画像はUFC ® - Mediaより
ウェルター級5分3R
WIN ヘクター・ロンバート vs ジェイク・シールズ
(ユナニマス・デシジョンによる判定勝利)
ロンバートの強打炸裂!パンチと柔道スルーでシールズを完封
以前からシールズは、爆発力のあるファイターに一発を貰うことが何度もあった。ディフェンスの際に顔を下げてしまうからだ。ハイガードに頼って顔を下げるから、オーバーハンドや膝を見落として被弾してしまう。エレンバーガー戦同様、シールズは序盤に素早い突進からの強打を受けてダウンし、そのまま挽回することは出来なかった。
WOWOWの放送ではことさらにシールズを持ち上げるが、私は正直シールズをあまり評価していない。しつこいタックルは巧くないだけだと感じるし、グラウンドでもねちっこいというよりは展開が遅いと感じている。マイア戦では勝利したが、それはマイアの戦い方が短期決戦型であることと、マイアの戦い方はある程度柔術が出来れば無効化できるからだ。もちろんそういう意味で、柔術は卓越したものがあるだろう。しかし立ちでのレスリングは微妙だし、スタンドも削り合いはいいが倒しきれる性質のものではない。
対するロンバートは、ようやく本来の爆発力を取り戻したという感じだ。重量感たっぷりの肉体はキレがあり、最初のダウンでそのまま試合は決するかと思われた。しかしその後2R中盤あたりからロンバートは猛烈に失速し、3Rはほぼお見合いのまま終了のブザーを聞くこととなった。
パンチもさることながら、今回ロンバートはスタンドでの投げ技が光った。柔道出身ということもあり、素晴らしい投げの数々だった。秋山も柔道の投げを同じように有効に使っていたが、クリンチ状態での攻防はレスリングよりも柔道の技術の方が相性がいい可能性も高そうだ。もっと積極的に取り込んでいくべきだろう。これでロンバートはクリーンTDをシールズから5つも奪い、かなりのポイントを稼いだ。その後寝技を警戒して深追いしないのもいい判断だっただろう。スタミナのロスを考えれば、あそこで下手に付き合えば逆転もあり得たと思う。
体格ではいまいちながら、そのパワーと組みの強さ、そして爆発力は中々の武器だ。あのスタミナのなさでは現状トップは厳しいだろうが、戦えないということもないだろう。ただ年齢がもうキャリア終盤に差し掛かっており、ここから先に勝ち上がるにはちょっと足りないものが多いように感じている。
ちなみにシールズはこの試合によってリリースされた。あの内容では当然だろう。シールズはファイトマネーも比較的高かったように記憶している。年齢、フィジカル、スタイル、ファイトマネー、すべてを鑑みれば極めて妥当なリリースだと思っている。
そしてこの試合で改めて思ったのが、岡見勇信の強さだ。シールズがあれほどにやられてしまう相手から、岡見選手はシングルからTDし、そしてトップを取って攻めていったのだ。さらにはジャブでスタンドでも優位に運んでいた。体格差があったし階級も違っていたので一概には言えないだろうが、それでも岡見選手の日本人離れした強さを再認識できたと思う。
ライトヘビー級 5分5R
WIN ダン・ヘンダーソン vs マウリシオ・フア
(3R 右フック→パウンドによるTKO)
「HENDO」されたショーグン、鼻を粉砕され戦闘不能に
鉄拳が「こんな40代はいやだ」というネタをやったら、ボードには間違いなく顎のしゃくれた、ゴーレムのような体系をしたおっさんが描かれるだろう。2度ダウンを取られながら、3Rに右フック一発で相手の顔面を粉みじんに叩き砕いて逆転する40代なんてジョークだ。だがこの親父はそのジョークをリアルにやり遂げてしまった。
ショーグンがHENDOされるまではショーグンの優勢だった。スタンドでは終始ショーグンが手数で勝り、向上したパンチ技術で頑丈なヘンドから2度もダウンを奪っているのだ。要所でいい打撃を返すヘンドだったが、それでも被弾数はヘンドの方がずっと多かった。特に2回目のアッパーではさすがにこれで試合が終わったと思ったほどだ。だがヘンドの意識はまだ残っており、懸命にディフェンスして極めきることを許さずに逃げ切った。
3R開始時にヘンドは肩で息をして口を開けており、スタミナが残ってないようにも見えた。脳が揺れてガス欠と来れば、そこにKOするだけの余力はないはずだ。普通の人間であればその拳にはもう力が入ることはないだろう。だから、きっとこの親父は人間ではないのだと思う。
3R、ヘンドが頭を押し付けるようにしながらショーグンの脇を差しに行った。警戒したショーグンは頭を下げて差し合いに対処しようと手を下げる。それが命取りとなった。突如腕を放したヘンドは、わずかにできた隙間にねじ込むように、コンパクトな右フックを振りぬいた。その拳は顔を下げていたショーグンの死角から飛来し、顔を上げかけていた彼の鼻柱を吹き飛ばしながら通り抜けていく。バキャッ!という乾いた音が会場に響き渡ると同時に、ショーグンの体が後方に弾け飛ぶ。起き上がろうとしたショーグンだが、そこに容赦のない鬼の追撃が襲い掛かった。
ショーグンは悲痛な顔でそれを防ごうと足掻くが、割って入ったレフェリーが慌てて試合を止めた。待望のリマッチは、凄惨な逆転劇で完全決着することとなった。
比較的意識ははっきりとしていたショーグンだが、その痛みが凄まじいのかしばらく悶絶していた。ようやく体を起こして立ち上がったショーグンの顔が映し出された時、私の背中に悪寒が走り抜けた。彼の鼻がへし折れていたからだ。
レンガを叩きつけられたような傷跡が、ショーグンの顔を大きく歪ませていた。これが人の拳によってつけられた傷だとは俄かには信じられない。あれだけぐだついていた親父のどこに、これほどの力が残っていたのだろうか?
ホームブラジルで向上した打撃技術を見せて勝利は確実、これからまたタイトルを狙おうかというショーグンだったが、まさかの敗北によって彼はトップ戦線からまた離れ、さらには顔面に深刻なダメージを受けてしまった。この一敗は彼のキャリアに大きく影響するだろう。年齢的には今がピークだ。ここでの敗北はかなりの遅れとなるだろう。ショーグンは決して悪くなかった、むしろ良くなっていたのだ。そこでこの結末は、彼には少し気の毒すぎる気もする。ただ理想を言えば、やはり苦しくても絞り込んでミドルでやるほうがいいと感じている。肉体には今だシェイプの余地を感じるからだ。
一方、トップにはきっちり負けるが若い連中の芽は摘むゲートキーパーの中でも、一際物騒で残酷な無頼漢ダン・ヘンダーソンは必殺の右拳でショーグンの夢と鼻を砕いてしまった。以前この男の打撃をボクシングとも違う、ヘンド流拳闘術と称したことがあるが、やはりそれは正しいと思っている。スポーツとは違う質の拳であり、無法な場所で生き抜くための武器という印象が強い。最後の最後に頼れる漢の武器はやはり拳なのだ。この親父はこの拳で己の人生を切り開いてきた。そしてキャリア終盤になっても、その切れ味は今だ衰えを見せることはなかった。こういう連中にきっちりと勝つことが出来るかどうかが、やはり超一流と一流の差なのだろう。
ヘンドはここで勝ってしまったために、ゲートキーパーとして「DC」ダニエル・コーミエのライトヘビー級査定試合の役目を仰せつかった。これはいいカードだろう。ヘンドの拳の脅威をきっちりと抑え込めるかどうかで、トップを取れる器かどうかが判断できるからだ。ヘンドと同系統の選手である「ビッグカントリー」ロイ・ネルソンをDCは完封している。だがヘンドにはレスリングがある分、ネルソンよりもやりにくいだろう。ここで一発貰って負けるようであれば、DCはボーンズには勝てないだろう。DCがまず勝つだろうが、ヘンドは一瞬でも気が抜けない相手だ。絶対という言葉はこの男の前には存在しない。
そしてこの試合が、合法TRT使用者の最後の試合となった。私はTRTがBANされたということでこの試合のヘンドはテストステロン無しかと思っていたのだが、頂いた情報によれば禁止前に申請しており、この試合ではヘンドのTRTは許可されていたとのことだ。最後のTRT利用者がダン・ヘンダーソンで、さらにはそれが衝撃的なKO勝利だったというのも象徴的だ。ここからMMAはどう変わっていくのか、そしてTRTを使えなくなったヘンドはどれくらい変わるのか?MMAはさらに健全なスポーツへと歩を進めた。その過程でヘンドのような男、そして彼の拳に宿っているようなものは消えていってしまうのだろうか?私にはわからない。だが、この試合はMMAの歴史における一つの節目となるだろう。
WSOF ミドル級
WIN 岡見勇信 vs スペツロザール・サヴォーブ
(2R 肩固めによるサブミッション勝利)
ハイライト動画はこちら
復活の狼煙を上げろ!岡見、新天地で若手を一蹴
正直、実力差がありすぎた試合だったようにも思う。相手のサヴォーブは25歳と若く、ローカルで実績はあったが、それでもUFCでかつてタイトル挑戦までこぎ着けた男にとってはいささか物足りない相手だっただろう。
スタンドではいつものように慎重に歩を進める岡見だったが、これまでの試合と違ってあまりジャブでしつこくやり合う素振りは見せず、相手がスタンドで応戦する素振りを見せるやすぐにクリンチからTDし、トップをとって試合を支配していった。スタンドではまだやり合える気配のあったサヴォーブだが、寝かされてからは岡見に抗う実力を持ち合わせておらず、すり潰すような岡見の攻めに次第にガスを失って動きが緩慢になっていった。
2Rも同様で、もはやガスをほぼ失ったサヴォーブに対し、金網を巧く利用して岡見は肩固めの形を作ると、2R残りわずかというところで極めきってタップを奪うことに成功した。驚くことに、この8年で初めてのサブミッション勝利だという。
今回の試合でいくつかよかった点がある。岡見は体をUFC時代よりも絞り込んでいたように感じたことだ。動きは少し速くなったと感じた。スピード重視の調整は良い方向だと思う。
次にスタンドにあまり固執しなくなったことだ。これまでは、スタンドで不利になりながらもジャブに固執してラッシュを受け、そのままなし崩しになる展開が多々あった。彼は打ち合いが卓越しているわけではない。岡見選手の一番の強みは差し合いからのTDだ。脇を差してから崩し、投げ、そして上を取って削るスタイルこそが彼に最も適しているだろう。
相手が少しでもスタンドでそこそこやれると判断したら、すぐに切り替えていくのは素晴らしい判断だった。より確実に勝てる方法があるならば、たとえ退屈だろうとそれを迷わず選ぶことこそが強さだ。
逆に不満に思う点もあった。それは相変わらずのグラウンドでの手数の少なさだ。相手はそこまでグラウンドが優れていたわけではない。だが抵抗するサヴォーブを抑え込むのに慎重になりすぎ、パウンドをあまり打てずに時間をすこし浪費しすぎていたように思う。もっと素早く展開できるだけの実力差があったように感じた。これまでもTDまではいいが、そこからの展開が遅すぎるために損をしていたことが多かったように思うが、その展開の遅さが改善されていない。もちろん慎重なのはいいことだが、もっと削る意識をもって攻めなければ、またサイドを取っていながらブレイクされるようなこともあるだろう。
体格はかなり優れている。そしてTDを取るまではいける。だから相手を寝かしてからフィニッシュするまでの道筋をもっと洗練させる必要があるように思う。肘なども多用し、とにかく削る技術を充実させてほしいと感じている。
ともあれ、まずは手堅く一勝をあげることができてファンとしては安堵した。ジョン・フィッチの悲劇と同じことになるのではとビクビクしていたからだ。だがいざ試合をしてみれば、さすがの横綱相撲というところだった。ファイトマネーもそれなりに貰えたようで、WSOFの岡見選手への待遇も好感触だ。これまでは実力者と当てられすぎていた岡見選手だが、一旦こういう格下とやって改めて自分の良さを再発見できることもあるだろうし、自信を深めることにもなるだろう。まずはWSOFのタイトルをきっちり奪い、そしてそのベルトを引っ提げて外敵としてUFCに乗り込めば面白い展開になるはずだ。
MMAはUFCだけではない。WSOFで王者となり、そしてその実績を引っ提げてUFCで再びタイトルを狙うことが出来れば、UFC以外の団体も価値があることが証明できるはずだ。そうなれば選手の選択肢が増え、MMAはよりスポーツとして盤石となるだろう。UFCからリリースされたら全てがオシマイという考えが払しょくできれば、選手はより精力的に挑戦する意欲を持つことが出来ると考えている。
新しいMMAの世界を、極東のサムライがその刀で切り拓いてくれることを願うばかりだ。
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シールズのリリースは私も妥当だと思います。JMMAに縁のある選手である為か、擁護する声もチラホラ見かけるのですが、以前ジョー・シルバがリリースの基準の一つとして挙げていた「今後王者になる可能性の低いと思われる選手」にピタリと当てはまりますし、費用対効果も良くないとなれば、解雇もやむを得ないのではないでしょうか。
返信削除ヒョードル戦でも思ったのですが、ダン・ヘンダーソンは際を制するのがとても上手い選手ですね。打撃はパンチ偏重だし、寝技もガードワークやサブミッションには長けているとは言い難いと思うのですが、MMA特有の打撃と組技の際で強さを発揮できる。使う技は決して多くはなくても、非常にMMA的な選手だと思います。TRT禁止後もこの強さが続けば良いのですが。
岡見選手の試合は全く同じ印象を持ちました。勿論、口で言うほど簡単な事ではないのは承知していますが、トップキープの際にもう少しパウンドやエルボーで削れればフィニッシュにより近付きますし、仮に判定までもつれた時にもより有利に働くはずです。
ところでエディさんは、UFN Gustafsson vs Manuwaのグンナー・ネルソンの試合は御覧になりましたか?彼の間合いの取り方の上手さ・打撃とテイクダウンの連動・グラウンドでの削りとフィニッシュ力。これらの要素は、失礼ながら先に挙げたシールズや岡見選手に欠けていた物だと思います。少し気が早いかも知れませんが、殴り合い上等の選手が上位を占めだしたUFCウェルター級で、台風の目になってくれるのではと期待しています。
シールズはまさにそれですね。チャンピオンになる可能性がまるで感じられないのにギャラが高い、となればリリースでしょう。
削除グンナー・ネルソン見ましたよ!空手を見事にMMAに適応させてましたね。自分は肘や掌底などの、人体の硬い部位で相手を痛めつける様を見て感動しました。間合いの取り方、オーソとサウスポーの状況に合わせたスイッチ、フットワークは完全に空手でしたね。何よりも倒してからの火力が凄まじい!あの短時間で相手選手の顔面が無残にも崩壊してて度肝を抜かれました。ああいう武器がある選手がTDを狙うというのは見ててとてもすっきりします。あれこそまさに岡見選手などのグラインダーに欲しいものです。そういう意味ではソネン教授はかなり殴るのうまかったんですね。
MMAでは、実は打突していい部位がナックルパート以外にもかなり幅広く認められているので、もちろん貫手はダメですが空手の様々な握りや打突方法はすごく有用なんだなと感じました。ああいう選手が出てくるとMMAの戦い方に幅が出来て期待しちゃいますよね。空手で頂点を取ってくれたらと思っています。
グンナー・ネルソンは空手ではアイスランドのジュニアタイトルを総なめにする天才児だったそうですが、17才の時にヘンゾ・グレイシーに出会い柔術に転向し、2009年に21才で黒帯を取得しています。同じ年にADCCでウェルター級の体格でありながら、ヘビー級のトップグラップラーであるジェフ・モンソンをポイント判定で破っています。4年でヘンゾの黒帯取ってモンソンに勝つというのは、天才としか良いようがないです。
削除私もこのブログの影響か、最近ダーティーボクシングの上手い選手・肘を上手く使う選手が好きになってきました。WSOFライト級王者のジャスティン・ゲイジーなんか、荒削りながらもフィジカルの強さや肘の使い方にジョン・ジョーンズ的な物を感じて注目しています。
ネルソンは柔術でも凄まじいとは聞いてましたが、こうやって実績をきちんと教えていただけると改めてその才能に驚きます。これでさらに若いときてますから期待してもしょうがないところですw
削除ダナハーさんやnaoさんのご指摘通り、際の攻防は重要度がかなり高くなっていますが、そこで使えるのがダーティボクシングや肘なんだと思っています。クリンチとスタンドの融合というか、ここでの技術は組みありの打撃では本来もっと考えられるべきだと思います。それこそワイドマンがシウバにやったように、クリンチからでもOFGならばダウンを奪う打撃は打てるからです。肘も密着状態の打撃ではかなり有用です。ジョーンズみたいに押し込んで離れ際にとかはものすごく巧い使い方だと思います。
個人的には岡見ボッシュ戦、ワイドマンアンデウソン戦で使われたクリンチが同じ形だったのが気になってます。交差するように腕を差し込む形は、拳の出どころを隠してかつ相手の動きを制しやすいのかもしれません。
ゲイジーは評判良いですね。攻めることしか頭にないようなスタイルだとかw実はまだ試合見てないのですが、ダナハーさんの言葉で一気に興味がわいたので今度動画探してみますw
>トップにはきっちり負けるが若い連中の芽は摘む
返信削除相変わらず悪意がこもってる事に関しては文才を発揮されますねw
しかし今後TRTが抜けたらどうなるか・・・
抜けたら元に戻るのではなく頼ってた分だけ元より弱くなってしまうので
正直厳しいんじゃないのかなと
自分ならもう充分に稼いだし第二の人生といきますが
そもそもそういうメンタルの持主でないからあの年でもやってる訳で・・・
それは褒められているんでしょうか、ディスられているんでしょうかw褒められていると前向きに受け止めたいと思いますwちゃんと悪意以外の文章もちゃんと書いてるんですよ!でも一番やる気が出るのは悪意のある文章ですw
削除あのおっさんの考えてることはよくわかりません。たぶん私たちのような一般人とは感覚が違うでしょう。何かと金のことばかり言う人ですが、やっぱり格闘技が病的に好きなんだろうなとは思います。あれだけ他人をうまく殴れるなら、その気持ちはわからいでもないですw
殴るのがうまいという表現が非常に気に入りました。
返信削除PRIDE組がオクタゴンやルールの違いに苦戦するなか、ヘンドのオッサンは他のファイターの苦戦の理由が分からなかったそうですね。
ダナハーさんも書かれてますが、今回のショーグン戦もキワは注目点だと思いました。
キワはポジションモデルとして分類できない、ポジションモデルへの過渡・超短時間的な両選手の位置-姿勢関係だと理解しています。
分類不可なため、確固たるセオリーが存在しなさそうですが、キワのうまいヘンドのオッサンは、インスピレーションと経験でキワの攻防を制しているんでしょうね。
ビスピンを失神させたあのビッグパンチは
1.左前足のロー
2.目線を下げながら、頭をUの字に左へウィービングしながら
3.強烈な右を打ち抜く
でしたが、なんて変則的なんだと思い、このフェイントは天然なのかなと感じました。
オッサン本当に高度な喧嘩しますよね
確かにショーグンが気の毒です
パンチが巧い、ではなく他人を殴るのが巧い、という表現のほうがしっくりきますよねw
削除際の攻防、つまりスタンドからクリンチの間、クリンチからグラウンドの間、グラウンドからスタンドの間の攻防ですが、これは他の格闘技にはあまりなかったものですね。特にここに打撃が絡んだものは少なかったと思います。
ダンヘンのオッサンはレスリングと打撃の連携で、ここの攻防を制していたように思います。ビスピンのもそうですが、ローで意識を散らし、ガードを固めて突っ込んで相手のカウンターを防ぎながらギリギリまでタックルか打撃かの手の内を明かさないんですよね。そして一撃叩き込む感じです。ビスピンも目線が下に行ってましたし、今回のショーグンも目線が完全に下がってて右フックに反応できてませんでした。拳の出どころを完全に隠してます。ただ距離を取れるリーチのある相手にはこれが通用しないことが多かったですね。
ショーグンにかました胴差しのは完全に狙ってたと思います。ショーグンが反応した瞬間に腕解いて拳返してましたから罠でしょうねw性格の悪いオッサンです。
オッサンは喧嘩をスポーツに昇華した感じです。