2013年10月6日日曜日

マット・ブラウン、GSPとヘンドリクス二人まとめて相手してやると豪語する

UFC on FOX 9:マット・ブラウンはジョルジュ・サンピエールとジョニー・ヘンドリクスと戦うことを望んでいる・・・同時にだ。



MMA maniaより

ジョルジュ・サンピエールかジョニー・ヘンドリクス?マット・ブラウンは彼ら二人とも相手にするという・・・同時にだ。

恐らくアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)選手名簿上に、マット・ブラウンよりも熱い連勝をしているミックスド・マーシャル・アーティストはいないだろう。

「インモータル(不死)」はウェルター級で6連勝を引っ張り出した、それはマイク・パイル、ステファン・トンプソン、そしてマイク・スウィックへの勝利を含んでいる。そしてとうとうトップ10に食い込んだ後、ブラウンは来るべきタイトル・ショットに視線を据えた。

彼は手始めにUFC on FOX9で元ウェルター級暫定王者のカーロス・コンディットを切り抜けなければならない、カリフォルニアはサクラメントで2013年12月14日、コー・メイン・イベントで二人は衝突する。マットは考えている、もし彼が「サック-タウン」で「ナチュラル・ボーン・キラー」を打ち負かしたのならば、彼もまたその階級のトップ・コンテンダーに取って代わるべきだと。

「彼はナンバー2にランクされている、だからもし私が彼を倒せば、私はナンバー1にランクされるべきだ、違うか?それか少なくともナンバー2だ。」とブラウンは昨日(2013年10月3日)のFOX9の記者会見中に言った。「だからさ、完璧に、そのこと(タイトル・ショットに近づくこと)については異論はないだろう。私はそう思っているし、この階級に他に誰かいるかは知らない。」

実際、コンディットへの勝利は彼を長年待ち望んだ革帯付の試合に着実に近づけてくれるだろう。しかし、NO.10からトップの地点に一気に躍り出るのは無茶があるように見える。

それでも、彼の番が来たら、ブラウンはその大一番に歩を進める準備はできている、たとえそれが「ラッシュ」だろうと「ビッグ・リッグ」だろうとお構いなしにだ。実のところ、彼は彼らと同時に対戦することのほうをより望んでいるのだ。

「奴ら二人ともだ、」戦うならどちらがいいかと尋ねられた時、彼は躊躇いなく言った。「私は一度に奴ら二人と戦ってやるさ。」

君はこの自信を評価できるかい?

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というわけでウェルター級の狂犬、「不死の男」ことマット・ブラウンのタイトル戦に賭ける意気込みでした。うーん、いい感じにキマってますね。

マット・ブラウンは昔はそこまで成績のいい選手ではありませんでしたが、ある時期を境に開眼し、殺意に満ちた物騒なムエタイを駆使して6連勝を飾りました。直近のマイク・パイル戦では、スタンドに優れたパイルに開幕早々襲い掛かり、膝やらを叩き込んであっという間に仕留めてしまいました。

彼は不死の男の名前通り、血肉に飢えたゾンビのようにガードを気にせず襲い掛かります。パンチはそこまで巧いわけではありません。彼の真価はグローブのついていない部分による当身、つまり肘と膝にあります。特に肘を巧みに使い、その鋭利な骨を人体急所に突き刺して相手を行動不能に追いやります。グラウンドで亀になった相手の脇腹に肘を次々と突き刺しているのを見た時には、今のMMAではお目にかからない初期MMAのような凄みを感じたものです。相手を肘と膝という鋭い刃物で解体するかのようでした。

そんな彼は先日トップ10にランクインしました。6連勝してようやくですから、ウェルター級がいかに層が厚いかを物語っています。そして彼はいよいよトップ・コンテンダーの一人、私が大好きな「天性の殺し屋」、現在ランキング2位のカーロス・コンディットと対戦することになりました。この試合は、恐らくかみ合うだろうということでコンディット自身が望んだものでもあります。

これに勝てばブラウンはタイトル戦の可能性が濃厚になります。血と王座に飢えたリビング・デッドは、気の早いことにもう王座戦のことを考えています。そして対戦相手はどちらが理想かと聞かれた時、この狂犬は言い放ちました、「二人まとめてかかってこい」と。

そういう競技じゃないのですが、狂犬は強い奴とどつき合えれば基本的に人数とかはどうでもいいようです。GSPとヘンドリクス二人同時とか、武器がない限りまず勝てない気がします。それともこの二人は仲が悪そうなので、仲間割れして二人でタックル合戦してもつれ合ったところを肘で狩るつもりなのでしょうか。

とにかく、彼の自信が今どれくらいとんでもないことになっているかということを示す発言です。こういう波に乗っている選手は練習にも相当身が入るでしょうから、なかなかに恐ろしいものです。コンディットのことなどまるで路傍の石でも見るかのようです。

ただ彼が歯牙にも掛けていない次の対戦相手カーロス・コンディットですが、はっきり言えば、恐らく狂犬は殺し屋には勝てないだろうと思っています。

というのもマット・ブラウンは被弾を恐れずに前進しますが、決して不死ではないからです。タフだとは思います、しかしこれまでも被弾を許して失速することがありました。ボディを打たれた時に露骨に嫌な顔をし、試合に勝ったもののかなり危ういケースもあったのです。彼のネックはやはりそのディフェンス面です。前に出るということは、それだけカウンターをもらった時に壮絶に倒れる可能性があります。

そして相手はあの殺し屋です。まるで宙を舞う羽のように相手の攻撃をふわりといなし、そして隙を見せた相手に突如として襲い掛かり打撃の雨を降らせます。彼はあらゆる方向からあらゆる種類の打撃を、その場のインスピレーションで紡ぎあげます。そのコンビネーションはMMAでも群を抜いており、何よりも彼にしかできない妙技です。正確に相手の急所を打ち抜く殺し屋の一撃は、ブラウンのディフェンスにとっては最悪のものになるでしょう。

何より、二人の使うスキル・セットはまったく同じです。打撃戦で彼らが二人とも得意とするのはキックボクシングです。そうなった時、リーチとフットワーク、そしてディフェンス技術ではっきりと差が出てしまうのではないかと思っています。コンディットのメイン・ウェポンが蹴りというのがポイントになりそうです。ブラウンは射程に入れず、遠目から削られるうちに消耗してしまうような気がします。二人とも相手を一撃で仕留める質ではなく、削りの先に相手の心をたたき折る一撃があるスタイルです。コンディットを相手に打撃で勝利するならば、ヘンドリクスのようなKOパワーか、コンディットと同じかそれ以上の間合い、もしくはGSPのようにタックルが必要です。スタンドの削り、それも近接戦闘が主体のブラウンは、コンディットを削りきる前に自分が削られてしまうのではないかとみています。

今完全にキマってしまっているブラウンはノリにのってます。なので信じられない急成長を遂げている可能性もあるとは思いますが、それでもコンディット相手では厳しいのではないでしょうか。コンディットはラッシュをかける相手にまったく慌てない、鋼の心臓と燃え盛る闘争心、そして氷のように凍てついた頭脳を持っています。悪童の挑発や観客のブーイングを鼻で笑い、テンプルから血を垂れ流した状態で起死回生のハイキックを王者に叩き込み、そしてアクセル全開の暴走トレーラーをかわし続けて最後まで立っていた男です。GSPからベルトを奪うほうが、殺し屋を慌てさせるよりもはるかに簡単なように思います。そしてブラウンは狂犬の気迫を浴びせ、気圧された相手に畳み込むのが彼の本当の武器です。これも挑発などと同様、一種の心理戦です。これが通じない時に、狂犬の真の姿が暴かれてしまうかもしれません。

恐らく二人とも最後まで立っていることはない試合でしょう。殺し屋が狂犬の頭を打ち抜くか、それとも狂犬が殺し屋の喉笛を食いちぎり、そのままトップにいる二人もまとめて喰らってしまうのか?流血必死の戦いは12月14日にカリフォルニアで行われます。私はどっちも好きなのですが、残念ながらコンディットが試合をするのならば彼を応援する以外の選択肢を私は持ち合わせておりません。というわけで私はこの試合コンディットを応援しますが、ブラウンも全力を出し切ってほしいと思います。しかし待ち遠しすぎる・・・。

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