2013年11月5日火曜日

コール・ミラー、皆が無知なジャッジを喜ばせるためにスタイルを変えていると嘆く

コール・ミラーは悪しき判定がMMAを変化させていると主張する



bloody elbow.comより

そのUFCフェザー級選手は言う、選手たちは「MMAを理解していない」ジャッジを喜ばせようとして彼らのスタイルを変化させていると。

イギリスはマンチェスターで土曜日に開催されたUFC Fight Night 30において、コール・ミラーはアンディ・オグルをユナニマス・デシジョンで撃破した。だが彼はMMAの判定に対して満足しているわけではなかった。彼は月曜のAriel Helwani's MMA Hourにゲストで登場し、MMAの判定に怒りをぶち撒けた。

「私が勝つべきだったのはわかっていた。」とミラーはThe MMA Hourの月曜版上で言った。「私はだいぶ浮上したり沈んだりをしてきた、だが私が浮き沈みしてきたのは、まさに50歳か60歳そこらのジャッジが私の試合について言ったことのせいだ。もし君が実際に過去に戻って見てみれば、私の知る限りでは、これは4連勝だ。」

「私はあれ(対ガンバリャン戦)に勝ったと思った、そしてメディアもそうだった。みんなもそうだったし、事実デイナ・ホワイト、ロレンゾ・フェティータもだ、皆が戻ってきて私にどうなってるんだと話したんだ。」とミラーは言った。「私はメディアの実況をすべて読んだ。彼らは全員私が勝ったと言ったし私が試合のすべてのラウンドを取ったと言った。だから私の知る限りでは、私はこの試合で優勢だったんだ。」

「これら(公式ジャッジ達)は私が『負けた』と言いたいんだ、だが私のほうがずっとダメージを与えていた。」

「彼らには、彼らがしているような判定をする資格さえないんだ。」とミラーはMMAのジャッジについて言った。「それはかなりうんざりすることだし、それは本当に私たちのスポーツにとって不幸なことだ、なぜならそれが私たちのスポーツの全貌を変えているからだ。不適当な人々がミックスド・マーシャル・アーツを判定する時、それはミックスド・マーシャル・アーツを実際に行われているものから変化させてしまうんだ、なぜなら選手たちは今、私たちのスポーツについて何も知らない人たちを満足させるために彼らのスタイルを適応させようとしているからだ。」

「そしてコーチ達は自分の選手を、こういう人たちを満足させるために鍛えているんだ、私たちのスポーツを何にもわかってない人たちをね。そうだろ?そして皆はこう考えたいんだ、『ああ、彼はなんだかぶつくさ文句を言っているぜ。彼が不平を述べてるのは、単にここんところ彼が試合に勝てなかったからなんだ。』ってな。なあ、お前らはこういう判断をしたってかまわないぜ。私はマーシャル・アーティストだし、私は堂々と上を向いて歩いていく。私は私の戦いをするんだ。」

「私はこのスポーツを愛している。」とミラーは続けた。「本当に愛している。そして私はそれが発展するのが見たいんだ。私はそれが退化するのは見たくない。ミックスド・マーシャル・アーツの判定において、MMAについて無知な人たち満足させるためにコーチ達が選手を指導し、そして選手たちが彼らのスタイルをいじり作り上げていくことは、このスポーツの退化を意味する。それは本当に不幸なことだ、そしてそれこそが私がずっと見てきたことだし、それは私を本当に悲しくさせた。」

ミラーは素晴らしい意見を持っている。強情でざっくばらん、そして無知なMMAの判定はそのスポーツをゆがめて選手達に仰向けの状態から攻撃することを放棄させ、代わりにボトム・ポジションからスイープするか立ち上がる練習ばかりさせているのだ。

-----------------
というわけでフェザー級ファイター、コール・ミラーの判定に対する不満でした。ジャッジやレフェリーに対する不満というものはスポーツにはつきものですが、ことMMAでは長らくその問題が指摘されています。そして今もなお議論を呼ぶ判定が出続けている状況です。

この間ベラトールで行われたばかりのチャンドラーvsアルバレス戦でも、判定が議論を呼んでいます。試合自体は互いが死力を尽くした名勝負でしたが、その判定結果が微妙なために少しばかり盛り下がってしまったところがあるようです。原因はTDとスラムへの評価の差と、パンチの精度とヒット数の評価の差のように思います。私が見る限りでは、1、4Rがチャンドラー、3、5はアルバレスとして、2Rの評価で割れたのかと思います。2Rはアルバレス側がエルボーでチャンドラーを流血させ、強烈な左ストレートで左の目の下を腫れさせ、さらに右アッパーからの左フックでチャンドラーの脳を揺さぶっています。対するチャンドラーは3度アルバレスをリフトし、内1回で体勢を崩させてバックを取っています。またその後も金網押しつけからアルバレスの腰を引いて尻餅を着けさせました。このどちらを優勢とするかでしょう。私はアルバレスだったと思います。チャンドラーは少し失速が見られましたし、スラムの内2回はリフトしただけで相手を崩せてはいない思います。またTDした後もチャンドラーは有効な攻撃が出来ずに脱出されたこと、無理にTDを粘って膠着したことはかなり印象が悪かったです。なのでアルバレス勝利でいいのかなと思います。ただ微妙な判定であることは間違いないですし、逆であってもそうかなと納得してしまうところです。

個人的には、パンチの精度で差があったような気がします。チャンドラーはかなりのハンドスピードで振り回しましたが、KOを狙いすぎたのかバランスを崩すことも多く、対するアルバレスは体勢を維持してコンパクトに鋭い打撃を当てていました。左ジャブがよく伸びますね。あれで顔面を小突かれ続けたらそのダメージは相当なものでしょう。チャンドラーは前に出てよくプレッシャーをかけましたが、パンチはあまりヒットしていたようには見えませんでした。その差が結局終盤に出ていたのかなと思います。

こうして日々判定で揉めているMMA業界ですが、コール・ミラーも自分はジャッジによって勝利を奪われたと主張する一人です。コール・ミラーは先のUFC Fight night30で勝利を収めていますが、その前のガンバリャン戦ではユナニマスの判定で敗れていました。

ではどのような試合だったのでしょうか?大まかに言えば、スタンドで有利なミラーに対して、それを嫌ったガンバリャンが必死にTDして上を維持しようとし、それに対してミラーが下からの打撃を駆使して対抗した試合です。実際に1Rにはミラーのエルボーでガンバリャンがグロッキーになり、インターバル中に立てなくなるような事態になりました。しかしそのまま試合は続行され、判定でミラーが敗れる結果となったというものです。ミラーの言い分としては、自分の方が遥かに相手にダメージを与えたとのことです。果たしてミラーの言うことが正しいのでしょうか?検証してみたいと思います。試合のデータはこちらになります。

まずデータを見ますと、スタンドでもグラウンドを含めたトータルでも、ミラーのほうが有効打数では勝っています。各ラウンドごとに見ると、1、2Rはスタンドでミラーが有効打数で勝り、トータルの有効打数は1、3Rで勝っています。確かにボトムからかなり攻めているのがわかります。互いにスタンドではほぼ打っていません。

そしてTD数を見ますと、トータルではガンバリャンが7回中5回成功しています。ミラーは0です。各ラウンドごとに見ると、1Rに1回、2Rに3回、3Rに1回となっています。当時の実況を読む限り、ミラーは3Rにかなり長く上を取られていたようです。

ジャッジは一人が30-27、あとの二人が29-28でガンバリャン勝利としています。判定はユナニマスで、スプリットにすらなっていません。この試合のジャッジ達は、本当に彼が言うような「何も知らない」ジャッジなのでしょうか?次はジャッジ達を見てみましょう。

まずガンバリャンに30をつけたのはスティーブ・リタです。この人はかなり昔からMMAのジャッジをしている人で、元はグラップリングのレフェリーをやっていた人です。MMA初期から中期ごろに、MMAのプロモーターと知り合いだった彼の元にジャッジをやってくれとの依頼が来てからジャッジを始めたそうです。インタビュー記事があったのですが中々におもしろいことを言ってたので今度紹介するかもしれません。UFCでのジャッジはまだ3戦ほどしかしてないようです。

次に29をつけた一人がサル・ダマトです。この人の具体的な経歴は見つかりませんでしたが、ハーブ・ディーンと仲がいいのか一緒にラジオ・ショーなどをやっています。この人はUFCの多くの試合でジャッジをしています。そのせいか、海外のフォーラムでよくボロクソ言われているみたいです。検索で引っかかるのはこの人への苦情ばかりです。そこに書いてある情報では、ボクシング畑の人のようですね。カス・ダマトという高名なボクシング・トレーナーがいたようですが、その人の親戚でしょうか?この人はボクシングがバック・グラウンドのためかパンチばかりを評価して蹴りを過小評価する傾向にあるようで、そのせいで海外のフォーラムでは首にしろだのこいつの前にモニターをつけろだのと騒がれていました。2011年にジャッジの前にモニターをつけることになった時には、これでようやくこいつも何とかなるだろうという書き込みがチラホラあったくらいです。ちなみに2013年現在も、早くこいつを首にしろという意見が書かれています。近いところではサンチェス対メレンデスをジャッジしていますが、彼はばっちりメレンデスに30をつけていました。

最後の一人がトニー・ウィークスです。この人は還暦近い超ベテランの「ボクシングの」レフェリーです。ボクシングを見る人は顔を見たことがあるかもしれません。自分も見たことある気がします。この人の名前で検索すると、最初に来るのがボクシングのデータベースです。当然ながら、今もバリバリ仕事してらっしゃいます。ボクシングでは重鎮のレフェリーです。

彼は2001年からMMAのジャッジもやっています。MMAでもかなりの経験を積んだジャッジと言えるでしょう。この人はボクシング畑でありながら比較的他の競技への理解があり、大体が正しい判定をしていますが、一方で大誤審をすることもあるようです。bleacher reportでは史上最悪のレフェリーの一人として候補に挙がっており、彼の一番の過失はレオナルド・ガルシアvsナム・ファン戦だそうです。2010年のこの試合では会場大ブーイングで、人種差別なのではと言われたほどの判定でした。メディアや世間、そしてたった一人のジャッジが30-27をナム・ファンにつけた一方で、二人のジャッジが29-28でガルシアにつけました。そのうちの一人がこのトニーさんです。

この人の他の注目すべき判定として、ヘンダーソンvsエドガーⅡにおいて他のジャッジ二人が48-47でヘンダーソン勝利とする中、トニー・ウィークスだけは49-46でエドガー勝利としています。またバミューデスvsホロウェイ戦でも、ホロウェイ勝利を一人だけ支持していました。やはりこの人もパンチを高く評価する傾向にあるようです。

さて、ミラーが勝っていたとするこのガンバリャン戦ですが、ジャッジ3名中2名がボクシング畑の人でした。一人はグラップリング(柔術かレスリングは不明)です。しかしこの試合は3者ともガンバリャン支持でしたし、グラップリング出身のジャッジがむしろ率先してガンバリャンに30をつけていました。彼らが評価したのは、間違いなくTDとトップキープの時間です。2RはTD3回、3RはTD1回に長時間のトップキープですから、それなりに妥当なようにも思います。

ではこの試合でミラーが不満に思っており、ブラッディ・エルボーの中の人も賛同し、そしてジャッジが評価していないものが何かといえば、それはボトムからの攻めです。そして今最もMMAの判定を納得できないものにしているのが、このボトムからの攻めを含むグラウンドでの攻防なのではないでしょうか?

結論から言ってしまえば、ユニファイド・ルールにおいてグラウンドではレスリングの考え方が基準としては大きな比重を占めており、柔術の考え方がさほど理解されていないことに尽きるように思います。問題は、レスリングと同じくらいに柔術をバックボーンに持つ選手が多いにも関わらず、ジャッジ達にとってはレスリングの基準のほうが優位であることです。これによって柔術を基礎に持つ選手は、自分の得意なポジションを一つ失うことになります。

恐らくボクシング系のジャッジもレスリングは理解できているのでしょう。しかし柔術の「下から攻める」というのがよくわからないのではないかと思います。仰向けになったら劣勢である、というのは組み技競技においては大多数が同じ概念を有しているからです。

柔道はその一つです。柔道では相手の背中を地面に着けるように投げるほどに高得点になります。そして押さえ込みというものがあり、相手の背中を一定時間以上地面に着けたままにすれば、相手を制圧したとして時間に応じて得点が発生します。このどちらも、相手を仰向けにして倒すこと=相手を無力化することと定義されていることになるでしょう。

レスリングも同じです。相手の両肩を地面に着けさせて時間を経過させれば「フォール」として完全勝利です。フォールをせずとも、フォールに近い状態に持って行ったり、相手の肉体を自分の意に沿う形でコントロールすることでその内容に応じて得点が入っていきます。投げやタックルで高得点、バックを取ったりうつぶせの相手の体を仰向けにしても点が入ります。

奇しくも世界で代表的な組み技競技において、そのどちらでも仰向けにされることは敗北であると定義されているのです。東西問わずボトムというのは人間にとって「死に体」であるとされていることからも、これは生物学的にそうなのではないかという気がします。

対して柔術では、下から攻めるという概念が存在します。柔術にも投げ、押さえ込み(ニー・オン・ザ・ベリーやマウント等)に類するものがありますが、自分から仰向けになって攻めるのは普通の行為です。BJJの動画を見ると引き込みから試合が展開するのをよく見かけます。引き込みはつまりは自分から下になって相手を寝技に引きずり込む行為です。柔道では寝技への引き込みは基本禁止です。道着ありなら道着を掴んで、無い場合には相手の頭を抱え込んで引き込むのが多いようです。

柔術は技術が発展していった結果、もはや下になることは不利ではないどころか、下からのほうが得意な選手が大量に出てきたのです。柔術エリートのファブリシオ・ヴェウドゥムなどはその筆頭でしょう。彼は下から相手を極めるエキスパートで、過去レジェンド・ファイターであるエメリヤーエンコ・フョードルとストライクフォースで対戦したとき、打撃を当てた後に終わらせようと焦って突っ込みすぎたフョードルを下から素早く捕まえて、暴れるフョードルをうまくコントロールして足をがっちりとロックし、とうとうトライアングル・チョークで完璧な勝利を奪いました。相手の力を利用して勝利する、まさに柔術の理想形ともいえる勝ち方だったでしょう。

ただ調べてみると、引き込みはある程度の熟練者がやる行為で、初心者がやるとやっぱり不利であっさり負けてしまうみたいですね。このあたりは自分はそこまで詳しくないので、もし柔術をやっていらっしゃる方がいたら、今の柔術の攻め方や、引き込みの位置づけについて詳しくお聞かせください。

つまり柔術の考え方からいけば、下になることは必ずしも不利なことではありません。しかしレスリングの考え方から言えば自殺行為です。ではそのどちらの要素もミックスされたMMAではどうなのでしょうか?

現状では、やはり下になる行為そのものが不利という考え方になっています。トップキープの時間が計測されていることからもそれは明らかです。下になるということそのものが選手にとってはマイナスに作用しています。

そしてすべての問題がここにあります。下になるにも色々ありますが、恐らく柔術をバックボーンに持つ人からすれば、ガードの状態で下になっているのを不利とされるのが一番納得のできないところではないでしょうか?柔術ではガードは有利でも不利でもありません。得手不得手があるくらいでしょう。柔術に秀でた選手が、ガードから慌てるそぶりもなく攻め方を考えているのはよくみる光景です。

しかしMMAではこれがマイナスに作用します。上を取られていることは、相手に支配されていると考えられてしまうのです。たとえそれがガードであってもです。だから選手たちはひたすらにTDを防ぐこと、そしてTDされたら可能な限りすぐに脱出することばかりを考えるようになっています。下から攻める選手もいますが、それこそ極めることが出来なければ判定ではまず負けてしまうのです。

そしてこの仕組みを利用して勝とうとする選手も大勢います。前のエントリーで紹介した記事中にある、ペティスvsグイダなどもその一例です。レスリングが得意な選手が、ストライカーや柔術系の選手を転がして上に乗り、ひたすらにその状態を維持して判定勝利することはよくあります。何しろレスリングは相手を制圧して寝かしつけることに特化したスポーツですので、相手が自分から下になってくれたらそのまま上に寝っ転がっているのはお手の物なわけです。さらにグラウンドでの打撃もありますから、上になってガードからでもコツコツと殴っていればどんどんポイントがついていきます。攻めるふりをしていればブレイクされることもありません。

もちろん柔術系の選手もただ寝かされているわけではありません。隙を見てサブミッションを狙ったり、下から肘などを使って反撃に出ます。ウェルター級のカーロス・コンディットはGSPとの試合で、上になったGSPの頭に肘を次々と撃ち落して有効な反撃を行いました。アンソニー・ペティスは上に乗って一息つこうとしたベンソン・ヘンダーソンの一瞬の隙をついて前のめりになったヘンダーソンの腕を絡めとり、アームバーによって勝利しました。5Rの間ほぼずっと上に乗って顔を小突き続けたチェール・ソネンを相手に、最終ラウンドで一瞬の隙を突いて三角絞めに捕えたアンデウソン・シウバの試合は今も伝説となっています。しかしこれらは成功してこそ意味があるわけで、判定まで行けばまず勝てないのです。

このような現状から、当然指導者は下になるな、なったらすぐに逃げろと教えるでしょうし、選手もそれに基づいたファイト・スタイルを組み上げていきます。そのために下から攻める行為は優先順位が下がっていきますし、さらに皆がその行為を避ければジャッジの側も「やはりボトムは不利なのだ」と考えていくようになるでしょう。選手からすればまったくボトムは不利だと感じず、さらには下から自分が攻めていたのだと思っていても、そして事実下からよく攻めたとしても、判定で負けることが出てくるわけです。ミラーはこれを「MMAの退化」と表現しています。

自分の考えとしては、グラウンドでの打撃がある以上基本的に上を取られたら不利だと思います。ただ有効な攻撃がない膠着状態でのガードはイーブンとするべきだ、と思っています。ガードで上になった状態で有効な打撃を当てるなりパスガードをするなりすれば、トップを取ったほうが優勢でしょう。しかし上に乗ってからガードのまま相手にコントロールされて頭を下げて膠着しているならば、柔術もミックスされた競技だというならばイーブンとすべきではないでしょうか。たとえTDしてトップを取ってもその後に攻撃が続かないならば、TDもそこまでの高評価にはするべきではないように思います。よほど綺麗に投げたならば別ですが、相手を崩せずうつぶせに落としたりしたらそれは無効でしょう。さらにガードから下の選手が肘などで相手を攻撃すれば、それは下の選手の有効打となるべきです。サイドやマウント、ハーフガードは議論の余地なく上の選手が優勢と見ていいでしょう。

ガードの位置づけを少し変えるだけで、MMAでの不愉快な判定は一気に減るのではないでしょうか。TDはポイントになるけども、その後グラウンドでガードになってからパウンドやサブミッション・トライ、パスガードが無ければポイントは双方変動なし。お互い膠着するなら早めにブレイク。これなら中々にいい落としどころではないでしょうか。

現状、MMAをバックグラウンドに持つジャッジは多くありません。MMAの歴史自体が浅いため、他競技のジャッジに勉強してもらって採点をお願いしているのです。そのために多くはレスリングかボクシングの人です。件のミラーのジャッジも、3人中2人がボクシングの人でした。なのでいくら講習を受けてもらっても、やはり門外漢としては理解できないところがあるのでしょう。何しろMMAにはあらゆるコンバット・スポーツが組み込まれています。ボクシング出身者にはどういう蹴りがクリーンヒットなのかわからないかもしれませんし、レスリング出身者には柔術のボトムからの攻めは悪あがきにしか見えないかもしれません。一応講習を開いて他競技のジャッジにもこういうのが有効だよ、とは指導しているようですが、そう簡単には理解できないでしょう。

そして日本のファンを始め、海外のMMA記者などがボトムへの理解が深い理由は、日本の格闘技興業、つまりはPRIDEにあると私は思います。PRIDEは日本発祥のMMA大会でしたが、そこではジャッジ達がレスリングにあまり傾倒しておらず、むしろ柔術への深い理解がありました。そのために、そこまでボトムが不利だという扱いはされていなかったと記憶しています。上になってパウンドを落とせれば良し、上になっても何も出来ず、むしろ下から柔術などで仕掛けられたりすれば上の選手が不利であるとPRIDEではきちんと判断されていたと感じています。PRIDEを見ていた人からすれば、ガードで上になって動きがないのは、上の人間がコントロールされているからだと感じるのではないかと思います。まあPRIDEはPRIDEで、ガードから一切動きがないのを10分くらい見せられていたような記憶がありますがwただ私も日本の格闘技の洗礼を受けているために、必ずしも上を取った選手が優位でないケースがあることを理解できます。下から攻めている場合、下の選手が優勢に運んでいるのだと感じることができるのです。おそらくこの感覚が、北米のジャッジにはわからないのではないでしょうか。

コール・ミラーの意見には賛同できるものがあります。下からの攻めをもっと評価するべきですし、ガードで上に寝ているだけならさほどのポイントを付けるべきではないでしょう(殴ったらもちろんポイントです)。そうすることで、もっとグラウンドでの展開が期待できるでしょうし、ジャッジに有利に見せかけるためにひたすらに上に乗っかり続けるような選手も駆逐できるでしょう。

しかしミラーのいいたいこともわかりますが、現状そういうルールである以上、ルールが変わったりジャッジの質が向上するのを待つよりも、適応していくほうが懸命です。アンソニー・ペティスはそのポイント・システムのせいで負けましたが、彼はシステムに不満を言うことなく、よく仕組みを把握してスタイルを適応させたうえで完全勝利を遂げています。ルールに不満を言うのも大事ですが、その仕組みをよく把握して利用するのもまた大事です。

判定に関しては日本も他人ごとではありません。先日VTJでの判定で所選手が負けとなったことに抗議文を提出する動きがあったようです。試合を見ていないのでどちらが勝利したと思うかは書きようがありませんが、裁定を覆せずとも抗議をしておくことは大事かと思います。選手がこういう不満を持っているのだ、と伝えなければ改善しようがないからです。あまりジャッジを責め立ててしまうのは公平な判断に影響を及ぼすのでやめるべきですし、多少納得できずともジャッジの判定は基本尊重するべきです。しかし、判定結果が変わらずとも抗議自体はしておいたほうが業界にはプラスです。決して完璧にはいかないからこそ、互いに歩み寄って問題点やらを共有することで、わずかずつであっても確実に良くなっていくでしょう。なので「これがポイントになったと思う」ということを公表して採点の仕組みを問うことはいいことだと思います。

今のMMAの判定で問題なのは、ミックスされている競技をジャッジがすべて完全には把握していない、ということです。だからミラーのような攻める柔術を使う人からすれば、「柔術について何も知らないど素人」と思えてしまうわけです。しかしそれは仕方のないところでもあります。根本の考え方が違う競技を矛盾なく理解すると言うのは至難です。どちらかの競技に深くかかわっていればいるほどにそれは難しくなるでしょう。ミラーの言い分は、レスリングの人からすれば「レスリングを理解していない」ともいえるからです。自分が見る限り、やはりキックボクシングと柔術に対する理解が乏しいと感じますし、それはジャッジがボクシングやレスリングから来てる人が多いのが原因でしょう。最近はキックもかなりカウントするようになってきましたが、一昔前はキックボクサーが全然ポイントを取れないことがあったように思います。またグラウンドではトップ、ボトム両方の打撃がカウントされるようになりましたが、どの打撃がクリーンヒットなのかわからないためにかなり多めにカウントされてる気もします。クリンチで足をけっ飛ばしたりするのもカウントされてましたから、コツコツやっとくのがやはり判定では有利になりそうです。

ミラーはたぶん、もっと若いMMAをやっていた人をジャッジとして採用してほしいのでしょう。事実MMAをやっている人ならば、もう少しボトムからの攻めに理解があるとは思います。どういう仕組みでジャッジを選定しているのかわかりませんが、柔術やキックボクシングの人をもっとジャッジに採用してもいいかもしれません。そうでなければ、これからも柔術やキックボクシングはMMAの根幹を成す競技でありながら、その技術が軽んじられ続けてしまうのではないでしょうか。結果選手たちはボクシングとレスリングにこれからもますます傾倒していくことになるでしょう。そのほうが判定で有利だからです。

ただ実際は当分そうはならないでしょう。ジャッジはコミッション、つまり行政の関与することだからです。だから理想なのはペティスのように現行のルールを把握し、そしてそういうやり口を研究して対策をした上で、自分の得意な土俵に持ち込んで勝つことです。それは十分に可能ですし、ミラーがそれをできないのは自身の力不足でもあります。ルールに不満を言うのもいいですが、やはりそれを研究して「ではどうするか」を考えるのが一番大事です。ミラーにもっと下から極める力があるか、下からの攻撃で相手を完全に行動不能にできればよかったわけですし、それを可能にする努力もまた「MMAの発展」です。事実最近は下からのエルボーがかなり有効になってきています。誰かが下からの攻撃で勝利を重ねれば、ジャッジにも「ボトムは必ずしも不利ではないのだ」を気づかせることができるかもしれません。

またミラーは「ダメージ」というものを主張しますが、これもまた結構問題となる考え方です。リョート・マチダとフィル・デイビスの試合でもこの言葉が使われました。別の機会にこのことを論じるかもしれませんが、自分はこのダメージの完全な計測というのは無理なんじゃないかなと思っています。ダメージのカウントはダウンかそれに準ずる状態のみしかできないと思いますし、それ以外はダメージの多寡はわからないので手数で評価するべきだと思います。それでも手数で言えばこの試合はミラーの優勢でしたのでそれなりに納得はできます。しかしトータルで10発程度の差であれば、やはりミラーもそれだけ上から殴られているわけです。その程度の差ならば、TDとキープの時間を加味すれば負けでも仕方ないところかもしれません。

もう少しボクシングとレスリング以外の要素が評価されるべきなのは間違いないでしょう。しかしそれを主張してスタイルを固持し続ければ、就職情報誌を眺める羽目になるだけです。主張をする一方で、ルールを利用しつくしてやるんだという割り切りも必要です。選手の目的はスタイルを貫くことではなく勝つことだからです。古来より自分のスタイルにしがみついて滅びた者は数知れません。生き延びるためには、常に最先端に適応し続ける柔軟さが必要なのだと私は思っています

18 件のコメント:

  1. ミラーは自分の能力が正しく評価されないことより、未熟なジャッジ体制がMMAの本質を歪ませる事実を嘆いているんだと思います。

    ジャッジひとつが、これからのUFCつまりMMAというスポーツのあり方を形成していく重大な使命を負っていると思います。すべてのファンと、ビジネスと、ファイターや練習生、多少大袈裟ですが、こどものためにという感じでしょうか。

    僕はミラーの言う通り、MMAスポーツの発展を任される人間が、軽視できる問題に思えません。

    ジャッジの教育に本気で投資しないと、衰退もありえると思います。

    サッカーもバスケットもボクシングも、度重なるルール変更を経てブランドを発展死守してきたんだと思います。

    ジャッジひとつとっても、MMAスポーツはまだ磐石ではないなという印象ではあります。

    返信削除
    返信
    1. 今度紹介しようかと思ってるんですが、教育は結構やってるみたいです。ただMMAの発展に追いついていないのが現状です。何しろここ数年で急速に技術が進歩してますからね。コミッションも予算が絶望的な中でよくやっているほうだと思います。

      バスケットなんかは今もルールがいろいろ変ってますよね。昔バスケットをやっていましたが、久しぶりにNBAを見たら別物になっててびっくりしました。競技を面白くするためにルールをいじることに関してはアメリカはとても優れています。さすがにショースポーツの本場です。

      あとレスリングが今年またルール変更になるみたいですね。あれだけ歴史ある競技なのにすごい頻繁です。選手は大変です。

      MMAは新興スポーツですから、まだまだルールは盤石どころかようやく基礎が少しはできた程度でしょう。そもそも専任のジャッジが全然いないという時点でまだまだです。ボクシングやレスリングなどからジャッジを借りてこなくてもいいようになって、ようやくなのではないでしょうか。もう少しすれば現役を引退する選手も増えてくるでしょうし、そういう人たちの引退後の就職先になってくれるといいですね。

      ルールはほんのちょっとの変更で、競技そのものをダメにしたり輝かせたりするので、naoさんの表現は決して大げさではないでしょう。だから声は上げるべきです。ただその一方で、現行ルールはやはり利用しつくすほうが賢いでしょう。変わるのを待っているだけでは、ただ敗北を重ねてしまうだけだからです。

      削除
  2. >ダメージの完全な計測というのは無理なんじゃないかなと…

    仰るとおりですし難しい問題ですよね

    自分はVTJの所vsカンプザーノは
    ダメージはカンプザーノ、アグレッシブは互角、TD/GCは所とみて
    その前のウィッキーvs大澤からするにダメージ優先のジャッジかなと思って納得してたんですが
    そもそもKO/TKO以外ダメージそのものを量るというのは難しいですよね
    パフォーマンスに影響が出なければいくら景気いい音がしたり顔が歪んでもないともいえるし
    動きが鈍くなってもダメージでなく単に疲労かもしれないし
    単にヒット数とすると仰る通り悪い意味で本場のムエタイみたいになってしまいそうですし

    極論するとジャッジに試合を委ねるなという事になってしまうんでしょうが
    それを目標ならともかく義務にしてしまうのは非現実的ですし

    返信削除
    返信
    1. なるほど、所選手の試合もこのミラーと似たような感じだったんですね。アルバレス・チャンドラーもそうですが、打撃を取るかTDを取るかは難しいところです。

      ダメージに関しては、本当にダメージがあるのならその後のパフォーマンスで必ず何かしら影響が出ます。ボディをやられれば動きが悪くなって手数が減ったりディフェンスが甘くなりますし、頭部へのダメージで脳が揺れたら相手への反応が遅れていきます。足をやられたら前に出なくなったり打撃から勢いが奪われていきます。目をやられたらやはり被弾が増えていくでしょう。その結果、ダメージのある方は結果的に手数やらTDやらポジション争いで負けていくのだと思います。そして有効な攻撃数の差に繋がるだろう、というのが私の考えです。

      なので基本的にはヒット数などの計測による判定は概ね正しいだろうと思います。選手の心構えとしては、とにかく一発でも多く攻撃を当てることを考えるのが、フィニッシュするにも判定で勝つにも一番得策だろう、というのが私の考えです。

      削除
    2. >ダメージに関しては、本当にダメージがあるのならその後のパフォーマンスで必ず何かしら影響が出ます

      そう考えると所カンプザーノはいい打撃を当てたのはカンプザーノですが
      最後まで動きが落ちずTD後も漬けるのではなく積極的に一本を狙いにいき続けた所ですね

      アルバレスチャンドラーはMMA史上に残る熱戦だったみたいですね

      削除
  3. ダナハー2013/11/06 0:50

    柔術では完全に下からの攻めが主体になっていますね。特に近年、ATOSという道場の選手達が50/50ガード、ベリンボロという技を多用するようになってからその流れが広まり、最近では両者が下になりたい為に、お互いに座り込んだ状態で脚を絡め合うダブルガードという体勢も存在する程です。グラップリングでも柔術ほどではないですが、やはり下攻めが主流な印象はあります。
    柔術が今ほどスポーツ化される以前の選手やグレイシー直系の選手にはこの流れを批判する傾向がありますが、個人的にはスポーツとして発展する中で生じた現象なので、やむを得ないのではないかと思います。

    返信削除
    返信
    1. 調べたらどちらも下になって片足を軽く取った状態なんですね。ダブルガードを調べたら、さらにそのダブルガードの対策法なんてのもたくさんありました。今は下からが主流なんですね。しかしお互いが下になりたいからと二人が体育座りみたいになってる絵はちょっと面白いですwこうなってくるとますますガードで下になってるから不利という今のMMAの考え方は柔術家には納得できないものかもしれませんね。

      ただやはり打撃があると下は今でも不利だと思いますし、本来の成り立ちやらルールがないことを考えた護身術の観点からは、下になるのはよくないのかもしれません。

      でも不利と思われていた状態が主流になるのはどのスポーツでもありますし、これは発展の証左でしょうから私もしょうがないと思います。そしていつか下からの攻めに対する古くて新しい技が開発された時、また下は不利なポジションに戻っていくのではないかと思います。技術の進歩は常にいたちごっこです。

      ところでダナハーさんも、やはり下からのほうが得意ですか?

      削除
  4. ダナハー2013/11/06 19:27

    私自身は本当に趣味で軽くやっている程度なので、得意不得意を語るのはおこがましいのですが、体格が余り大きくないので、下から攻める事が多くなってしまいます。スタイルとして憧れるのも、前述のATOS所属のハファエル・メンデスのような回転系のガードを使いこなす選手ですね。

    現在の競技柔術はMMAとは全く乖離しているので、最新の技ほどMMAでは使いづらいと思います。以前、日沖発選手が「現在のUFCで理想的に柔術を使いこなしている選手は?」という質問に、GSPと解答していました。個々の技術だけの話ではなく、自身をフィニッシュされる可能性のある場所から遠ざけるという意味でだそうで、なるほどなと納得されられました。試合におけるパスやサブミッションの比率が減って、一見すると柔術はMMAに必要ないのでは?思われがちですが、試合を形作る意味ではやはり重要な位置を占めているのだと思います。

    返信削除
    返信
    1. なるほど、そういう理由で下から攻めると言うのもあるんですね。興味が出たので柔術動画を見てたらハマりつつあります。面白いですね柔術。そんな技の入り方があるのかというのばかりです。

      そして日沖選手の話も興味深いです。さすがです。以前海外のMMAサイトでも、MMAで柔術は死んだのかというテーマの記事がありましたが、日沖選手の指摘同様柔術はよりディフェンシブな形で今も必須なのだということでした。互いがディフェンスに精通した結果、極まらなくなったから使われていないように見えるだけなのでしょう。GSPがニック・ディアスやコンディットの柔術をすべて危なげなく回避してたのはすごかったですからね。特にニックに至ってはやること全部先読みされているように見えました。お釈迦様の手のひらの上で転がる悟空状態だったと思います。

      削除
    2. ワイドマンの勝利によってレスラーが柔術の重要性に気づいた~といったことを書かれていた記事のときに、コメントするかどうか迷ってやめていたのですが、管理人さんがいまだ思い出していないようなので書きます。
      管理人さんの大好きなフィッチさんが、柔術黒帯だということを…(そのことを管理人さんが思い出していたなら、もしやフィッチさんの強さはレスリング+柔術だからなのではないか、みたいに考察してくれていただろうにと、管理人さんの考察のファンとして残念がっていたのです笑。ちなみに、アスクレンの強さもまた、高度なレスリングに柔術が加わっているからではないのかと自分は思っています)。

      削除
    3. それと、そのとき(以前の記事を読んだとき)に思ったのは、MMAで結果をだせない柔術家は一本を狙いすぎなのではないか、ということです。逆に、一本だけでなく漬けることも選択できる柔術家が、成果をだせているのではないかと(マイア、青木、シールズ、ビビアーノなど)。
      もしMMAで下の状態が評価されるようになり、一本にこだわらない強豪柔術家が入ってきたとき、我々MMAファンは改めて柔術の恐ろしさに気づくのかもしれません…。
      (横から割って入ったうえに、管理人さんの真似事のようなことしてすみません汗)

      削除
    4. やだなー自分がフィッチさんのこと忘れるわけがないじゃないですか!覚えてましたよもちろん。あのフィッチさんですよ?



      嘘ですすいません。完全にフィッチさんのことは忘れていました。というか最初期の記事で、フィッチさんが餌を撒いて相手に一本への色気を出させて、それを利用していいポジションを奪うって言ってたのを思い出しましたが、あれはまさにレスリングと柔術の融合ですね。それもディフェンシブな運用です。確かにあそこで考察してもよさそうなもんです。もしかしたら、自分の中でフィッチさんへの愛が知らず薄れてきているのかもしれません。l

      ホジャーも無理に一本狙いすぎてる感じでしたね。確かにもっと殴ったほうが手っ取り早いし安全だと思うことは多々あります。やっぱりGSPがそういう意味では一番優れているのかもしれません。

      コメント欄は皆さんの意見を聞きたくて解放したので、自分はこう思うとかこういうこと知ってるというのがあればどんどん教えてください。特にこういうことを知ってるよ!みたいな情報はすごいうれしいです。たとえばこのコメントをしてくださったダナハーさんであればこうやって柔術の専門知識などを教えてくださいますし、こういうのは格闘技中毒にはうれしい限りです。

      削除
  5. ミラーvsガンバリャンってプレリミカードだったんですかね

    下からの攻めがMMAの発展に繋がるってのは自分もそう思います
    特にコンディットの下からの打撃とか他の選手達も参考にしてほしいと
    常々思ってました
    うろ覚えですがSFのムサシvsキングモーなんかもムサシの敗けになりましたが
    漬けきろうとするモーをムサシが下から上手く殴っていたような気がします

    有効打や有効投げに関して、
    アルバレスvsチャンドラーは自分もエディさんとまったく同じ意見・採点です
    チャンドラーは勝ちを奪われたってコメントもちらほら見ますが同意しかねます
    関係ないですけど2Rか3Rの最中にスタミナも切れてふらふらになったチャンドラーが
    次のラウンド(たぶん4R)でいきなり元気になって戻ってきたのには驚きました
    「なんだこれ?おかしいな」って思いました
    ラウンド間の水分補給の時に水に何か仕込んでるんじゃないかと邪推しちゃいました
    と言うのもたまたまOZってアメドラで刑務所の慰安ボクシングトーナメントで
    水分補給時に相手を弱らせる薬を仕込むってネタを見たばかりだったからでしょうか
    検査が甘いと評判のベラトールなら逆に選手が元気になる薬を混ぜる事があっても納得してしまいそうです
    まあパフォーマンス向上薬に関してはバレてないのに無暗矢鱈と疑うのは避けたい派なんですけどね
    数いる選手の中でもチャンドラーとメンデスはどうしても疑いたくなってしまいます
    グイダ戦のメンデスの反応とか異様でしたし

    判定基準に関する考察で述べられている中で「手数」については、
    せこく見えるので自分は好きなやり口じゃないですがベンヘンが色々と工夫してますよね
    密着状態でコツコツ蹴ったり
    あれも手数として計算される予定でやっているのでしょう
    ソネンの全く効かないパウンドも同じ部類かも知れません
    またダメージを与えるつもりが無い手数と言えばスタンドでもたまに見受けられます
    運が良ければガードの上に当たるかな?みたいな
    ベンヘンがやる様な全く当たる距離にない、距離を測るでもない無駄ジャブとかも一応計上されるのでしょうか、、

    話は逸れますがFightNight30と言えばギラードvsロスピアソンで
    ピアソンが片手をついてる状態でギラードの膝が入って(かなり微妙でしたが)無効試合になりました
    あれはギラード可哀想だなと思います
    ピアソンはルールを逆手にとって超絶不利な状態から膝攻撃を避けるためだけに片手を着けようとしてました
    デイリー戦でだったかでニックディアスが見せた這い這いガードなんかは面白くて好きですが
    ピアソンのあれはちょっと露骨過ぎてどうしようもないですね
    まあ彼はお凸が陥没したんじゃないかってような傷のつき方でしたし
    かなり危険な膝攻撃だったので仕方ないのかもしれませんが









    返信削除
    返信
    1. チャンドラーは3Rに異常な失速を見せましたね。スタミナ切れに見えました。あれだけの運動量とTDトライでは当然だろうと思いましたが、4Rには突然元気になってましたね。インターバル中に中の人が入れ替わったのかと思いましたw

      ただ薬物は疑わしくても胸に秘めておくが吉かと思います。私は引っかかるまではこいつおかしいなと思っても公言は避けることにしています。引っかかったら・・・まあ一本記事が出来上がるでしょう。悪意に満ち満ちたものがw疑いだすと全員黒に見えちゃって楽しめないですしね。

      手数に関しては、TUFでジョーンズがやはり同じ指示を出していましたね。ガードで肘を使ったりクリンチで腿を膝で蹴るのはポイントになるからやってけと。手数にもなりますしまったく効果がないってこともないでしょう。相手の注意を散漫にもできますから決してアピールだけではないだろうと思います。ああいうコツコツ打撃は試合で判定においてもダメージにおいても結構重要度が高いんじゃないかなと思ってます。ソネンさんのは脱出をさせないための嫌がらせとポイント稼ぎ、そしてブレイク防止でしょう。理に適ってると思います。

      ジャブはさすがに当たらないとカウントされないと思います。ただその強弱は勘案されていないでしょう。軽くだろうと綺麗に入れば有効打だと思います。ああいう手の動きはボクシングでも見かけますし基本はフェイントとリズムを取る目的でやっているのではないでしょうか。

      ギラードvsピアソン、一発目はギリギリセーフだったと気がしますが追撃は反則でしたね。露骨ですがピアソンに限らず皆やってますし、ルールというのはそういうものですから仕方ないです。私はああいうルールの穴をつく着眼点というか、発想自体は称賛されるべきものだと思っています。あれもスポーツの面白さと考えるからです。ギラードもあれはまずいだろうというのはわかっていながら、イラついてやっちゃった感じですね。

      しかしピアソンの傷ひどかったですね。似たような体勢の膝をジョシュがミアにやって沈めてましたが、あの技は威力すごいんですね。まあ技と言えるほどに上品なものではないかもしれませんがwあれを見ちゃうと4点膝解禁は少しやめた方がいいのかなと思えてきます。今の選手のフィジカルだと死人が出ちゃうかもしれないです。

      削除
  6. 背中を地面につける事が不利と見なされる格闘技の例として柔道を挙げられていますが、
    柔道で抑え込みが宣告される体勢は、BJJでも上側の人間のポイントに加算される体勢ですし、逆にBJJ でガードと認識される体勢(上側にポイントが加算されない体勢)では、仮に背中を地面につけていても、抑え込まれた事にならない事が多いです。
    ただし抑え込みの細かい基準は柔道の中でも変わる事があり、厳密には異なる部分もあります。
    この辺柔道とBJJ は寝技における有利・不利な体勢に対して、ルールの上では意外に共通した認識を持っているみたいです。

    ただし上対下の攻防が試合の主体となる柔術と違い、下からの攻めを初めから練習していない選手も多い柔道では、背中をつける事=不利な事と認識して自分から亀の体勢になる事を選ぶ選手も多いですが。

    返信削除
    返信
    1. ご指摘の通り、確かに柔道でもガードはありますね。それが押さえ込みの定義から外れる以上、柔道でもやはりそれは不利とはみなしていない、というのはごもっともです。ただ不得手だったりあまり練習していない、もしくは攻めた際のリスクを考えて亀を選択することが多い、というほうが正しいですね。

      オリンピックだと寝技のブレイクが異常に早いですが、世界柔道なんかではそうでもないので結構寝技の攻防がありますから、そういうところだと下から攻める人も多そうです。というかブラジルの選手が思いっきり柔術使ってるの見た記憶がありますw

      一応、東西問わず押さえ込みという概念があって、下から攻めるのはあんまり一般的じゃない、ということを言いたかっただけなので、概論ということでご容赦くださいw脇が甘かったらまた今回のようにご指摘くださればと思います。

      削除
  7. わたしはチャンドラー支持派ですね~。
    理由はチャンドラーの方が積極的で試合をコントロールしていたから、というのが大雑把な見解です。エディはピンポイントにパンチをしっかり当てていたのが見事でしたが、逆に言えば5R以外はパンチしか当ててないんですね。そんでチャンドラーはテイクダウンとサブミッションを何度もトライし、パンチもしっかり当たっていたと思うんです。彼はパンチを貰いすぎちゃいましたし綺麗な打撃ではなかったかもしれませんが、わたしは1、2Rともにチャンドラーを支持します。逆に3Rが微妙でした。4、5Rは明確ですね。もっともエディもしっかりスタミナをつけて5Rを獲ったからこその勝利ですから、エディ勝利でもしっかり拍手を送りたいですね。接戦だったと思います。

    混合がわりとできて来ているボックス&ムエタイに比べると、レスリング&柔術はまだまだ混合しきれていないと思います。というかとにかく相手をピンして封殺するレスリングと回りまくってサブミッションを仕掛け合う柔術が「水と油」な関係になっちゃってると思うんですね。それが人によって評価の食い違いを生む結果に繋がっちゃっている気がします。
    アメリカでも柔術を大好きな人はたくさんいますし、柔術に理解が無いわけではないと思うんですね。あとはMMAの選手だったり、理解がある人がジャッジの席につけるかが全てだと思います。そのためにももっともっとスポーツとして認知されていくのが大事なのかな、と思います。試合に優劣はつきますが、技術に優劣はありませんしね。

    あと長ミラー兄はマイクでピアソンさんをディスったりしてイギリスの観客にいらんアンチを増やしちゃったと思います(笑)そういうことしちゃうから色眼鏡で見られちゃうんだよ!(笑)

    返信削除
    返信
    1. アメリカだと柔術はかなり普及してますね。高齢でもできるスポーツとして幅広く楽しまれているようで、ベンヘンのお母さんも割と最近柔術始めたなんて話を見た記憶があります。

      ただ、その普及度や指導者の多さに対して、あまりMMAのジャッジについている印象がありません。アルバレスも試合後に判定について言われて「ジャッジは自分のバックボーンを贔屓するもんだ」と言っていました。その通りなんでしょう。だからこそ、バックボーンがMMAというジャッジが増えない事には問題は解決しないと思います。それにはもう少し時間が必要で、その間MMAは成長し続ける必要があるでしょう。ここからがMMAの正念場になると思っています。

      後私は知らなかったんですが、そんなディスをしてたんですかwあんまりそういう人なイメージなかったので意外です。記事中のミラーの開き直ったようなコメントも、割とアンチが増えてるからかもしれませんねw

      削除