人はそれはあまり賢くない行動だったということを理解しており、「The MMA Hour」において彼が明らかにしたことによれば、そのコンディションに気づくような状態に陥った後、彼のミックスド・マーシャル・アーツ・キャリアはもっとずっと早くに終了してしまうかもしれないと彼は最初のうちは思っていたのだ。

彼の言だ:

「私は最悪の事態を恐れていた。私は彼らが網膜剥離だと言うことを恐れていた、そしてひょっとしたらキャリアを終わらせるような怪我かもしれないということを。そしたら私の内にいる頑固で年老いた馬鹿が言ったんだ、『私はどうせそうなるのさ、私はどうせそうなるのさ。』ってな。その怪我が、誇張なしに私の顔の前にある自分の手を見ることができなくなるところまで悪化した時、私はこう思ったんだ、オーケー、もうたくさんだと。」

ビスピンは、行動を起こす時だと悟った時のことを振り返る。

「それは先週の火曜日だった。全部が順調だった、それから私はいくつかレスリングのドリルをするためにケージに入った。私が足を踏み入れた時、光がなんだか少しおかしな感じになったんだ。それが私が初めて何かに気づいたときだった。そのことの後で、ジョン・アニクとマーク・ムニョスと共にInside the Octagonの仕事をいくつかするために私はL.Aに行かねばならなかった。私たちはばっちり試合を宣伝するために撮影をしていた。だから私が車でそこから出ると、その日の間ずっと、徐々にその目がどんどんと悪くなっていったんだ。私は覚えている、私はジョン・アニクとマーク・ムニョスと共にインタビューをしていた、そして私は何もかもが見えにくくなったんだ。」

カリフォルニアにある網膜専門の機関で医師たちに診察してもらったおかげで、ビスピンはその目の網膜が実際に剥がれていて外科手術が必要なことを発見した:

「彼らは言った、『そうだね、君の網膜は再度剥がれたんだ』ってな。はっきりいって、私はそれが信じられなかった。彼らは言った、私たちは今すぐにでも手術する必要があると。そして私は言った、『でも私はまだ4週間後に戦うことになっているんです、だからあなたは手術できません。単純な話です。』彼らは言った、『それはできない。君は失明しようとしている。』私は言った、『私は4週間後に戦おうとしていたんです。何千人という人がチケットを買ってしまいました、彼らは私がそこにいるだろうと期待しているんです。』」

その手術の後で、彼はもっと恐ろしい経験をしたことを明らかにした、彼の修復した目が完全に視界を失ったのだ。

「私の予後は順調だった、それからまったく突然に、私の視界が本当に完全に右目の中に隠れてしまったんだ。それはとても不鮮明で、しかしこのときは完全に見えなくなっていた。私は本当に不安だった。私はそれで仕事をお開きにして家に車で帰った、そして私が家に帰る途中でどんどんと悪くなっていったんだ。私が家に着いた時、私の右目はもうまったく見えなかった。私のガールフレンド、彼女が私を見た時、彼女は今にも泣きだしそうだった、彼女は言った、なぜなら私の目が血で満たされていたからだと。虹彩の、色がついている部分、ここがもはや青ではなかった。それはすっかり赤色だった。私は思った、そういうことか。選手寿命が尽きたのだ。そんなこんなで、私の目は潰れたのだと。」

ありがたいことに、彼の目はすっかり癒えて彼の視界は翌日に戻った、ドクターの、顔を下にして眠りなさいという指示に従った後のことだ。それでも、「ザ・カウント」は彼の試合を生で見るためにすでに身銭を切ったファンすべてに謝罪している。

「私は途方に暮れていた。私はこの試合のためにとても懸命に練習した。そしてそれだけでなく、チケットを買うために懸命に稼いだ金と別れる羽目になったマンチェスターとU.Kの人にとっても辛いことだ、だから私はすべてのファンとチケットを買ってくれた皆に謝罪する。」

元UFCライトヘビー級王者のリョート・マチダが現在「フィリピーノ・レッキング・マシーン」と対戦することになっている一方でビスピンは完治することに集中している、そのために彼は2014年の第一四半期まで離脱することになりそうだ。

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というわけで、イギリスMMA界を代表するおしゃべりクソ野郎こと「ザ・カウント」マイケル・ビスピンが目の怪我を患った時のことについてでした。病状はかなり深刻だったようです。

元々被弾が多い選手ではありましたが、ここ最近ディフェンスがますます危うくなっていました。そしてその背景には徐々に進行していた網膜剥離があったようです。ビスピンが言うには、すでにビトー・ベウフォート戦のころから患っていたようで、本人は今になってあれはさすがにまずかったと思っているようです。さすがに網膜剥離を抱えてビトーと対戦するのは自殺行為です。しかしはっきりとした症状が出るまで、人間はなかなか動けないものです。

網膜剥離はボクシングをはじめとして目にダメージを負うスポーツでよく見られる症状です。格闘技全般はもちろんのこと、硬い球が目に当たるケースがある野球やテニスでも稀に起こるそうです。軽度の場合はレーザー治療、重度の場合は外科手術による治療らしいですが、検索して画像が出ると怖いので詳しく調べていません。この間とある英単語について調べていたら、グーグル画像検索の一番上に脳みそが飛び出た人の写真が出てきて以来、もうグーグルには不信感でいっぱいです。ともあれビスピンはあわや失明というところだったようですので、これはかなり重度だったと思われます。

そしてビスピンは、自分の目から視力が失われていく過程を鮮明に語ります。読んでいるこちらもその恐怖が手に取るようにわかります。彼が最初に気づいたのは、レスリング練習のためにケージに入った時、光に違和感を感じたことからでした。そこから一気に症状が進行し、その練習後に撮影のためにL.Aに向かい、対戦する予定だったムニョスとともにインタビューをしている最中、一気に視界を失いかけてしまいます。

結局彼の目は網膜剥離でした。医者から失明寸前であることを告げられてもなお必死で試合をしようとするビスピンの姿を想像すると胸が痛みます。結局彼は手術を受け入れ、失意の中で治療をしていたようです。

しかし彼の治療後の話はさらに恐ろしいものでした。順調かと思いきや、突然視界が失われたのです。慌てて家に帰るや、その様を見てガールフレンドが号泣寸前、理由を聞けば目が血でいっぱいになり、彼のブルーアイが真っ赤になっていたというのです。その瞬間のビスピンの述懐はあまりにも痛切です。全部が終わってしまったんだ、そして自分の目から光が失われたのだと思った瞬間の彼は、どれほどの絶望を味わったのでしょうか。幸いにも顔面を下にして寝るというなんだそりゃという行為で無事治ったようですが、それにしても恐ろしい話です。医者の対応を見るに、この手術の後には割とよくあることなんでしょうか?

ともあれ、ビスピンは辛うじて格闘家としてのキャリアが終わらずに済んだようです。海外ではどうか知りませんが、日本では2013年3月まで、ボクサーは網膜剥離になった場合は引退を余儀なくされていたようです。今は完治した場合には現役を続行可能になりました。ビスピンのディフェンスがどうなるのかが少し心配ですが、それでも手術前の状態よりは幾分かマシになっているはずです。

世間では何かと毒舌で有名なビスピンです。しかしTUFを見ていても思いましたが、彼は口が悪くてお調子者なだけで、根は真面目で頭も非常にいい人だと思います。今回訳した文章も、話している内容が簡潔かつリズムと情緒があってちょっとウルッと来てしまいました。あの悪童が医者の前で「ファンが待っているんだ!」と必死で食い下がるシーンとか、ほんと自分こういうのに弱いんです。なんというか、チンピラ気質なんだけど悪気がないというか、どこか憎めない感じがあって私は好きです。

ビスピンは治療に専念するために来年の4月くらいまでは戦線離脱をするようです。彼が見られないのは残念ですが、完治しないままに試合をしたらそれこそ次は本当にキャリアが終わってしまうかもしれませんので、慌てずゆっくり治してほしいところですね。怪我を抱えて戦い続けるのは確かに愚かです。しかし彼はファンのために戦おうとしました。彼は相手を選びませんし、そして何よりも戦うことを愛しています。たとえ誰が何と言おうと、私はイギリスが生んだ「暴れん坊伯爵」ことマイケル・ビスピンを応援しています。

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