2013年10月31日木曜日

川尻達也、ゴールはフェザー級のベルトを手に入れることだと語る

川尻はUFCを征服する準備ができている

Tatsuya Kawajiri

Fox Sports.comより

ズッファがプライド・ファイティング・チャンピオンシップを2007年に買い上げた時、そのプロモーションが購入の一部として獲得しなかったわずか一握りのファイター達がいた。そのリストのトップにいた一番のビッグ・ネームは元プライドヘビー級王者のフョードル・エメリヤーエンコだった、だがもう一人移籍しなかった者がいた、それが元ライト級コンテンダーの川尻達也だ。

日本で試合をしていた数年間、川尻はこの星で最高のライト級選手の一人と考えられていた、そして彼の履歴書を読めばその階級のトップ選手達がまるで殺人者の列のように連なっている。

プライドの崩壊後、川尻は元王者の五味隆典のようにUFCには来ず、代わりに彼のスケジュールを埋めるためのいくつかの末端の試合と共にドリームに移籍した。ごく最近、川尻はまた彼の全キャリアを通じて戦ってきたライト級を去る決意をしてフェザー級に移動し、これまでのところその結果は目覚ましいものだった。

彼は近年フェザー級として4勝0敗、内3つをサブミッションによって勝利しており、川尻はMMAのフリー・エージェント・マーケットにおいて俄かに待望の人材となった。それはUFCが彼に飛びついて複数試合契約を結び、とうとう「ザ・クラッシャー」をオクタゴンに連れていくまでのことだった。

それはまさに川尻が必要としていた良い類のニュースだった、タフで激動の2013年、彼はその年の前半中は怪我をしていたし、残りはドリームの無活動によってスケジュール上に一試合もないままだったのだ。彼は独りよがりの状態だったし、MMAへの愛情を失っていた、UFCから呼び出しが来たとき、それは彼の魂に、彼の心に、彼の肉体に活力を授けた。

「私は2008年からドリームのために戦ってきた。だが、今年になって、ドリームは何の興業も開かなかった、そしてその間、私は怪我をしていたから、私には試合から離れる他に選択肢はなかったんだ。」と川尻はFOX Sportsに話しているときに説明した。「だから、今年、私のゴールは試合に復帰することだった、そして私はドリームが大会を提供することを望んでもいたんだ。私の怪我は癒えた、そして私はすでにハードなトレーニングを始めた。私はプロフェッショナル・ファイターだし私は(このビジネスで)生き残るために、より強くなり続けねばならないんだ。MMAとは日々進化するスポーツだから私は信じている、このスポーツにおいて、変化がないというのは退化を意味するのだと。」



「8月のある日、私は自分がMMAに対する集中力を失い始めていると感じた。それは私が試合に負けたとか、自分の限界を悟ったとかそういうようなことではなかった、だが私はまるで自分が徐々に弱くなりつつあるように感じたんだ、そして私はこう感じたんだ、私はもうこれ以上この状況を維持することは出来ないのだと。かつて私がMMAを始めた時から私には一つの夢があった、それは『世界で一番強い男になる』というものだ。私はこの夢を捨てることが出来なかった。だからこそ、この夢を達成するために、私はUFCに挑戦すると腹を括ったのだ、なぜならそれはMMAの最高峰だからだ。」

そのUFCとの契約は大部分がサッカーパンチ・エンターテイメントに属する川尻のマネージャー達によって差配されたものだった、彼らは過去数年間、海外からオクタゴンで試合をする大勢の選手たちを連れてきた。ベテランのマネージャーであるシュウ・ヒラタが交渉を先導して、川尻の才能がこれ以上台無しにならないような立場に彼を置くことを希望したのだ。

「我々は川尻達也と共に仕事が出来ることにとても興奮している。」とヒラタは言った。「我々は信じている、青木真也に加えて、彼はオクタゴンで戦っていない最後のジャパニーズ・スーパースターだと。彼が145ポンド級に落としてから、彼は無敗だし彼は今までよりも良くなったように見える。私は川尻が容易くオリンピック・レスラーの宮田和幸をテイクダウンしたのを見た時、私は彼がUFCですぐにでも有力選手になりうると強く信じるようになったのだ。したがって、我々は彼がUFCでとてもうまくやるのを見るのが楽しみなんだ。」

川尻は長い間、ここ10年間このスポーツを追ってきたファイト・ファンを魅了する存在だった。その日本人の強豪選手は、プライドとドリームにいる間に彼が引き当てうるほぼすべてのトップ・ファイターと顔を合わせており、それはギルバート・メレンデス、エディ・アルバレス、そしてジョシュ・トムソンのような選手との英雄的戦争を含んでいる。

日本における彼の最高の日々の最中でさえ、川尻は常にUFCを意識しており、いつの日かアメリカ合衆国で頂点に立つ者に対して挑戦できることを望んでいたのだ。今彼はとうとうその機会を手に入れ、とても忙しない状態でいることを望んでいる。



「私が日本で戦っていた時、私はいつもUFCを意識していた。私が自分の階級でこれらのファイターと戦ったら何が起こるだろうか?いつの日か私は彼らと戦いたい、それが私がいつも考えていたことだ。そして、同様に私はそういう類の視点でUFCを観戦してきたんだ。今、とうとう、私の願いが現実になった。これから先、私は本当にUFCで選手達と顔を合わせるのを心待ちにしているんだ。」と川尻は言った。

「ファイターがより強くなるためには、一番の方法は戦うことだ。試合から得た経験、そして我々全員が潜り抜けてきたハードな練習、それがファイターを強くするものだ。だから、私にとって、一貫したペースで試合ができることはとても重要なんだ。UFCにおいて、私は一年に3回から4回は試合をしたいと思っている。私はたくさん戦いたいんだ。」

川尻はすでに145ポンドの試合をつぶさに見始めている、そこは彼がUFCでデビューする際に彼の主戦場となる場所だ。王者ジョゼ・アルド、チャド・メンデス、ヒカルド・ラマス、そしてカブ・スワンソンのような選手たちはすべて川尻のような選手の好奇心をそそる組み合わせだ、そして彼は、プライドやドリームがかつて彼にオファーしてきたような試合にいよいよ直面することにワクワクしているのだ。

現在誰が頂点に立っていようと、川尻はどのフェザー級選手にも悪夢を見せるような火力と経験を得てきたと信じている、そして彼が一たびUFCに到着したら、実現する彼らの最悪の夢となることを彼は待ち焦がれている。

「私は、UFCのトップ10選手に関して何らかの弱点があるとは思わない。あの男たちはすべてあらゆる状況において素晴らしいんだ。そしてジョゼ・アルドは、この点において、最も並外れた選手だ。彼のパンチと蹴りはフェザー級のクオリティを超えている。レスリングとBJJでさえ、彼は誰に対してもやり合うことができると私は信じている。私の望みはトップ10にいるファイターと戦うことだ。私が言ったように、この連中には何の欠点もないから私はそれがタフな試合になるだろうことはわかっている。だが、私は自分がこいつらの一段下だとは思わない。私は多くの経験をこの身に刻んでいる。」と川尻は言った。

「君はフェザー級でギルバート・メレンデス、ジョシュ・トムソン、エディ・アルバレス、プライド王者、ムエタイ王者にK-1王者と対戦してきたトップ選手を誰か見たかい?私には今日のフェザー級選手が持っていない経験がある。そして私は信じている、非常にタフな試合の中でこそ、これらの経験が私を勝利に導いてくれるだろうと。」

川尻はその階級の頂点を奪おうと懸命でどんな時間も無駄にしていない、そして彼はUFCのマッチメーカーが彼に試合を与えたら可能な限りすぐにその最大の試合に取り組むことを望んでいる。この旅路のすべては一つの場所に続いている、それはUFCフェザー級タイトルを賭けた試合だ、そして川尻はそこに至ることを固く心に誓っている。

「私はフェザー級で一番の男になりたい。」と川尻は言った。「私のゴールはあのフェザー級ベルトを手に入れることだ。」

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というわけでFOX Sportsでの川尻選手のインタビューでした。誰ですかこのイケメン。私の知ってる川尻達也と違う・・・。

日本語→英語→日本語でどうなるか見たいと、これまたご本人様が言っていたような記憶があるのでC級の英語力でやってみました。なんかすごい男前な感じになりました。海外のファンがこれを読んだら川尻達也はえらく男気のある人だと思うのではないでしょうか。

個人的に川尻選手の発言で一番気に入ったのは、年間3、4試合はやりたいというところです。おそらく日本のファンが一番不満に思っていたのはこの部分でしょう。コンスタントに試合をしてくれるのが、ファンにとって一番ありがたいことです。理想を言えばどの選手も年間3試合は見たいところです。

現在のトップ10選手に対しても、彼らをリスペクトしつつ対抗意識を燃やした中々に熱い発言になっています。「こいつらより一段下だとは思わない」とか「経験が私を勝利に導いてくれる」とかもう漫画の主人公状態です。誰ですかこのイケメン。

試合に関してはまあさておいて、海外でのインタビューを受ける際に一つ思ったのが、日本人選手の皆様は簡潔ですこし大げさな言い方をするといいかもしれません。日本語だと寒いと言われるような大言壮語も、英語だとちょうどいい感じです。「世界で一番強い男になる」も日本語だとドラゴンボールの読みすぎとか言われるでしょうが、英語だと全然普通な感じです。「この星で最高の~」とか普通に修飾で使いますから、むしろおとなしいくらいです。あと日本語は助詞のせいでほぼ無限に情報を足せてしまうので、英語にする際に情報をごっそり落とされる可能性があります。なのでシンプルで力強い発言をすると、意が伝わりやすいし聞こえがいいような気がしました。

後は川尻選手が今年8月の自分の心境を語るところも中々に情緒があっていいですね。MMAへの愛が薄れていく中、これではダメなのだと意を決し、そして自分がMMAを始めた時の夢を思い出して立ち上がる。「私にはMMAを始めた時から一つの夢があった、それは『世界で一番強い男になる』というものだ。」だから誰ですかこのイケメン。

川尻選手はスタイルがいいので、恐らく少し変わったアクセサリーも似合うはずです。普通の人なら着こなせないようなものもいけるでしょう。だから革がやたらと太くて、でかすぎる金ピカのバックルの真ん中にUFCとか書いてある変なベルトも似合うんじゃないでしょうか?そんなものがどこで手に入るか知りませんが、もし手に入ったら是非とも巻いた写真を見てみたいものですね。

2 件のコメント:

  1. 日本人の発言を英語から再翻訳したとき「おいおい冗談だろ、どこにこの人物が実在してるんだい?」と思うことは、朝飯のホットドッグからケチャップがこぼれるぐらいしょっちゅうあることさ!
    おそらくは記者のフィルターを通した変形もあるだろうけど、これぐらいイカシたコメントのほうが、ボスも喜ぶってもんさ…と無理やりハリウッド的言い回しをしてみた(笑)
    でも、岡見勇信がこの種のアメリカメディアインタビューに答えたとき「オカミの前半生や格闘技へのスタンスはドラマチックな部分は非常に少ない。だがそれがオカミなのだ」とか書き手が言い訳してたんだよな(笑)

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    1. 一瞬スパムかと思いましたwコメントありがとうございます。訳してたら川尻選手がとんでもなくカッコよく思えてきました。記者が好意的に書いてるのは結構影響してると思います。発言がアレな選手はこの言語ロンダリングを駆使すればうまいこといくかもしれません。

      にしてもその記者ひどいですねwたぶん話を大げさにしようとして挫折したんでしょうね。スタイルからインタビューまで一貫して地味というのは一回転して立派なキャラです。世界規模で地味というのが認知されてるのは結構オイシイ気がするんですがどうなんでしょう。

      本当は岡見選手のスタイルや半生だって、ちゃんと表現を考えればドラマチックになるとは思うんですけどね。どうしてあのスタイルなのか、どうして力を出し切れないのかだって理由があるはずですし、そういう葛藤を伝えることには価値があると思います。



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