ジョン・ジョーンズ:ダニエル・コーミエは「ビッグ・ファイトに値しない」、グローバー・ティシェイラは「準備が出来ていない」
MMA Fightingより
ロサンゼルス―もしジョン・ジョーンズがトロントで土曜日に開催されるUFC165のメイン・イベントにおいてアレクサンダー・グスタフソンを破ったら、彼は6度目のタイトル防衛を記録するだろう、それはティト・オーティスのライトヘビー級レコードを上回ることになる。
しかし205ポンドの未来の挑戦者達に関する限り、王者は過度に熱狂しているようには見えない。月曜日に開かれたロサンジェルスのダウンタウン内でのメディア昼食会において、ジョーンズは無敗のダニエル・コーミエと次の挑戦者としてUFCから線上にタブ付けされたファイター、グローバー・ティシェイラ両名について疑問を投げかけた。
ジョーンズはコーミエに対して個人的な嫌悪感を露にした、元オリンピック・レスラーでストライクフォース・ヘビー級グランプリ・トーナメント勝者である彼は、ジョーンズとの対戦のためにおおっぴらにロビー活動をしていた。
「正直に言えば、私はダニエル・コーミエは本当はビッグ・ファイトに値しないと思っている。」とジョーンズは言った。「私は彼を人として尊敬していない。私が思うに私との試合は彼にとって人生の好機だろう。私はダニエル・コーミエを倒すことで得るものが多いとは思わない、なぜなら誰も彼が誰なのか知らないからだ、そして彼は本当に多くを証明してこなかった。」
ジョーンズはまたコーミエに対する失望も露にした、アフリカン‐アメリカンのミックスド・マーシャル・アーティストの同胞愛の一部として、彼はコーミエとラシャド・エヴァンス両名との間に問題を抱えてきたことに言及した。
「彼は本当に私のことが好きじゃないし、私が大嫌いな奴のように見える。」とジョーンズは言った。「それは悲しいことだ、我々は互いにアフリカン‐アメリカンで、このスポーツで私達のような選手は多くないということを考えるとね。我々は共通の接点を探そうとするべきだ。我々は友人になる必要はない、だが我々は少なくとも互いに敬意を払うべきだ。それは痛ましいことだよ、私とラシャドがそういう悪い関係を持つことも、私とダニエルがそういう悪い関係を持つこともね。」
ティシェイラの方には、個人的な敵意はない。ジョーンズはティシェイラの技術に敬服する一方で、最近のライアン・ベイダーに勝利した試合の後半で、ティシェイラのゲームの欠点を見たと彼は言う。
「彼はハイ‐レベルのファイターになる兆しを見せたと私は思った。」とジョーンズは言った。「彼が私を倒す準備ができているとは思わない。彼は兆しを見せたと私は思った、ベイダーにあれほどハードに殴られたことが、彼がどこにいるのかを見せてくれた。君の言い訳が何だろうと、やはりそれは起こったんだ。もし君が年季の入ったベテランで、君が自分の自信過剰が欠点であることを認めたとしても、それはいまだに君が認めた弱点のままなんだ、そもそもね。もし君が偉大な対戦相手と素晴らしい理解力を持つとして、そしたら君はライアン・ベイダーのような男に突っ込んで行ったりはしないだろう、彼は間違いなく大きく振り回すし、君に対してパンチを繰り返すだろう。私は彼が自分を倒すだろう男とは思わない。」
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グスタフソン戦を間近に控えたライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズの、挑戦者候補に対する意見でした。言ってることは比較的ごもっともです。
ダニエル・コーミエは大した実績がない、というのは自分も同感です。一応ストライクフォースのトーナメント優勝というのが実績になりますし、対戦相手もアントニオ・シウバ、ジョシュ・バーネット、フランク・ミアなどですから決して悪くはありません。ただヘビー級からライトヘビー級に階級変更をするわけですから、一応ランカーと数試合やったほうがいいと思います。
またコーミエが知名度がないのは事実です。運営がグダグダになったストライクフォースの終盤に出てきたのもあって、知らない人は多いでしょう。俺に得がない、というジョーンズの言い分はもっともです。現状ハイリスク・ローリターンです。以前ソネン対ジョーンズの時も書きましたが、やはりその階級でのある程度の実績が無いと、見てる側はその階級での位置づけがわからないのでイマイチ盛り上がりません。ニック・ディアズくらいに知名度があれば別なのでしょうが、やはりコーミエの実績で階級変更してすぐ挑戦は納得がいかない人も多いでしょう。それならばロイ・ネルソンを倒した後に友人のヴェラスケスと対戦していただいたほうがずっと理に適っています。それならばコーミエ以外誰も文句を言わないでしょう。
とはいえ、ロイ・ネルソンに負けたらこのお話はご破算です。彼はライトヘビー級で実績の積みなおしをすることになるでしょう。なんとなくですが、勝ったとしても即挑戦の前にたぶんランカーと対戦するんじゃないかなと自分は思っています。恐らくコーミエはライトヘビーのほうが動きがいいはずです。そこで印象的な勝利を一つ二つすれば、おのずと王座挑戦への道が開かれるでしょう。
アフリカ系アメリカ人としての同胞愛についてはさっぱりわかりません。ボーンズがこういう感覚を持っていることに驚きました。しかし黒人差別はつい数十年前まで当たり前にあったわけですし、今も間違いなくあるでしょう。なので日本にいる自分には理解できない感覚です。あらゆる人種が集るアメリカだからこそ、余計に自分のルーツというものを求めるのかもしれません。衆目に晒されるほどに、そういうものを意識していくのでしょう。ただ皮肉なことに、同胞とは軒並み仲が悪いようです。理由はなんとなくわかりますwただコーミエは友人のヴェラスケスと対戦を拒否した過去がありますし、仲良くなる必要は無いでしょう。また以前コーミエの発言も見ましたが、決してそこまで敬意を欠いていたとは思いません。ちょっとジョーンズは自意識過剰な気もしますね。エヴァンスのときには、ちょっとエヴァンスが乙女過ぎたのが悪いと思いますが。
ティシェイラの事に関しても同感です。ジョーンズは、ティシェイラはトップ・コンテンダーの可能性はあるが現状そこまでではない、と評しています。その理由として、ベイダーのようなタイプを相手に打ち合いに付き合ってダウンするのは「脇が甘い」と言っています。これはその通りでしょう。ジョーンズは彼が自信過剰だからだと言っています。あれが自信過剰だからかは私にはわかりませんが、ディフェンスは甘いなと思いました。フットワークもイマイチでした。ジョーンズと対戦しても、射程に入れずに蹴りで削り倒されて終わりのような気がします。
やはりジョーンズは頭がいい選手です。ティシェイラ評でもわかりますが、試合においては相手選手のタイプを把握して、可能な限りリスクを避けるのが彼の基本的な考え方のようです。これはジャクソンズの基本的な理念でもあると思います。ジョーンズが素晴らしいのは、その理念の上でちゃんとフィニッシュすることですね。圧倒的な削りの強さで相手をあっという間にグロッキーに出来るからこその芸当だとも思いますが。しかしやはりどこか傲慢さというか、率直さがいささか刺々しいところがあります。33歳のおっさんファイターに君、トップになれる素質があるよ!と言ってみたり、コーミエに「我が同胞よ、互いに敬意を持とう!」と言ったり、若干うざいっちゃーうざい気もしますね。自分は気になりませんし、それを言えるだけの実績があると思いますが、人によってはカチンと来るでしょう。恐らくその前にティシェイラの強さを大げさに語っていたのであろう記者を相手に、「お前がどれだけ言い訳しようと弱点は弱点だろ」と指摘してるのも中々のものです。ただあまり先のことばかり考えていると、思わぬところであるスウェーデン人に足元を掬われるかもしれません。
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