2013年8月22日木曜日

カーロス・コンディット、オリンピック選手とレスリング特訓をする

カーロス・コンディットはレスリング改善の補助に2012年度オリンピック選手のジェイク・ハーバートを招聘した

Hi-res-6752252_crop_north

bleacher reportより

UFC158でのジョニー・ヘンドリクスへの敗北の後、元暫定ウェルター級チャンピオンのカーロス・コンディットはトレーニング・キャンプを進めるにあたってレスリングを優先させることに決めた。

ヘンドリクスは基本的にはコンディットを倒したといえる、なぜなら彼はコンディットを試合中12回にわたってマットに倒すことができたからだ。コンディットはその試合のどのラウンドでもヘンドリクスより多く打撃を放ち多く当てた、だがテイクダウンという要素を考慮したとき、スコア上の優勢は彼の対戦相手に行った。

コンディットは2連敗という結果になった、その対戦相手は判定勝利を勝ち取るために多かれ少なかれ彼を相手により優れたレスリングが出来る選手だった。もう一つは2012年のジョルジュ・サンピエールに対するタイトル戦での敗北だった、その試合でそのカナダ人は彼の打撃をきちんと避けるために終始コンディットをマットに倒し続けた。

コンディットは3月の敗戦の後に表明した、ニューメキシコの家に帰って、これまでどのトレーニング・キャンプでもかつてやったことのないような方法でレスリングを学び理解するつもりだと。

「私は明確にそれを優先させてきたんだ。」コンディットはブリーチャー・レポートに彼のレスリング・ゲームについて語った。「君は自分の他の技術やゲームの他の面を無視することはできないんだ、だがレスリングは私がここ2戦で敗北した理由の大部分を占めている、だから私は本当にそいつに必死に打ち込む必要があるんだ、そしてそれをやってきた。」

皮肉なことに、コンディットの次戦であるUFC Fight Night 27はマルティン・カンプマンとのリマッチとなる、彼は二人の最初の対戦において一連のテイクダウンとグラウンド・ワークが大きな要因となって勝利した。カンプマンは一般的にレスラーとして認知されているわけではないが、それでも彼は繰り返しコンディットを仰向けにしたし、そこが彼が勝利するための最大のチャンスだっただろう。

最初の試合の繰り返しにならないようにするために、コンディットは高い経歴を持つグラップラーを幾人か招聘して、カンプマンや他の彼をマットに倒そうとしてくる選手に備えた。

「私は幾人かの本当に、本当に良いコーチ達と練習したんだ。」とコンディットは説明した。「私達はイジー(マルチネス)を擁している、彼は短い間だがジャクソンズの主要なメンバーとなっている、私はリッキー・ランデルと練習してきて、その後でジェイク・ハーバートという奴と練習した。私は間違いなくある程度向上したし、、私は自分が練習してきたことを披露するのが楽しみなんだ。」

マルチネスとランデルという名前は大抵のMMAファンにとっては聞き覚えがあるのではないだろうか(マルチネスはジョン・ジョーンズとクレイ・グイダのレスリング・コーチであり、ランデルはフランク・ミアやジョー・ローゾンのような選手と仕事をしてきた経験豊富なグラップラーだ)、新しく加わった人物は2012年度オリンピック選手のジェイク・ハーバートだ。

Hi-res-6484430_crop_exact

元ツー・タイム・NCAAチャンピオン、フォー・タイム・オール・アメリカン・レスラー、そして全米最優秀レスラーに贈られるダン・ホッジ・トロフィー受賞者ということで、ハーバートは世界で最高のグラップラーの一人であると考えるに足る全ての証明書を持っている。

彼はMMAに移ってみようかなどと考えていたし、ここ2ヶ月はニューメキシコのジャクソンズMMAでコンディットのレスリング練習を手伝うことに費やしてきた。そこでのトレーニングがハーバート自身のキャリアのゴールに影響するかはどうかはわからない、しかし彼の経験と教えはコンディットが次の試合に備えるのには計り知れないほど価値のあるものだった。

「彼は実に良いコーチだった。」とコンディットはハーバートについて語った。「私は過去に何人か優れたレスラーを招聘した、だがジェイク、彼のコーチング・スタイルは実に、実に優れていたんだ。」

コンディットのレスリング・ゲームは最終的に負けとなったここ2戦を経てはっきりと白日の下に晒されてきた、だが彼はいまだMMAの生徒であり、テイクダウンを止めるためだけに他のスキルを犠牲にすることはなかった。

今回違う点は、コンディットは自分の弱い部分にとても焦点を当てたことだ。その成果はレスリングを向上させるのみならず、彼が成功に対する積極的な姿勢を獲得したことでもあり、8月28日の彼の次戦の準備は十分だ。

「私はそのことを(もっとも積極的になること)ずっと考えているんだ。」とコンディットは言った。「私は最後の試合から本当に完全なオフの時間をあまり取っていないんだ。私はこの夏に楽しいことがたくさんあった、ある程度遊んだりした、いくらかは自分の時間を設けた、だが私はまた向上し、やらねばならないこともやってきたんだ。」

「だからキャンプに来たとき、私はすでにゲームの準備が出来ているようなところがあったんだ。追い込みをかけようとしたり最初の一ヶ月間絞り込もうとして、その後でゲーム・プランと技術練習に取り組んだりはしなかった。私はすでにやっていたんだ。追い込んでやることはなかったね。」

コンディットは新たなレスリング・ゲームを披露し、彼らの再戦においてカンプマンを焼き尽くすのに欠かせない情熱の炎を纏い、UFCのタイトル争いに自身の名前を戻すことを望んでいる。

-----------------
というわけで近々マルティン・カンプマンとのリマッチを控えたカーロス・コンディットのキャンプ内容についてでした。コンディットの大ファンである自分にとってこれは朗報です。

とても個性的で強力なスタンド・スキルを持っているコンディットですが、テイクダウン・ディフェンスがいまいちという弱点がありました。グラウンドでは柔術に秀でており、下から攻めることもできますがどうしてもポイントで不利になり、ここ2戦ではそのテイクダウンによって判定で負けることになりました。データを確認すると、ヘンドリクス戦では有効打ではコンディットが勝っていましたが、12回ものテイクダウンを取られて判定で敗れています。テイクダウンした後に攻撃が続かなかったとはいえ、そもそもクリーン・テイクダウンはかなりの失点になるので仕方ないところでしょう。

そして2連敗という結果になり、いよいよタイトル争いから脱落する可能性が見えてきたということで、コンディットはとうとう自分の最大の弱点を克服することにしたようです。そのために今回彼が一緒にトレーニングしたのがオリンピック・レスラーのジェイク・ハーバートです。

彼の成績を見る限り、確かに世界でも屈指のレスリング・エリートのようです。去年までオリンピック選手だったわけですからまだ現役バリバリですね。彼をジャクソンズに招聘して、レスリングを理解するためにトレーニングをしてきたようで、コンディットはかなり手ごたえを感じているようです。

コンディットの非凡なスタンド・スキルは高めの重心と舞うように軽いフットワーク、そしてそこから繰り出される超長距離の蹴りによって構成されていましたが、テイクダウン・ディフェンスを考慮した場合にそこに影響が出るかどうかが心配な点です。スタンドを犠牲にせずに強固なテイクダウン・ディフェンスを実現できるのならばタイトルに一気に近づくでしょう。

今ウェルター級のトップにはテイクダウンに優れた選手が二人、王者GSPと次期挑戦者のジョニー・ヘンドリクスがいるということで、各選手ともレスリングを強化する動きが見られています。先日マイク・パイルを悪魔のようなラッシュで秒殺したマット・ブラウンも、オリンピック候補に混じってレスリングの特訓をしていたというニュースがありました。この間の試合後も、自分はGSPにレスリングで勝てると豪語していたくらいです。

今やレスリングは必須スキルであり、スタンドで戦いたいストライカーにとってレスリングの練習は欠かせません。MMAレスリングでは何も全てのレスリング・スキルを習得する必要はなく、自分が望む技術だけを選別して強化をすればいいわけですから、必ずしもレスリングのバックボーンが必要というわけではありません。なのでそこまで長い時間を掛けずとも、ある程度の向上は見込めるように思います。

ただあまり鵜呑みにして浮かれるわけには行きません。つい先日もショーグンがフレディ・ローチと練習したというニュースを聞いて喜んでいましたが、蓋を開けてみればアレだったので、本当にレスリングが強化されているかどうかはまだわかりません。しかしショーグンよりも遥かに的確で、今コンディットに最も必要なトレーニングですからこれはショーグン以上に期待してもいいような気がします。コンディットはスタミナは十分、スピード、タフネスもありディフェンスも巧く、何よりもメンタルはUFC屈指の強さを誇る男ですし顔もイケメンですから、必要なのは現状レスリングの技術のみという状態でした。なのでここが改善されるだけで手がつけられないくらい強くなる可能性は高いです。

果たしてコンディットはカンプマンにリベンジなるか?私はカンプマンもものすごい好きなのでどちらも応援したいところですが、今回はコンディットを応援したいと思います。心に炎を宿している二人の戦いが死闘になるのは間違いないでしょう。できればコンディットにKOで勝って欲しいと思います。

2 件のコメント:

  1. 顔は関係ないw 自分もコンディット大好きなのでカンプマン戦楽しみです。

    返信削除
    返信
    1. 日本では希少なコンディットファンの方が!コメントありがとうございます。

      何をおっしゃいます、顔は超重要ですよ!あの面魂だけで金が取れます。ヒゲがめちゃくちゃ似合ってますよね。昔はもっとブサイクだった気がしますが、年齢を重ねるにつれてかっこよくなってると思います。

      削除